Hiroのもいもいフィンランドvol.76「Lost Societyインタビュー:後々に残る曲ができた」

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2010年フィンランドのユヴァスキュラにてSamy Elbanna(サミー・エルバンナ)によって結成されたメタルバンドLost Societyから、今年2月21日に4作目となるスタジオアルバム『No Absolution』が発売になりました。その少し前2月19日にヘルシンキの人気ロックバーThe Riffにて誰でも参加できる先行リスニングパーティがあり行ってきました。その会場でバンドのフロントマンSamyがニューアルバムや来日時のこと、その当日発表になったドラマー交代などについて語ってくれました。


──4作目のスタジオアルバム『No Absolution』が今週発売になりますが、このアルバムについて話してもらえますか?

Samy:このニューアルバム『No Absolution』制作には3年半かけて、このアルバム用にはこれまでで一番多くの曲を作った。レコーディングやミキシングにかけた時間もすごく長くなった。俺たちにとってみたら、このアルバムはなかなか難しい4作目のアルバムだったといえる。これまでの3作は1作でたあと次のアルバムが早いスペースで出来上がった。今回は急いで作るよりも一息ついて、次にどう動いていくか、次に語りたいストーリーはどんなものか考えるのに自分達に時間をつくりたかった。今回出来上がった11曲は今のこのバンドを最もよく表現していると思う。俺たちはこのニューアルバムにすごい誇りを持ってるし、皆が聴いてくれることをすごく楽しみにしているよ。

──個人的に先行シングルで発売になった「Into Eternity」にほれ込んでしまったのですが、この曲にはApocalypticaがFeat.で共演してますが、どういういきさつでそうなったのですか?

Samy:すでに曲はできていて、いくつかの違ったヴァージョンが用意出来てたんだ。プロデューサーのJoonas Parkkonen(ヨーナス・パルッコネン/ 元Santa CruzのJohnny)と一緒に作ってて、スタジオ入りする1週間前に彼がイタリアから電話してきて、この曲をもうちょっと広大にしてみないかとApocalypticaとの共演を提案されたんだ。この曲にはもともとアコースティックギターやノーマルヴォイスなどバンドの新しい側面を取り入れていたので、すぐにその提案にとっても興味を持ったよ。Apocalypticaは昔からずっと好きで彼らの曲は最初っからとても評価していたし、知り合いでもあったのでバンドにメールをいれて、数週間のうちに準備ができ、演奏しに来てくれ、信じられない出来上がりになった。この曲がこんな素晴らしい曲に仕上がるなんて俺たちの誰も想像もしてなかったよ。もしバンドが何らかの理由で突然終わりになった時、後々に残る曲ができた。


──ではどうやってJoonasがこのニューアルバムのプロデューサーになったのですか?

Samy:Joonasとは彼がまだ以前いたバンドの頃からもう長く知り合いだったんだ。そのうち一緒に何かできたらいいなって話もしてたんだ。一緒に曲を作ったらどうかなとか。最初っから彼がプロデューサーに決まってたわけじゃなくて、まず2曲ほどセッションしてみてどうかみてみようってことで、最初バンドの地元ユヴァスキュラですでに出来上がっていた2曲を週末一緒に新しく最初っから通してやってみてみたんだ。そして出来上がったのをバンドのみんなできいてみて、誰の耳にも疑いなく彼が次のアルバムのプロデューサーだと決まった。早い段階で決まったんだ。

──ところでこれまで何度来日しましたか?

Samy:Lost Societyで3度。光栄にもThe Local Bandでも1度来日できた。日本とは最初っからすごくいい関係だよ。最初のライブは2013年のLoud Parkだった。これまでのライブの中で最も素晴らしい経験ができたライブともいえるよ。ちょうど18歳になったばかりで、若くてアドレナリンに満ち溢れていた。さいたまスーパーアリーナで俺たちがトップバッターで演奏時間が午前中で10時半から。観客は数人だろうと思いながらステージに立ったらなんと数千人が来てくれてたよ。いったい何が起こったんだって感じで、素晴らしい経験だった。その一番最初の来日から日本人はとっても素晴らしくフレンドリーで心暖かい。彼らは俺たちの音楽をリスペクトしてくれ、バンドのすべてがうまくいくよう願ってくれる。お互いに俺たちからもリスペクトしあえ、何度も日本にいけたことはとっても嬉しく思う。また早く戻りたいな。できたら今年中にいけたらいいな。

──今朝あなた達のバンドのFBのプロフィール写真を見て、あれ?Tazがいる、、、あれ?あれ?まぼろしか?と目をこすって見直したんですが(笑)、やっぱりTazだよなぁと思ったら、ドラマーのOssi(オッシ)が脱退してTaz(タズ)が加入になったのですね。このことについて話してもらえますか?

Samy:今回のドラマー交代には特に何か裏にドラマがあるとかは全くなくて、俺たちはOssiと10年間同じメンバーで一緒にやってこれたことをとても誇りに思ってるよ。俺たちは一緒にいくつもの目的を達成してきた。このバンドで重要なのは音楽の次にこのバンドに100%捧げることができるかで、それが可能でなくなった場合はそれを認めなきゃならない。バンド活動やるにはツアーやあれやこれやいろいろあるしね。俺たちは純粋にOssiの将来の成功を祈るとともに、Tazが加入したことをとても幸運だと思ってる。Tazとはもう長く友達で、新しいドラマーが必要ってなったとき頭に思いついたのは彼しかいなかった。彼に電話して興味あるか?って聞いたら、もちろん興味あるって返事でとってもうれしかったよ。そして彼は自分をこのバンドに捧げ猛練習したんだ。これ以上のことは望めないよ。今のメンバーでツアーに出る準備もできてる。

…ということでした。最後にSamyからBARKSの読者の皆さんに映像メッセージです。


Lost Society現在のメンバーは:
Samy Elbanna(サミー・エルバンナ):ヴォーカル&ギター
Arttu Lesonen(アルットゥ・レソネン):ギター
Mirko Lehtinen(ミルコ・レヒティネン):ベース
Tapani "Taz" Fagerstrom(タパ二・ ”タズ”・ファーゲルストロム):ドラマー





フィンランドではニューアルバム発売に合わせて、誰でも無料で参加できるリスニングパーティが行われることがあります。これまでも他のバンドで何度か参加したことがありますが、会場にはバンドのメンバーもきていて、会場内出歩いて集まってくれたファンと交流もしてくれます。今回もLost Societyのメンバー達に加え、前ドラマーのOssi Paananen(オッシ・パーナネン)、プロデューサーだった元Santa CruzのJohnnyことJoonas Parkkonen(ヨーナス・パルッコネン)や、同じく元Santa CruzのMiddy (ミッディ)、Reckless LoveのOlli Herman(オッリ・ヘルマン)他友達バンドの人たも何人か会場でみかけました。最初にちょこっと挨拶があった後は、自由に飲みながらニューアルバムを一足先に聴き、近くにきたメンバーに声をかけミーグリできるといった感じでしょうか。これまで参加したことのあるリスニングパーティは入場無料で、フィンランドでは入口でドリンク代をとられることもありません。告知は直前なことが多いですが、ニューアルバム発売のタイミングで行われることが多いです。タイミングよくフィンランド滞在中に開催されることがあればぜひのぞいてみてください。


インタビューの中で初来日した時「若くてアドレナリンに満ち溢れてた。」と語ってましたが、昨年末にみたヘルシンキのNosturi公演、6年たった今もアドレナリン健在でエネルギー爆発のライブでした。





メンバーの希望でもある再来日早いうちに実現できるといいですね。

文&写真(リスニングパーティー&ライブ):Hiromi Usenius

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