ボブ・ディラン、17分の新曲「最も卑劣な殺人」が全米No.1を獲得した最も長い曲に
3月27日に急遽デジタル配信を開始したボブ・ディランの最新シングル「最も卑劣な殺人」が、「ビルボード」誌4月11日付のロック・デジタルソング・セールスチャートで1位を獲得した。ボブ・ディランにとって、「ビルボード」のシングル・チャートでは初の1位となった。
◆「最も卑劣な殺人」試聴
ディランの代表曲として知られる「ライク・ア・ローリング・ストーン」「雨の日の女」などのヒット曲は、これまで「ビルボード」で最高2位に甘んじていた。またシングル史上、17分にも及ぶ長尺でNo.1を獲得したのは「最も卑劣な殺人」が初のようだ。過去に発売された長尺のヒットシングルで良く知られたトゥールの「Fear Inoculum」で10分21秒、デヴィッド・ボウイの「Blackstar」で9分57秒のため、「最も卑劣な殺人」は、それをも上回る収録時間である。
この歌は、新型コロナ感染が拡大するなか、「どうぞ安全に過ごされますように、油断する事がありませんように、そして神があなたと共にありますように」というディランのコメントと共に公開された。2012年発表のアルバム『テンペスト』以来のこの自作曲は、第35代アメリカ合衆国大統領であるジョンFケネディの暗殺から始まり、主に六十年代に起きた数々の出来事や時代を彩ったミュージシャン、曲名をコラージュ風に投げかける。訥々と物語を紡ぐように繰り広げるディランのヴォーカルは、静かで穏やかながら揺るぎがない響きだ。
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