【レポート】TK from 凛として時雨、配信ライブ<SAINOU>に美しさと完成度の高さ
8月8日、TK from 凛として時雨のライブ配信<Studio Live for “SAINOU”>が開催された。
◆TK from 凛として時雨 画像
これは春に予定されていた全国ツアー<彩脳 TOUR 2020>が新型コロナウィルス感染拡大の影響により延期されたことを受けて企画されたもので、サポートメンバーはツアーにも参加予定だったBOBO (Dr)、吉田一郎不可触世界 (B)、ちゃんMARI (ゲスの極み乙女。/ Key)、佐藤帆乃佳 (Vn)の4人。映像監督は最勝健太郎が担当し、美しいライティングとカメラワークで映像作品としても完成度の高いライブ配信となった。
通常のライブ同様に、SEが流れる中でメンバーがそれぞれの立ち位置につくと、「Fantastic Magic」でライブがスタート。1曲目から5人の熱量高い演奏がせめぎ合い、TK from 凛として時雨ならではのスリリングな空間が立ち現れる。2曲目の「kalei de scope」からは光の粒子が飛び交うような幻想的な演出が加わり、「flower」ではアコギとエレキを持ち替えて、一曲の中で異なる表情を見せた。
ここから『彩脳』の収録曲が続き、まずはちゃんMARIとのコラボレーションでTKの新たなメロディーが引き出された「インフィクション」。そのメロディーは優美でありながらどこか痛切で、新鮮であると同時に、やはりどこまでもTKらしい。トラックメイカーの鶴田さくらとコラボした「鶴の仕返し」は、リズム隊の音数を絞ったアンサンブルによる緊張感と、開かれたサビの解放感とのコントラストが高揚感を生む。
さらに、又吉直樹が作詞監修で参加した「copy light」は、淡々としたリズムがボーカリストとしてのTKの魅力を引き立て、楽曲がジワジワと熱を帯びるとともに凄みを増す歌声に引き込まれる。『彩脳』の楽曲はコラボレーションによる新たな刺激を受け取りつつ、それをあくまでTK from 凛として時雨の表現として昇華していたのが印象的だったが、その感覚はやはりライブを通じても伝わってくるものだ。
おそらくBOBOだと思われる「よっしゃあ!」という声を挟んで、スピード感のあるシアトリカルな「凡脳」ではスタジオ内が赤の照明に包まれ、シーケンスから始まる「蝶の飛ぶ水槽」では青の照明へ。この曲は間奏以降の地鳴りのようなノイズギターが耳に残る。そして、4月に公開された『THE FIRST TAKE』での歌唱も大きな話題を呼んだ、現時点でのTK from 凛として時雨の代表曲である「unravel」では、楽曲のうねりとともに各メンバーのアクションも自然と大きなものになり、圧巻の演奏を見せつけた。
ライブ終盤では、アルバム表題曲でもある「彩脳 -TK Side-」、ダンサブルなビートの「P.S. RED I」と、アッパーな曲を畳み掛けた後に、ミドルバラードの「memento」へ。電球のほのかな明かりの中で歌われたこの曲では、温かみのある雰囲気が醸し出される。ラストは「katharsis」で文字通りの狂騒的なカタルシスを作り出して、曲の終了とともに映像が暗転。フィードバックノイズが延々と鳴り響く中でエンドロールが流れ、やがて静寂が訪れると、興奮と安堵が入り混じったような余韻の中、配信ライブが幕を閉じた。
取材・文◎金子厚武
撮影◎河本悠貴
■配信ライブ<TK from 凛として時雨 Studio Live for “SAINOU”>
視聴期間:2020.8.8(土)20:00~2020.8.10(月・祝)23:59
▼チケット購入ページ
https://tk-official.zaiko.io/e/studiolive
▼Support Member
Bass: 吉田一郎不可触世界
Drums: BOBO
Piano: ちゃんMARI (ゲスの極み乙女。)
Violin: 佐藤帆乃佳
▼OFFICIAL GOODS
・TKPG珪藻土コースター・TKPG mobile shoulder pouch
and more
https://hmv.co.jp/news/article/2008041012/
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