【インタビュー】MUCC、武道館直前にミヤが語る「有観客+配信は初めて。培った経験を活かして最高の音にしたい」

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■武道館公演が新しいライヴの在り方の
■提示だったり指針のひとつになるといい

──話を配信ライヴに戻しますが、<FROM THE MOTHERSHIP>の1週間後に行われた無観客配信ライヴ<FROM THE UNDERGROUND>はアプローチを大きく変えて、ライヴハウスからのストレートな公演となりました。

ミヤ:最終的にライヴハウス、しかも小バコで一連の配信シリーズを終えて武道館へ行きたかったんです。ストレートなライヴにしたのは、前週のレコーディングスタジオとの対比を出したかったからで。レコーディングスタジオとライヴハウスではサウンドの感じ方が異なることは最初からわかっていましたからね。それにコロナ禍以降、さまざまな配信ライヴに挑戦してきたけど、どれもライヴハウス然としたものではなかったんです。武道館前にあえてオーソドックスでシンプルな配信ライヴをやりたかったということもあります。

──スタイルとしてはストレートなライヴでしたが、そこに至るまでに得たノウハウが活かされることで、すごく観応えのあるものになっていました。

ミヤ:それらがあったからこそ、<FROM THE UNDERGROUND>はああいう感じになったと思う。配信ライヴを重ねる中で得たサウンドメイクや、カメラワークをはじめ、細部に至るまで過去のノウハウを活かせましたから。ライヴハウスからの配信は固定カメラで同じような映像が続くことが多いけど、<FROM THE UNDERGROUND>は作り込むことができた。普通のライヴ映像作品よりも楽しんでもらえるような配信ライヴにしたかったし、狭い空間ならではの臨場感も出せたと思う。

▲無観客配信ライヴ<FROM THE UNDERGROUND>2020年11月28日(土) 撮影◎Susie

──ストレートでいながら、これまでのMUCCの配信ライヴと比べても遜色なく、新たな見どころが盛り沢山でした。それにしても、MUCCの配信ライヴは多様性があって、どれも充実していますね。

ミヤ:他にもまだ、やりたいことはいくつかあるんですよ。いろんなことにトライしてアップデートしていきたいですね。今、一番考えているのは、さっきも言ったようにメンバーそれぞれの自宅からリアルタイムで配信できるようにならないかなということで。全員が違う場所にいながらタイムラグなくリアルタイムで同時演奏できれば、可能性が大きく広がるんですよ。実は、5月の無料配信動画『Remote Super Live〜Fight against COVID-19〜』のときは、それが不可能だということを知らなかったんです。その後、トークを中心としたYouTube配信で、MUCCの昔のライヴ映像に俺がコメントで参加するという企画があったんですね。そのライヴ映像に合わせて、俺が家でギターを弾いて──つまりライヴ映像とセッションしようとしたんです。ところが、俺はライヴ映像に合わせて弾くんだけど、俺が弾いている映像が放送に乗っかるまで6秒くらいの時間がかかるので、リアルタイムで俺が弾いている音とライヴ映像とでは6秒くらいの誤差があるまま放送されるんですよ。それを回避するために、ライヴ映像よりも6秒先のフレーズを演奏するなんて無理なので(笑)。それができないということは、そのときに知ったんです。

──実は私も配信ライヴの現場取材にいくまで、リアルタイムよりも少し遅れて映像と音が配信されていることを知りませんでした。さて、5回の配信ライヴを経て、12月27日に武道館ワンマン公演<惡-The brightness world>を行うわけですが、このライヴは配信ライヴの集大成にして、10ヵ月ぶりの有観客ライヴになります。

ミヤ:コロナの影響で、ライヴ会場に来たくても来れない人がすごく多いので、“有観客+配信”という形にしました。おっしゃるとおり、これまで培ったノウハウを活かす場でもあるので、会場用の音作りと配信用の音作りを完全に分けて、PAは2系統を用意するつもりです。これまでの配信ライヴは無観客だったから配信用に特化した1オペレーターだったけど、会場用と配信用のサウンドって、そもそも全くの別物なんですよ。武道館くらいの規模になると会場用PAと配信用PAに分けることができるので、来場者にも視聴者にも満足してもらえるサウンドメイクができると思う。

──生ライヴも、配信ライヴも両方納得のいくサウンドをそれぞれの形で届けると。

ミヤ:ライヴ会場で観た人が、その後、家に帰ってアーカイブ配信を観たときに、また違った楽しみ方ができるといいなと思ってます。過去にWOWOWで武道館公演を生中継したことがあって、今回もWOWOWの生中継はあるんですけど、いわゆる普通の生中継のカメラワークとは違うアイディアを配信には盛り込みたいですね。武道館の臨場感を伝えることにプラスして、これまでやってきたように細かなアングルとか、演奏している手元を抜いてみたりとか。

──日本武道館公演<惡-The brightness world>は、当日の会場をはじめ、WOWOWの生中継、配信ライヴと3つの方向から楽しむことができそうですね。リスナーにとって嬉しいプレゼントです。では、SATOちさん最後の武道館公演となる<惡-The brightness world>ですが、ライヴそのものはどういった内容になりそうですか?

ミヤ:今の自分達が見せたいライヴをやる、その一言に尽きますね。

──MUCCにとって10ヵ月ぶりの有観客ですし、動員5000人が見込まれる当日が楽しみです。

ミヤ:政府/自治体のガイドラインに沿ってライヴを実施するわけですけど、来場者は飛沫を防ぐために歓声を上げることができないんですよ。その代わりに、音が出せるグッズの持ち込みを可能にしたんですけど、それが結構面白いポイントかな。たとえば、鈴がついたリストバンドとか、光るタンバリンとかをオフィシャルグッズとして先行販売しているし、好きなものを持ってきてもらってもいい。自分の席の範囲内で収まるもので、呼吸を使わずに鳴らせる楽器であれば。俺も他のアーティストの有観客配信ライヴで、ヘドバンや身体を動かすことはOKではありつつも、歓声を上げることはNGというものをたくさん観てきたんですよ。会場で声を上げられないっていうのは結構なストレスですよね。お客さんはもちろん、演者側も盛り上がっているのかな?と想像しながら、探りながらライヴをすることになるから。であれば、声はダメだけど、とにかくいろいろな音で盛り上がってくれたり反応を伝えてくれたらいいなと思ったんです。他にやっているアーティストがあまりいないので、MUCCの武道館公演が新しいライヴの在り方の提示だったり、指針のひとつになるといいですね。

取材・文◎村上孝之


■日本武道館公演<惡-The brightness world>

2020年12月27日(日) 日本武道館
open16:00 / start17:00
(問)SOGO TOKYO 03-3405-9999
▼公演チケット
全席指定 ¥9,600 (税込)
※未就学児入場不可
※営利目的の転売禁止
一般発売:12月13日(日)〜
・イープラス:https://eplus.jp/mucc20201227/
・ローソンチケット:https://w.pia.jp/t/mucc20201227/
・チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/mucc20201227/

▼配信チケット
¥4,500(税込)
受付期間:2020年12月15日(火)18:00~1月3日(日)20:00
・ニコニコ生放送 https://live2.nicovideo.jp/watch/lv329393483
※MAVERICK DC GROUPニコニコチャンネル有料登録会員、および新規有料チャンネル入会者は視聴チケットを3,500円(税込)で購入可能
・イープラス Streaming+ https://eplus.jp/mucc20201227/st/
・LiveFrom EVENTS https://livefrom.events/mucc
※海外向けチケット購入サイト


■WOWOW生中継『惡-The brightness world』

番組タイトル:生中継!MUCC 日本武道館 LIVE 惡 -The brightness world』
放送日時:2020年12月27日(日)17:00〜
https://www.wowow.co.jp/mucc/ 
※番組編成や内容は予告なく変更される場合がございます


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