【ライブレポート】としみつ(東海オンエア)、財部亮治、JENNIからなる「TTJ」初のスリーマンライヴ開催
としみつ(東海オンエア)、財部亮治、JENNIからなるユニットのTTJが10月20日(日)、渋谷duo MUSIC EXCHANGEで初のスリーマンライヴを開催した。
今年のゴールデンウィークに行なわれた<ミノロック4><NKR歌謡祭>のMCで話していた「3人でライヴできたらいいね」が念願叶って実現! それぞれのソロ曲、さらにコラボ曲で構成された貴重なライヴは第1部、第2部とも若いリスナーを中心にたくさんの観客が詰めかけ、どちらも見事ソールドアウトの大盛況となった。
▲ 財部亮治
“TTJ TRACKS”と題した昼公演では、DJをバックにトラックスタイルでライヴを披露。としみつ「ピエロ」のサンプリングがSE的に流れる中、まずは財部亮治が先陣を切る。登場するなりクラップを煽り、コール&レスポンスを決め、「Let's get it on」からライヴはスタート。観客の快調な盛り上がりに対してラップを交えながら「イッちゃいそうだ、気持ちいい!」と返したり、ソウル〜ファンクのノリを含んだ「Fiction」では甘い歌声で魅了したりと、フロアの温度をあっという間に上げ、財部は早くも「暑い!」とアウターを脱ぎ捨てる。
先程の「ピエロ」で歓声が沸いたことにも触れ、「出づらい出づらい! 俺は聴きたくなかったよ、みなさんのワーッ!みたいな声は」と笑わせたあとは、「トップバッターとして盛り上げることが俺の宿命なんです」と話して「SHUKUMEI」へ。さらに、「男子にも女子にも聴いてほしいラブソング」だという「Not me」を、オーディエンスの1人1人の目を見つめながらファンサービス精神たっぷりに届け、いいムードを作り上げて次へと繋いだ。
▲ JENNI
続いて、勢いよくステージに駆け出してきたのはJENNI。「ReD HooD」からキュートかつパワフルなヴォーカルで颯爽と盛り上げ、オーディエンスから「かわいいー!!」の声が飛びまくる。「めっちゃ緊張してる!」と言いながら水を飲み、「Gx3」の歌い出しで音に入りそびれてしまったシーンもご愛嬌。その後は見事に立て直し、「TTJとして初めてのライヴ。待ってたんだよ、この日をずっと!」とイベントの開催をあらためて喜んだ。
「lullaby」では、「がんばろうじゃなくて、がんばらなくてもいいんだよ。今のままでいいから続けようっていう歌です」と苦しんでいる人に向けてエールを贈ったJENNI。会場にそのエールが行き渡り涙を流すファンの姿も。そして、TTJを熱くしたいと想いを込めた「夏音」で、しっとりとした会場に熱気を注入し、めいっぱいの笑顔を振りまきながらフロアのタオルを回させた。
▲ としみつ(東海オンエア)
3番手はロックなエンターテイナー、としみつ。オープニングの「スーパースター」からしてギミックなしで勝負していて、すっかり1人のアーティストとして世界観を確立しつつある感じだ。「C.A.K.E」のセリフ部分は「現在彼女はいますけども、虫歯はありません!」と歌い替えて沸かせる。
MCで前日の『U-FES.TOUR 2019 Variety 東京』の話になり、楽屋でもステージでも元気すぎる恭一郎へのツッコミが忙しくて「喉を消耗しそうになった」というとしみつだったが、ヴォーカルの調子は絶好調! 「ピエロ」「RESTART」を情熱的に歌い上げ、身も心も焚きつけられるパフォーマンスを見せてくれた。
TTJ 3人のコラボタイムでは、先輩だからということで打ち上げ代を奢らされそうになったりとJENNIととしみつにイジられる財部。そんな楽しい雰囲気の中、鮮やかなマイクリレーで「雀KENぽん」を聴かせ、「そろそろ最後の曲ですかね」と切なくもエモい「アオハレ」へ。相性抜群の3人の声をもって“別れと出発”が心地よく歌われた。
ここで終演と思いきや、財部とJENNIを「ちょっと待って! まだ終わりたくない。まだまだ青春、ウチはしたいねん!」ととしみつが引き止めた。「ちょっと努力がいる。ワシ、青春はもう遥か前に終わってん!」とまごつく財部に対し、JENNIが「大丈夫やねん。青春は何度でも蘇る」。そのまま「Reverse」へとなだれ込んだ。最後は1週間前に作ったという新曲「ワンダーランド」。曲前に楽しむためのレクチャーがあったおかげで、初披露ながら素晴らしい一体感が生まれ、昼の部は終了となった。
夜公演の“TTJ ROCKS”はバンドを従えてのライヴ。しかも、なんとスタートからTTJの3人が揃って登場し、バックバンドのメンバーを含めて計7人でのステージが続く。トップの財部の出番では、としみつとJENNIがコーラスを担当。「Kokomo」からTTJ感がより色濃く、盛り上がりぶりも凄まじい。財部はマイケル・ジャクソンのTシャツ、としみつはローリング・ストーンズのTシャツに革パン、JENNIはスカート&ブーツスタイルと、ロック仕様の出で立ちになっている。
バラード「Not me」を歌い上げたあとは、2011年3月に会社を辞めて福岡から上京した頃のエピソードを話す財部。当時、初めてかわいがってもらった先輩がいて、その先輩が主催したライヴを観に来たのがここ渋谷duo MUSIC EXCHANGEで、「あの頃は俺もいつかこのステージに立って、歌を聴かせられたらいいな」と思っていたのだという。そんな流れで「歌うことによってみなさんの背中を押せたら」と披露した応援歌「胡蝶蘭」は、バンドサウンドに乗って気持ちよく場内に響きわたった。
財部のステージを受け、「MCをこんなに間近で聞くことは初めてで、歌ってる途中で泣きそうになっちゃった」と明かすJENNI。としみつも「緊張したよね、こっちも。らべさん、こんな真剣にMCしてるんだなと思って」と感極まった様子だ。そして、財部がコーラスに回り、次はJENNIがメインポジションへ。「Gx3」でジャンプをしてほしいとお客さんにレクチャーするJENNIの後ろで、財部ととしみつがドスドスとジャンプしたりと、スキあらば悪ノリする2人が楽しそう。
「さっき、らべさんがここを思い出の場所っておっしゃってたじゃないですか。私にとってもそうなんですよ」と切り出すJENNI。過去の“じぇにー。”名義で最後にライヴをしたのがこのステージだったそうで、“JENNI”として初めて今日ここに立てる感謝を込めつつ、「自分の物語みたいな歌」だという「マリオネット」をダンスとともに印象深く聴かせた。ポジティブなエナジー全開で「dandelion」を届けたあとは、「私のお兄さんに託そうと思います」ととしみつにバトンタッチ。
としみつのステージは、財部&JENNIの美しいハモリが効いた歌から始まるTTJバージョンの「RESTART」で幕開け。「C.A.K.E」もとしみつのロッキンなヴォーカルを、コーラスの2人が楽しい振付(コール&レスポンス“C.A.K.E”のところはY.M.C.A.っぽくダンス)で大いに盛り上げる。バンドの熱量もグングン高まる、理想的なテンションだ。
MCでは東海オンエアが今月で6周年を迎えたことに触れ、活動を始めた頃はYouTuberという言葉すらなく、「気付いたらYouTuberになっていて不思議だった」と語るとしみつ。続けていくうちに、毎日動画をアップする大変さも感じたけれど、こうしてライヴへ来てくれたりする人に感謝の想いを伝えたいと思って作ったのが「ピエロ」だと話し、YouTuberとしての自分と私生活を送る普段の自分を映し出した同曲を、アコースティック寄りのサウンドの中、情感たっぷりに聴かせてくれた。
さて、残るはTTJのコラボ曲のみ。ダイナミックでギラついたバンドサウンドに乗せて、本領発揮とばかりに「雀KENぽん」で3人が躍動する。そして、“またいつか会おうね”のラインが締め括りにふさわしい「アオハレ」でしっとりエンディングを迎えかけるも、今度は財部ととしみつを「帰りたくない…」とJENNIが引き止める演出。さらに、いきなりフェナンシェをどこからか取り出して財部に食べさせる自由すぎるJENNI。「マジで何してんの!?」と怯える財部&としみつだったが、まだ口にフェナンシェがある状態でなんとJENNIが「Reverse」をタイトルコールし、イントロが始まってしまう。「急いで、らべさん! 早く水飲んで!!」と大慌てのとしみつ。大慌てで喉を潤す財部。で、なんとか乗り切る。こんな感じもTTJらしくて楽しい。当然、ファンも大盛り上がり。
ラストは新曲「ワンダーランド」。クラップと合いの手ありのみんなで盛り上がれるナンバーが、すでにキラーチューンみたいになっていて凄い! 記念撮影タイム後に財部が「もう1回やりたい!」と言い出して、まさかのダメ押し「ワンダーランド」でなんとも最高ハッピーな大団円!!
どこまでも自由で軽快なトークで会場を一気に笑顔で包んだと思えば、曲が始まれば圧倒的なパフォーマンスでオーディエンスの感情を揺さぶる。そんなTTJの魅力が存分に詰まった初のスリーマンライブは最高の形で幕を閉じた。
次はどんなものを3人が届けてくれるのか。 今後のTTJの活動も目が離せない。
撮影:木村泰之
取材・文:田山雄士
「第1部 TTJ TRACKS」セットリスト
01.Let's get it on
02.Fiction
03.SHUKUMEI
04.Not me
〈JENNI〉
01.ReD HooD
02.Gx3
03.lullaby
04.夏音
〈としみつ〉
01.スーパースター
02.C.A.K.E
03.ピエロ
04.RESTART
〈TTJコラボ〉
01.雀KENぽん
02.アオハレ
03.Reverse
04.ワンダーランド
「第2部 TTJ ROCKS」セットリスト
01.Kokomo
02.Not me
03.胡蝶蘭
〈JENNI〉
01.Gx3
02.マリオネット
03.dandelion
〈としみつ〉
01.RESTART
02.C.A.K.E
03.ピエロ
〈TTJコラボ〉
01.雀KENぽん
02.アオハレ
03.Reverse
04.ワンダーランド
05.ワンダーランド(2回目)
<U-FES. TOUR 2019 MUSIC>としみつ、JENNIが出演!
・11月3日(日) Zepp Nagoya
【第1部】OPEN 13:00 / START 14:00
【第2部】OPEN 17:30 / START 18:30
出演:HIKAKIN / SEIKIN / Fischer's / としみつ(東海オンエア) / ぁぃぁぃ / JENNI / imiga / みのミュージック (ミノタウロス)
・2020年2月24日(月・祝) Zepp Namba
【第1部】OPEN 13:00 / START 14:00
【第2部】OPEN 17:30 / START 18:30
出演:HIKAKIN / SEIKIN / Fischer's / としみつ(東海オンエア) / ぁぃぁぃ / JENNI / imiga / 夕闇に誘いし漆黒の天使達
・2020年3月1日(日) Zepp Sapporo
【第1部】OPEN 13:00 / START 14:00
【第2部】OPEN 17:30 / START 18:30
出演:HIKAKIN / SEIKIN / アバンティーズ / Fischer's / 北の打ち師達 / としみつ(東海オンエア) / 恭一郎 / ぁぃぁぃ / JENNI / imiga
・2020年3月7日(土) Zepp Fukuoka
【第1部】OPEN 13:00 / START 14:00
【第2部】OPEN 17:30 / START 18:30
出演:HIKAKIN / SEIKIN / アバンティーズ / Fischer's / みのミュージック (ミノタウロス) / としみつ(東海オンエア) / ぁぃぁぃ / JENNI / imiga
・2020年3月22日(日) Zepp DiverCity (TOKYO)
【第1部】OPEN 13:00 / START 14:00
【第2部】OPEN 17:30 / START 18:30
出演:HIKAKIN / SEIKIN / アバンティーズ / Fischer's / みのミュージック (ミノタウロス) / としみつ(東海オンエア) / ぁぃぁぃ / JENNI / imiga / 夕闇に誘いし漆黒の天使達
<財部亮治 ワンマンライブ>財部亮治がワンマンライブを開催!
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