ストレイテナー、<STRAIGHTENER20201217>開催「不安や葛藤があるけれど、前に進みたい」

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ストレイテナーが12月17日、ワンマンライブ<STRAIGHTENER20201217>を開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けする。

◆ストレイテナー画像

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2020年12月2日にアルバム『Applause』をリリースしたばかりのストレイテナーが、12月17日にライブ<STRAIGHTENER20201217>を開催した。彼らにとって2020年唯一のワンマンライブであり、会場は彼らが過去に名演を繰り広げてきた渋谷CLUB QUATTRO。また、このライブは会場にオーディエンスを迎えると同時に、生配信でも届けられた。……と、いうように事前の情報だけでも盛りだくさん! 期待値も高まらずにはいられない。

開演前、見慣れたクアトロには見慣れない椅子がズラリ。でも、座って静かに待つ人たちのTシャツには“STRAIGHTENER”のロゴがあり、腕にはラバーバンドが見える。そして暗転すると、すかさず立ってマスク越しに笑顔をのぞかせながら、ハンドクラップで大歓迎! この時点で、どんな状況でも楽しもうとするオーディエンスが揃っていることがわかった。

1曲目は、『Applause』に先駆けて10月にリリースされたシングル「叫ぶ星」。のちのMCで、「久しぶりに出てきて新曲はよくないね」(ナカヤマシンペイ/Dr)、「肝が縮んだね」(ホリエアツシ/Vo,G)という会話もあったが、彼ららしい攻めの姿勢が出たオープニングだったと思う。続いては「泳ぐ鳥」。「叫ぶ星」は「泳ぐ鳥」のオマージュでもある。過去と今をつなぐ、とても物語性のある曲順だ。次の「FREEZING」も、長らく彼らのライブを沸かせてきたナンバー。ストレイテナーがライブハウスに帰ってきた──そんな感慨が胸に押し寄せてくる。

「俺たちストレイテナーっていいます。久しぶりで力入っちゃってます。そして、ちょっとカッコつけちゃっています」という、なんとも正直なホリエの挨拶から、ほぐれるように伸びやかな「彩雲」へ。そして、彼らが新たなダンスチューンとして提示した「Graffiti」。2020年4月リリースなので、まだそこまでライブでは披露されていないけれど、客席は心地よさそうにゆらゆらと揺れていた。続く「DAY TO DAY」では、ナカヤマ、日向秀和(B)、大山純(G)の見せ場も映える。このアンサンブルが体感できるのは、ライブならではだ。

ここからは、冬のにおいがする楽曲が続く。澄んだメロディのピアノがきらめく「Toneless Twilight」、笑みを湛えながら歌うホリエが印象的だった「灯り」、そして11月にリリースされたシングル「さよならだけがおしえてくれた」。これは、じっくりと聴き入るイメージの楽曲だったのだが、ライブになるとエモーショナルに響いてきて、さらにグッときた。






中盤を迎え、4人全員が口を開くMCタイム。楽屋やオープニングの裏話では、ライブのモードがカッコつけているみたいで気になったことや、「緊張した!」「いいなあ、この感じ!」といった言葉が飛び出していて、人間味に溢れていた。ナカヤマが「“さよならだけがおしえてくれた”のアウトロで、みんなの解放された顔が忘れられない」と言っていたけれど、百戦錬磨の彼らのそんな表情が見られるのは、このタイミングのライブだけだと思う。

そこから、待ってましたと言わんばかりにコブシがあがった「Melodic Storm」、そしてハンドクラップが眩しかった「シーグラス」。観客としっかりつながったところで披露されたのは、「今、一番歌いたい曲をやります」とホリエが言った「No Cut」。《ありもしないようなこと/でもそれは現実で/紛れもなく 訪れた奇跡で/山も海も空も飛び越えて/会いに行きたい 心からそう思うよ》──いろいろあり過ぎる2020年の年の瀬に、優しく染み渡る歌だ。さらに、9月に行われた配信ライブ<TITLE COMEBACK SHOW>で改めて名曲であることを知らしめた「TENDER」、バンドの揺るがぬ歩みが伝わってくる「スパイラル」と続く。

貴重なワンマンライブらしい、意味を感じるセットリストだったな……としみじみしていると、ホリエが「席があるから、暴れたくならないような曲をって思っていたんだけど、最後ロックして終わります」と言い、『Applause』の中でもアグレッシブな「Death Game」がスタート! ラップが飛び出す演奏や、コミカルな面もある歌詞など、様々な要素を盛り込んだ楽曲に飲み込まれていく。さらに、ホリエがインタビューでこの楽曲との関連性を指摘していた「From Noon Till Dawn」へ突っ走り、最後は大山がブルースハープを吹くイントロで気付いた観客から拍手が起こった「YES,SIR」! これは……配信で観ている人たちは、パソコンの前で(アンコールの時のホリエのMCを引用すると)「容赦なく暴れ狂っている」状態だったんじゃないんだろうか。この終盤の選曲は、どんな状況でも不自然に特別にしないように“いつも通り”のエッセンスを入れたとも受け取れたし、“いつでもどこでも、どんな楽曲でも、俺たちと俺たちの観客は楽しめる”という信頼関係にも感じられた。

アンコールを求める拍手に応えて再び登場すると、「まだ不安や葛藤があるけれど、前に進みたい」というホリエの言葉から、その意思表明に聴こえる「ROCKSTEADY」へ。日向のメロディアスなベースに、大山がギターを重ね、ホリエが歌い出す……何度も聴いたイントロなのに、ロックバンドのライブだけにある眩しいケミストリーを改めて感じて、胸が震えた。

ライブでは『Applause』に対する自信に満ちた言葉もたくさん聞くことができたけれど、1月から2月にかけては全国をまわるリリースツアーが予定されている。きっと、この時代だからこそ感じられる、ロックバンドの可能性に満ちたライブが観られるはずだ。

Text by 高橋美穂
Photo by Viola Kam(V'z Twinkle)

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■<ストレイテナー ONLINE ONE-MAN LIVE "STRAIGHTENER20201217">2020年12月17日(木)セットリスト

1. 叫ぶ星
2. 泳ぐ鳥
3. FREEZING
4. 彩雲
5. Graffiti
6. DAY TO DAY
7. Toneless Twilight
8. 灯り
9. さよならだけがおしえてくれた
10. Melodic Storm
11. シーグラス
12. No Cut
13. TENDER
14. スパイラル
15. Death Game
16. From Noon Till Dawn
17. YES,SIR
En. ROCKSTEADY

<ストレイテナー ONLINE ONE-MAN LIVE "STRAIGHTENER20201217">

2020年12月17日(木)OPEN 19:00 / START 20:00
アーカイブ配信期間:12月18日(木)正午~12月25日(金)正午(予定)
※期間を過ぎるとその時点で視聴途中であっても視聴できなくなります。
配信チケット購入: https://straightener.net/schedule/?id=214

New ALBUM『Applause』

2020年12月2日(水)発売
■初回限定盤A 【2CD+BD】 TYCT-69187 ¥6,500+税
■初回限定盤B 【2CD+DVD】 TYCT-69188 ¥5,500+税
■通常盤 【CDのみ】 TYCT-60169 ¥3,000+税
収録曲:
1. Graffiti
2. 叫ぶ星
3. さよならだけがおしえてくれた
4. 倍音と体温
5. Death Game
6. ガラクタの楽団
7. Parody
8. Dry Flower
9. Maestro
10. No Cut
11. 混ぜれば黒になる絵具

■初回盤BD&DVD収録曲
ONLINE LIVE ‘TITLE COMEBACK SHOW’ 2020.09.05
1. SAD AND BEAUTIFUL WORLD
2. PLAY THE STAR GUITAR
3. 泳ぐ鳥
4. TENDER
5. REBIRTH
6. STILLNESS IN TIME
7. AGAINST THE WALL
8. LOVE RECORD
9. REMINDER
10. AMAZING STORIES
11. EVERGREEN
12. KILLER TUNE [Natural Born Killer Tune Mix]

■初回盤付属LIVE CD
ONLINE LIVE ‘TITLE COMEBACK SHOW’ 2020.09.05
1. SAD AND BEAUTIFUL WORLD
2. PLAY THE STAR GUITAR
3. 泳ぐ鳥
4. TENDER
5. REBIRTH
6. STILLNESS IN TIME
7. AGAINST THE WALL
8. LOVE RECORD
9. REMINDER
10. AMAZING STORIES
11. EVERGREEN
12. KILLER TUNE [Natural Born Killer Tune Mix]

<ニューアルバム「Applause」リリースツアー Applause TOUR>

2021年
1月15日(金)宮城・仙台PIT
1月21日(木)神奈川・KT Zepp Yokohama
1月29日(金)福岡・DRUM LOGOS
1月30日(土)広島・広島 CLUB QUATTRO
2月18日(木)新潟・りゅーとぴあ 新潟市芸術文化会館・劇場
2月20日(土)愛知・名古屋市公会堂
2月21日(日)兵庫・神戸国際会館こくさいホール
2月28日(日)東京・LINE CUBE SHIBUYA

チケット:
ライブハウス:6,000円(税込・D代別)
ホール:7,000円(税込)

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