【ライブレポート】多彩な顔ぶれの9組が大団円<UNiON STAR’S 2020>開催
ユニオンエンタテイメント所属のアーティストが一堂に会するイベント<UNiON STAR’S 2020>が、9月21日(月)・新宿ReNYで開催された。4回目となる今年は9組のアーティストが出演。ライブを3ブロックに分け、その都度換気や密を避けるなど徹底した感染対策を行いながら、例年以上にアーティストとファンのつながりを実感させるようなライブを繰り広げた。
◆<UNiON STAR’S 2020>画像
▼セットラウンドリー
■セットラウンドリー
トップバッターを務めたのは、セットラウンドリー。10月14日発売の6曲入りミニアルバム「ポストに鍵」がユニオンミュージックジャパン内のレーベルからリリースされるということで、本イベントへは今回が初の参加となる。1曲目は疾走感のある「染み」。キーボードの下山明恵が笑顔で手拍子を促し、ボーカル/ギターの島﨑淳は「新宿、楽しんで行こうぜ!」と呼びかける。生で聴くバンドサウンドはやはり絶品。「メンヘラヘビーガール」、「ポストに鍵」など独特のワードセンスで聴き手の心を掴みながら、ひとクセあるポップなメロディーでフロアを揺らしていった。コロナ禍の孤独感やSNSで飛び交う言葉の矢に傷ついた人達へ向けた「SOS」での歌声は、会場だけでなく、ツイキャスプレミアムでのライブ配信で見ている人達にも間違いなく刺さったはずだ。
▼コウ
■コウ
続いて登場したのは、今月末に事務所を退所するため「UNiON STAR’S 」への参加は今回がラストとなるコウ(KOU)。本番前、「アーティストの思いを尊重してくれる事務所で、5年間成長させてもらうことができた。今日は大きくなった自分を見てもらいたい」と意気込みを語っていたが、その言葉どおり、オープニングからアクセル全開のパフォーマンスを披露。彼女がRaniとしてボーカルを務めたガールズロックバンド「Hysteric Lolita」のデビュー曲「絶望のスパイラル」から、バンド解散後ソロになって初の楽曲「××警告」など、所属期間の集大成となるようなセットリストだ。ヘヴィでハードな最新曲「JUMP」では残念ながら全員でジャンプしながら盛り上がることはできなかったが、思い思いのリアクションに込めたアツい思いをぶつけ合いながら、オーディエンスとの一体感を作り上げていた。
▼FUN RUMOR STORY
■FUN RUMOR STORY
Aブロック最後は、FUN RUMOR STORY。残念ながらこの日で解散となる彼女たちのラストステージだ。元気よくステージに飛び出してきた5人は、はたけ(シャ乱Q)プロデュースのデビュー曲「水色デイズ」など5曲を披露。MCでは
「自分のそばには、いつもメンバーとお客さんの笑顔があった。今日この時間を一生忘れません」(Vo. TaKey)、
「みんなありがとう!最後まで笑顔でやります!」(Dr.Lin)、
「結成から約4年。お世話になった人にも、このへんちくりんだけど大好きなメンバーにも(笑)、ありがとうを伝えたい」(Ba.Mami)、
「いつも通りに楽しみましょうね!」(key. Sherry)、
「みんなにとっても、今日が素敵な思い出になりますように!」(G.Ruchia)
と胸の内を語った。ラストナンバーは夢に向かって頑張るみんなに向けてTaKeyが作詞した「FUTURE」が、今日だけはメンバー同士にも贈り合うように、心を込めて演奏された。鳴り止まないアンコールの拍手。5人は、涙と汗で最高の笑顔を輝かせながらステージを後にしていた。
▼Wa:Mi
■Wa:Mi
Bブロックは、高い歌唱力と表現力豊かなダンスパフォーマンスでこれからが期待される20歳のR&Bシンガー、Wa:Miからスタート。「ライブは約7ヶ月ぶりなので、Wa:Miのすべてを楽しんでもらえるようなステージにしたい」と本番前に意気込みを語っていたが、幕開けと同時に聴こえてきたフェイクであっという間にオーディエンスの心を掴んでいた。ブラックミュージックのグルーブと可憐な声のマッチングが新鮮な「Love On Me」、バラード「Believe and Alive」などバラエティーに富んだ楽曲を丁寧に歌い上げていくWa:Mi。最後の「It‘s Show Time」では現役高校生のダンサーMIYABIとCOCOが登場し、パワフルかつ華やかなパフォーマンスで会場を盛り上げた。
▼池田 彩
■池田 彩
続いて登場したのは、今年ソロ活動10周年を迎えた池田彩。アニメ「プリキュア」の主題歌などでおなじみの人気シンガーだが、この日は「いろんな池田彩を堪能して欲しい」ということで、オリジナル曲を中心に選曲。1曲目の「全弦開放(イーマイナーイレブン)」は様々なジャンルのミュージシャンとコラボレーションする新プロジェクト「池田〇〇」の第1弾として発表された、ELLEGARDENの高田雄一(Ba)との楽曲だ。タオルを振り回して盛り上がれるロックチューンがあるかと思えば、アイルランドを訪れたことがきっかけで書き下ろしたという「SHAMROCK」では民族調なサウンドで旅する気分を演出。まくし立てるようなサビとエモーショナルな疾走感が印象的な「壊れてしまうその前に」や、突きあげる拳に力強い意志を込めた「Road」など、確かな表現力を持つ彼女だからこその世界観を堪能することができた。
▼Super Break Dawn
■Super Break Dawn
Bブロックのトリを務めたのは、新体制になったSuper Break Dawn。この新宿ReNYは5人体制のラストライブを行った場所ということで、ステージに飛び出してきたメンバーからは、気持ちを引き締めつつも思い切り楽しもうとする気合いがひしひしと伝わってきた。ライブではおなじみの「You‘re my #1」で始まり、迫力のパフォーマンスで魅了した「Love me」、切ないバラードの「Because Of You」と緩急をつけた構成で進んでいく。最新ミニアルバム「Raise Your Heart」収録の「DREAM GIRL」は、8人の魅力を余すことなく詰め込んだSBD流EDMの真骨頂ともいうべきナンバーだ。後半戦は、ここからさらに盛り上がるべく「Vroom Vroom」と「Be with…」の2曲を。暗いニュースも多い中、どうしたら音楽でみんなを笑顔にできるかを試行錯誤したというメンバーの思いは、初めて彼らのライブを体験した人にも伝わったはずだ。
▼岩村 華
■岩村 華
Cブロックのトップは、岩村 華。昨年実施された、nana×池田 彩 presents「次世代を担うアニソン・ゲーソンシンガーは私に任せて!」オーディションでグランプリを受賞した19歳で、なんと本格的なライブは今日が初めてだという。BS日テレ「偉人だって人間だもの ~偉人の弱点や失敗から人生を学ぶ!~」の番組テーマソング「ヒストリーゴーズアラウンド」は、歴史にまつわるユニークな歌詞とアニメのキャラクターが飛び出してきたかのようなボーカルがインパクト大。続く「だけど、ふふ〜ん、ふーん」は池田彩のカバーということで、こちらも彼女の持ち味を伝える絶妙な選曲だ。シンガーとして、まだまだ始まったばかりの彼女。これから一体どんな色を見つけていくのか、注目していきたい。
▼PaRet
■PaRet
PaRetは、岡山国際サーキットでのサーキットクイーン活動を行っているユニット。萩ゆりのと細野カリンが活動休止し、この日は朝陽 唯、甲斐ゆいか、坂本七海、3人でのステージだ。前向きな気持ちを届ける「Winner’s Soul」、
最近披露し始めたという待望の新曲「Welcome back」など、健康的なセクシーさとキュートさを併せ持った全力のパフォーマンスをテンポ良く披露。エアギターの振りが可愛い「chocolate holic」では、最後のハートの決めポーズもバッチリ。後半は「Road to Victory」、「Heart course」とエネルギッシュなダンスで駆け抜けていった。本番前「メンバーが3人でも、お客さんが声を出して応援できなくても、より楽しんでもらえるようなステージを目指したい」と口々に語っていたが、その気合いとポジティブなエネルギーを充分感じさせてくれるステージだった。
▼KEN asano FUJIKAWA presents『20/45』スペシャルメドレー
■KEN asano FUJIKAWA presents『20/45』スペシャルメドレー
音楽ユニットのギタリストとしてのデビューから今年20周年を迎えた、音楽クリエイターKEN asano FUJIKAWA。今日はこれまでに彼が手掛けた楽曲を収めたワークスアルバム「20/45」から、その1部を「UNiON STAR’S」出演者らがスペシャルメドレー形式でパフォーマンスするというものだ。元C-ZONEのメンバーであり現在は女優として活躍する山本 夢が座長となってリレーの演出を手掛け、約25分にも及ぶノンストップのステージが繰り広げられた。メドレーの12曲目であり、<UNiON STAR’S 2020>ラストとなる「心の音」はメドレー出演者全員で歌唱。ステージと客席、双方に広がる晴れやかな笑顔が会場を包み込み、<UNiON STAR’S 2020>は大団円となった。
取材・文◎山田邦子
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