スピッツ、<MIKKE>ツアー開幕「素敵な夜になりました」
スピッツが11月30日、静岡・エコパアリーナで全国ツアー<SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020 “MIKKE”>の初日公演を開催した。
◆スピッツ画像
<SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020 “MIKKE”>は10月にリリースされた約3年ぶりのオリジナルアルバム『見っけ』を引っさげて、2020年7月にかけて全国で計48公演を行なうアリーナ&ホールツアーだ。以下、初日・静岡公演のオフィシャルレポートをお届けする。
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スピッツの全国ツアー<SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020“MIKKE”>が11月30日、静岡県・静岡エコパアリーナで開幕した。思えば2017年に行われた<SPITZ 30th ANNIVERSARY TOUR “THIRTY30FIFTY50”>もここからのスタートだった。その時、草野マサムネは「これからもおもろい曲、不思議な曲をたくさん作るので期待してて」と語っていたが、それが形となったのが、10月9日に発売された約3年振りのオリジナルアルバム『見っけ』だ。30周年という節目を超え、さらにスピッツを、バンドを楽しもうという4人の想いがパッケージされている感が強い、最新アルバムを携えてのツアーだけに、ファンならずとも誰もが観たいと思うライブ、ツアーのスタートを、会場を埋め尽くした8,000人のファンが期待に胸を膨らませながら待っていた。
ツアー初日特有のドキドキ感とワクワク感。それはお客さんだけでなく、スタッフやそしてメンバーも同じで、この日のライブに立ち会う全員の思いが、会場を包む。そんな空気を切り裂くように太いビートが奏でられ、ライブはスタート。今回のツアーは2020年7月まで8か月間続くロングランツアーだけに、ライブを楽しみに待っている多くのファンのためにも、セットリスト、ライブの全貌を明かすのは控えたいが、もちろんアルバム『見っけ』からの楽曲中心に、名曲の数々、意外な楽曲が次々と披露された。「初めましての方は初めまして、いつも来て下さる方はご無沙汰してます。ツアー初日の1曲目は声が出るのだろうかといつも不安になるけど、出てました?」と草野が客席に語り掛けると、大きな拍手が起こり「こうなったら楽しい夜にするから、俺達について来いよ!!と、言いながら自分で自分を誰だこいつって思ってしまいます」と、いつも通りのゆるいMCに客席は笑顔で聴き入っていた。
「優しい感じのあの曲をやります」という草野の言葉の後、聴き慣れたイントロを三輪テツヤのギターが奏でると、老若男女、幅広い世代が駆け付けた客席の全ての人が、ステージにグッとひきつけられる様子が伝わってくる。NHK連続テレビ小説『なつぞら』の主題歌で3年2か月振りのシングルとなった「優しいあの子」だ。開放的なメロディと優しく降り注ぐ、温かな陽ざしのような歌、その歌に寄り添うようなバンドサウンドが、極上のポップネスを生み出す。全曲を通してとにかく4人が歌と演奏を心から楽しんでいる様子が伝わってきた。スクリーンに映しだされるその表情から、そして音から、バンド結成32年の“52歳の少年”たちが、バンドを楽しんでいる。そんなスピッツの核心、より純度の高い音楽、それが『見っけ』というアルバムでもあることを、このライブでは教えてくれる。ロッカバラード「ありがとさん」は、田村明浩の太くうねるベースの音と、﨑山龍男の表情豊かなドラム、三輪のアグレッシヴなギターがひとつになって、オルタナティブで重厚なサウンドが構築され、長めのアウトロを4人が楽しみながら演奏し、極上のグルーヴが生まれる。
高らかに鳴り響く印象的なギターフレーズから始まる、ダイナミックな展開のアルバムタイトル曲「見っけ」は、歌っているようなベースと、ドラムが叩き出す跳ねたリズム、4人とサポートメンバーのクジヒロコが生むアンサンブルは豊潤で、圧倒的に瑞々しく、まさにスピッツの真骨頂というべき気持ちよさ。20曲以上ヘヴィで激しいロックサウンドと、せつないメロディが交錯し続け、草野の繊細で温もりある声に包まれ、聴き手はそれぞれの思い出と記憶とともに2時間以上ずっと胸を締め付けられる。それを求めてファンは会場に足を運ぶのではないだろうか。そして幸せすぎて、この瞬間はもう二度と戻ってこないと思うとさらにせつなくなり、悲しくなって、思わず涙がこぼれてしまう──客席のファンの表情を観ていると、そんな胸の内が伝わってくるようだった。
草野は最後に「今日はみなさんのおかげで素敵な夜になりました。一人欠けてもこの空気にはならなかった。一人ひとり全員にありがとう」と感謝の言葉を贈ると、客席からは拍手と共に「ありがとう」という言葉がステージに贈られていた。未来を眺め光を見つけ、過去を懐かしみながらも探り、心から沸き起こるバンドというものへの永遠の憧れを『見っけ』という作品に昇華させ、そしてそれを確かめる旅に出た4人。この48公演のアリーナ&ホールツアーの最終地、7月16日長良川国際会議場のステージ上の4人の目には、どんな光景が映し出されているのだろうか。
文◎田中久勝
写真◎内藤 順司
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<SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020 “MIKKE”>
11月30日(土)静岡・エコパアリーナ ※公演終了
12月05日(木)東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
12月07日(土)東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
12月08日(日)東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
12月12日(木)神奈川・横浜アリーナ
12月14日(土)神奈川・横浜アリーナ
12月15日(日)神奈川・横浜アリーナ
12月27日(金)福岡・マリンメッセ福岡
12月28日(土)福岡・マリンメッセ福岡
2020年
1月18日(土)大阪・大阪城ホール
1月19日(日)大阪・大阪城ホール
1月28日(火)大阪・大阪城ホール
1月29日(水)大阪・大阪城ホール
3月28日(土)山梨・YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)
3月31日(火)群馬・高崎芸術劇場
4月07日(火)鳥取・米子コンベンションセンター・BiG SHiP
4月09日(木)広島・広島文化学園HBGホール
4月10日(金)広島・広島文化学園HBGホール
4月14日(火)栃木・宇都宮市文化会館
4月18日(土)和歌山・和歌山県民文化会館 大ホール
4月19日(日)兵庫・姫路市文化センター 大ホール
4月21日(火)香川・レクザムホール・大ホール(香川県県民ホール)
4月28日(火)熊本・市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
4月30日(木)大分・iichikoグランシアタ
5月05日(火・祝)愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール
5月06日(水・振)愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール
5月08日(金)愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール
5月12日(火)石川・金沢歌劇座
5月14日(木)新潟・新潟県民会館
5月19日(火)北海道・札幌文化芸術劇場hitaru
5月20日(水)北海道・札幌文化芸術劇場hitaru
5月26日(火)宮城・仙台サンプラザホール
5月27日(水)宮城・仙台サンプラザホール
6月01日(月)沖縄・沖縄コンベンションセンター劇場棟
6月02日(火)沖縄・沖縄コンベンションセンター劇場棟
6月07日(日)愛媛・松山市民会館・大ホール
6月08日(月)高知・高知県立県民文化ホール・オレンジホール
6月12日(金)山形・山形県総合文化芸術館
6月14日(日)青森・リンクステーションホール青森(青森市文化会館)
6月21日(日)北海道・帯広市民文化ホール大ホール
6月23日(火)北海道・コーチャンフォー釧路文化ホール
6月29日(月)埼玉・大宮ソニックシティホール
6月30日(火)埼玉・大宮ソニックシティホール
7月05日(日)福井・フェニックス・プラザ
7月06日(月)滋賀・滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール
7月08日(水)岡山・岡山市民会館
7月14日(火)三重・三重県文化会館大ホール
7月16日(木)岐阜・長良川国際会議場メインホール
ニューアルバム『見っけ』
【通常盤】(CDのみ)UPCH-2194 ¥3,000+税
【収録楽曲】
01.見っけ
02.優しいあの子
03.ありがとさん
04.ラジオデイズ
05.花と虫
06.ブービー
07.快速
08.YM71D
09.はぐれ狼
10.まがった僕のしっぽ
11.初夏の日
12.ヤマブキ
▼配信情報
各主要ダウンロードサイト及びストリーミングサイトで2019年10月9日(水)〜配信開始
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