【ライヴレポート】-真天地開闢集団-ジグザグ、自身初の配信禊は「TV収録のような雰囲気で」

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“悪霊を打ち払い、愚かな者に手を差し伸べる”をコンセプトに2016年に結成されたミステリアスなV系バンド“-真天地開闢集団-ジグザグ”が9月27日、<慈愚挫愚 配信禊 〜赤羽 ReNY alpha〜>と銘打ち、自身初となる配信禊(禊はライブの意)を赤羽ReNY alphaで開催した。

◆-真天地開闢集団-ジグザグ 画像

命-mikoto-(Vo,G)、龍矢-ryuya-(B)、影丸-kagemaru-(Dr)の3人からなる-真天地開闢集団-ジグザグは、禊を行う前に日本テレビ系『有吉反省会』に出演。参拝者(観客の意)から神々しいと崇められている一方で、命が“マイメロディ様”と呼ぶほどサンリオのキャラクターが好きすぎることを反省。命のみならず、中性的で艶やかな出で立ちの龍矢が実はもっと男っぽい格好をしたかったこと、しゃべらない設定を貫いてきた影丸が実はおしゃべり好きでかわいいキャラになりたかったことが明かされ、有吉のツッコミにより、ミステリアスなコンセプトが瞬く間に崩壊することとなった。


もはや隠すものはないという境地に達したゆえなのか、彼らにとって初となる配信禊も想像を覆すもの。通常通りに煽ったり、MCをして参拝者がいる体でステージに立つのかと思いきや、表も裏も包み隠さずに見せるドキュメンタリータッチの禊が繰り広げられた。

禊は桃色の照明の中、和テイストのチューン「さくら さくら」で開幕。ステージにはいくつもの和傘やのぼり旗が配され、3人はステージではなくフロアで歌い演奏するというシチュエーションだ。祈祷師の衣装とはギャップのある伸びやかでポップな旋律を命が歌い上げたかと思うと、ギターをかまえ、疾走感たっぷりのギターロック「Promise」を披露。そのコンセプトや風貌からヘヴィでおどろおどろしい音楽のみをやっているのかと思われるかもしれないが、最初の2曲でそのイメージが見事に裏切られたはずだ。

次の瞬間、場面が転換し、3人が禊の準備をしている映像にチェンジ。影丸がフロアにドラムをセッティングし、命が松明のように見える小道具を自ら組み立てながら、「今日は初の試みとしてステージを使わずにTV収録のような雰囲気にしてみたいと思って、やってみないとわからないので失敗したらごめんなさい」と語り始め、挑戦の話からなぜかダーウィンの進化論にまで発展。そんなレアなオフショット(楽屋風景や移動シーンなど。途中でドラムのヘッドが破れるハプニングもあり)がところどころにインサートされ展開していく禊は、驚きの配信体験だった。




「地獄に堕ちろ!」と命が囁き、龍矢がアグレッシヴに5弦ベースを弾き倒し、影丸が派手なタム回しで見せるメタル魂全開のナンバー「ジゴクニオチロ」のような激しいナンバーもあれば、J-POPとデスメタルが融合した分類不能な曲もあり、「夢に出てきた島田」という曲ではスクリーンに“島田”という文字が大映しになり、コーラスで“島田〜!”と絶叫。ジャンルからしてミステリアスだが、3人のスキルは高く、命が口元からマイクを離し、“もうそれ以上、涙、隠さないで”と歌う王道バラードでその実力を証明したかと思いきや、凶暴な煽りで攻めまくり、後半では唐突にビニールのゴミ袋を持ちながら街の美化(?)を訴える「ゴミはゴミ箱へ」を投下。間奏でギターの速弾きも飛び出す代表曲「復讐は正義」、龍矢と影丸のポージングもかわいい「きちゅねのよめいり」など、参拝者の感情も忙しいこと間違いなしの配信禊。TVで彼らを知った人も、ますます-真天地開闢集団-ジグザグへの謎が深まったに違いない。

禊を終えて「悪霊は退治できてもコロナは退治できない」と祈祷師としての昇格不足について語っていた命、完全燃焼してフロアに倒れこんでいた龍矢、“配信禊を終えて…”のコメントを求められ、途中でカットされるほどにしゃべりまくっていた影丸。参拝者を迎えてのリアル禊では、どんな進化を遂げているのか楽しみにしていたい。

取材・文◎山本弘子

■<慈愚挫愚 配信禊 〜赤羽ReNY alpha〜>2020年9月27日 セットリスト

01. さくら さくら
02. Promise
03. 嘘つき
04. メイドカフェに行きたくて
05. ジゴクニオチロ
06. あいのかたち
07. 忘却の彼方
08. 兎 girl
09. 愛シ貴女狂怪性
10. Requiem
11. 夢に出てきた島田
12. 顔が好き
13. 傷と嘘
14. 悪いのはバンドマン
15. ゴミはゴミ箱へ
16. 復讐は正義
17. きちゅねのよめいり
18. 優しい人

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