【ライブレポート】SPARK!!SOUND!!SHOW!!、初の単独公演「死ぬまで踊りましょう!」

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SPARK!!SOUND!!SHOW!!が1月11日、東京・渋谷WWWにて初の単独公演<SPARK!!SOUND!!SHOW!! presents “NU BLACK RELEASE TOUR”ONE MAN SHOW>を開催した。本公演のライブレポートを以下に掲載する。

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◆ライブ画像

2019年9月18日に2ndフルアルバム『NU BLACK』をリリースし、10月5日から3ヶ月に及ぶロングツアーをスタートさせたSPARK!!SOUND!!SHOW!!。彼らならではのヘヴィ&アッパーな音楽性を継承したうえでより幅を広げ、さらに深化を遂げたアルバムを携えたサーキットということで、今回のツアーに強い期待を抱いたリスナーは多かったに違いない。充実したツアーだったことを表すように、ツアーファイナルであると同時に、SPARK!!SOUND!!SHOW!!にとって初の単独公演となった渋谷WWW公演には多数のファンが来場。開場と同時に場内は満員状態になり、開演前から賑やかな空気に包まれていた。

暗転した場内にサイバーなオープニングSEが流れ、SPARK!!SOUND!!SHOW!!のメンバー達がステージに姿を現した。客席から大歓声が起こり、場内が騒然となる中、タナカユーキ(Vo&G)の「死ぬまで踊りましょう!」という声が響き、ライブは「GODSPEED」から始まった。パンクテイストにハイテンションなキーボードを配した荒々しいサウンドと不良っぽいボーカルをフィーチュアした「GODSPEED」をライブで、しかも爆音で聴くのは本当に気持ちいい。オーディエンスも熱いリアクションを見せ、ライブが始まると同時に場内のボルテージは一気に高まった。


その後もタナカユーキが客席に乱入して歌うという過激なパフォーマンスを見せた「感電!」や、ヘヴィネスとヒップホップテイストを融合させた「かいじゅうのうた」「†黒天使†」、力強く疾走する「ダンザーラ」などを相次いでプレイ。骨太さとキレの良さを併せ持ったサウンドやバンドがマックス状態になった時の身体を揺する轟音、コンパクトな楽曲を続けざまに聴かせる流れ、メンバー全員が織りなす熱いステージングなどが一体になったライブはオーディエンスの気持ちを引きあげる力に溢れている。激しいライブでいながら明るい雰囲気なこともポイントで、場内が終始いいムードで盛りあがっていることが印象的だった。

ライブ中盤ではサンバ感を活かした「OEO」や、タナカユーキとタクマ(Key&G&Cho)、チヨ(B&Cho)の3VOXラップをフィーチュアした「ドカーン」、電脳系ヘヴィチューンの「無愛愛」といたナンバーで幅広さをアピール。さらに、レトロな味わいのカラオケをバックにイチロー(Dr&Cho&169)が歌う「イチロック☆だもん」も披露した。エンターテインメント性の高いステージにオーディエンスは大いに湧いていたし、等身大の和やかなMCも含めて彼らの柔らかな側面に触れられることもSPARK!!SOUND!!SHOW!!のライブの魅力といえる。何度となく歓声が起こり、笑顔で埋まる場内を見て、SPARK!!SOUND!!SHOW!!はリスナーを元気にするバンドだなと強く感じさせられた。



ゲストのR-指定(Creepy Nuts)が登場して場内が熱狂的に盛りあがった「Swinga! feat. R-指定(Creepy Nuts)」を経て、キャッチー&ウォームな「ミッドナイトサイダー」や翳りを帯びたスローチューンの「good sleep」、洗練感を湛えた「蜜」などをプレイ。ここまでのアッパーなテイストとは大きく異なる“シリアスなSPARK!!SOUND!!SHOW!!”を、たっぷりと味わせてくれた。楽曲の世界に入り込んで抒情的な歌を聴かせるタナカユーキと人間味に溢れたサウンドを紡いでいく楽器陣。こういったナンバーをしっかり聴かせる演奏力の高さもさすがの一言で、繊細さを纏ったサウンドは本当に聴き応えがある。オーディエンスも静まり返って、SPARK!!SOUND!!SHOW!!が描き出すエモーショナルな世界に強く惹き込まれていることが如実に伝わってきた。

その後は再びアグレッシブモードにシフトして、ダークかつ重厚な「MARS」からライブは後半に入っていった。パワフルにドライブするリズムセクションとスリリングなキーボードのマッチングを活かした「スサシのマーチ」や狂騒的な「南無」、R&Rが香る「ソウルナンバー」といったナンバーを、フィジカルなステージングを展開しながら炸裂させるSPARK!!SOUND!!SHOW!!と、そんな彼らに応えて怒涛のリアクションを見せるオーディエンス。場内のボルテージはどんどん高まっていき、渋谷WWWの場内はロングツアーのファイナルにふさわしい熱い盛りあがりとなった。


初めての単独公演で、唯一無二の魅力に満ちたライブを披露してみせたSPARK!!SOUND!!SHOW!!。ラウドやパンク、ヒップホップ、EDMといった様々なジャンルの要素を絶妙にハイブリッドさせた彼らの楽曲は本当に魅力的だし、どこか退廃的な匂いがあるのも実にいい。ハードネスを核としながら、しなやかさや抒情性も披露することも含めて、彼らの音楽性の高さはずば抜けている。だからこそライブの笑える要素もより映えるということを、今回のライブを観て実感できた。多くのリスナーから“中毒性がある”と称されている楽曲と独自のエンターテインメント性が一体になったSPARK!!SOUND!!SHOW!!のライブは観応えがあって、虜になるリスナーが今後さらに増していくことを強く予感させられる。最良の形で長いツアーを締め括ると同時に、2020年をスタートさせただけに、今年のSPARK!!SOUND!!SHOW!!がさらなる飛躍を遂げることは間違いなさそうだ。


取材・文◎村上孝之
撮影◎KEIJU

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