【ライヴレポート】黒ユナイト、初の全国ツアーがスタート

ポスト

黒ユナイトの全国ツアー<2019 AUTUMN ONEMAN TOUR 「アンコーク」> が、2019年10月5日(土)高田馬場AREA公演よりスタートした。オフィシャルのライヴレポートで当日の模様をお届けする。

◆黒ユナイト<2019 AUTUMN ONEMAN TOUR 「アンコーク」>ライヴ画像

本来であればこの場所にはユナイトが立っているはずだった。8月に渋谷WWWXで行われた<2019 SUMMER ONEMAN TOUR「みんなのおと」>のファイナル公演で発表されたのはそのツアーのアンコール的な位置付けでもあった<2019 AUTUMN ONEMAN TOUR「アンコール」 >のキャンセルだった。しかし、ピンチヒッターとして黒ユナイトがツアーをまわることが発表されると、そのどよめきはすぐさま歓声に変わった

黒ユナイトは、爽やかでポップなイメージを持たれているユナイトとは真逆のハードな部分によりフォーカスし、往年のヴィジュアル系に倣ったダークな一面を引き出す期間限定の人気プロジェクトである。それに伴いツアータイトルは「アンコール」から「アンコーク~暗黒の薔薇が咲き乱れし約束の丘で破滅と絶望の果てに千年の封印を経て解放されしあの日の『掟』が守られようとしたその時…天空の彼方より顕れしデウス・エクス・マキナがパンドラの匣を開けた日。~」へと変更され、黒ユナイト初となるワンマンツアーとなった。

記念すべき彼らの初となるワンマンツアーの初日、つまり黒ユナイトとして初のワンマンライヴが10月5日に東京・高田馬場AREAで行われた。チケットはソールドアウト、会場には後方まで人が詰めかけ、身動きが取れないほどだ。定刻を少しすぎたあたりで会場は暗転し、お馴染みのSE「funky!!!」が流れたかと思いきやすぐさまノイズにかき消され、打って変わってシリアスでシアトリカルなSE「亡者の行進」をバックに菊の柄があしらわれた統一感のある出で立ちでメンバーが登場するとフロアからは大きな声があがった。


「やれんのか(高田馬場)AREA!」と結(Vo)が吼えると「MISERABLE」でライヴはスタート。続く「ノゾキアナ?」はユナイト名義の楽曲だが、黒ユナイトのライヴでは黒ユナイトの楽曲以外にもユナイトが元々持つライヴを意識した激しい楽曲も併せて披露される。それもあってかこの日会場に集まったU’s(ユナイトファンの総称)にはひと際気合いの入った人たちが多かったように思うのは気のせいか。軽いMCを挟んで披露された「Ravish Monster」は少し早いハロウィンを思わせるダークパーティーチューンだ。そして、ハロウィンと深い関係がある“ヴァルプルギスの夜”と同じタイトルが付けられた「walpurgis」がセットリストの前後に並べられていたのは必然かただの偶然だろうか。そんなことに想いを巡らせているとフロアはめまぐるしく展開する中でフロアがヘドバン合戦を巻き起こす「高級娼婦とカミキリムシ」でヘッドバンギングの海に包まれていた。どうやら黒ユナイトのライヴにはブレーキは存在しないようだ。




ユナイトの楽曲というと椎名未緒(Gt)とLiN(Gt)による軽やかで繊細なツインギターによるアンサンブルが特徴だが、黒ユナイトではそのイメージを覆すような楽曲も多い。「モノクロオピニオン」や「Licks」ではラウドな音色でギターを刻み、ハク(Ba)と莎奈(Dr)とともにガッチリとユニゾンを決めるギター隊の二人は斬新であり黒ユナイトの面白味だろう。「MCが一番緊張するから本番直前に“MC コツ”で検索して調べた」と笑いを誘った未緒のMCも無事乗り切り、「暴れ足りない人、手挙げて!」と結が煽るとツービートで疾走するファストナンバー「釘」へと続き、再びフロアをヘドバン地獄へ叩き落とす。さらに往年の90年代ヴィジュアル系を彷彿とさせるシャウトが飛び出す「姦詐 the 閻魔」、そのハードさの中にユナイトらしいツインギターによるソロが映えるアグレッシブなライヴナンバー「Eyes_Tea_Bitter_Brown」を立て続けに突きつけ、フロアはそのタイトルの通り(Eyes=目、Tea=茶、Bitter=苦、Brown=茶)、めちゃくちゃに乱れていく。



ライヴは終盤戦に差し掛かる。乱れたフロアをさらなる混沌に巻き込んだのはイントロからブラストビートが炸裂し、極悪なブレイクダウンまで飛び出すデスコアさながらの「赧い蝶」だ。これまでもミクスチャーサウンドやファンクなど、様々な音楽性を多彩に表現する幅の広さが魅力の彼らだったが、ここまで振り切るとはおそるべしである。こうして見ると、黒ユナイトは往年のヴィジュアル系のダークさ、激しさをモチーフにしたプロジェクトであると同時に、近年のヴィジュアル系における激しさの表現までも内包していることがわかるだろう。






アッパーな曲を立て続けにお見舞いされすでに満腹。それでもデザートは別腹なのが人間というものだ。ただ、思いを確かめ合ったキラーチューン「ice」もメインディッシュ同様のパンチ力を誇っているのは周知の事実で、さらにとどめと言わんばかりに爆走する黒ユナイト流メタルコアである「EARL GREY」でもまだその勢いはとどまることを知らない。「黒ユナイトということで最後も思いっきり暴れて帰りたいと思うんだけど、最後の力、全部僕らにくれるかい?最高に狂った景色を見せてくれ!」と結がラストソングをコールするとステージのメンバーもフロアのU’sも残った力を振り絞るように「LEMON SQUASH」をプレイ。しかし、無事に大団円を迎えたかと思ったのもつかの間、結が「久々の黒ユナイトだからもう少し付き合ってくれるかい?」とまさかのロスタイムを要求。この日2回目となる「LEMON SQUASH」にフロアからは大きな歓声があがり、黒ユナイト初となるツアー初日は無事に幕を閉じた。


今年結成8周年を迎え、シーンの中でも中堅になろうとしているユナイトはその活動の中で様々な“初めて”を既に体験しているだろう。そんな彼らが”初めて”を手さぐりで作り上げていく様は初期衝動に溢れていた。ここから1ヶ月間、彼らは全国を周り、11/4に渋谷ストリームホールに帰ってくる。その間どんな“初めて”が彼らを待ち受け、彼らの音楽がU’sと作り上げる空間をどこまでめちゃくちゃにすることができるのか、今から楽しみでならない。さぁ、黒ユナイト初めてのツアーが幕を開けた。




取材・文◎オザキケイト
写真◎西槇太一

セットリスト

01. MISERABLE
02. ノゾキアナ?
03. Ravish Monster
04. Walpurgis
05. 高級娼婦とカミキリムシ
06. モノクロオピニオン
07. At traction S
08. Licks
09. 釘
10. 嘘つきのプレイリスト
11. world wide wish
12. 姦詐 the 閻魔
13. Eyes_Tea_Bitter_Brown
14. 赧い蝶
15. ice
16. EARL GREY
17. LEMON SQUASH
18. LEMON SQUASH

リリース情報

黒ユナイト 1st Mini Album「黒ノ彷徨」
2019年10月02日(水)発売
¥2,500(税込) / DCUN-23
収録曲:
01. 赧い蝶 / 02. EARL GREY / 03. 釘 / 04. Ravish Monster / 05. Licks
06. 赧い蝶(off vo.) / 07. EARL GREY(off vo.) / 08. 釘(off vo.)
09. Ravish Monster(off vo.) / 10 Licks(off vo.)
CD取り扱い店:ittleHEARTS.全店舗 / 自主盤倶楽部 / 音楽処 / fiveStars / マジカルスクエア / SKULL ROSE
通販サイト「ユナハンッッ!!」http://www.official-store.jp/unite

インストアイベント
10月14日(月・祝)マジカルスクエア
10月17日(木)SKULL ROSE福岡店
10月19日(土)littleHEARTS.大阪店
10月24日(木)littleHEARTS.仙台店
10月27日(日)音楽処

ライヴ情報

<黒ユナイト2019 AUTUMN ONEMAN TOUR「アンコーク」
〜暗黒の薔薇が咲き乱れし約束の丘で破滅と絶望の果てに
千年の封印を経て解放されしあの日の『掟』が守られようとしたその時…
天空の彼方より顕れしデウス・エクス・マキナがパンドラの匣を開けた日。〜>
10月11日(金)名古屋ell.FITS ALL
10月13日(日)広島SECOND CRUTCH
10月16日(水)福岡DRUM SON
10月20日(日)ESAKA MUSE
10月25日(金)仙台MACANA
10月28日(月)札幌COLONY
11月04日(月・祝)渋谷ストリームホール
チケット料金:前売¥4,300(税込・ドリンク代別)
未就学児童入場不可 / 営利目的の転売禁止・転売チケットの入場不可
チケット発売中 https://bit.ly/2o2CckU
遅割キャッシュバック実施:黒ユナイトワンマンツアーにて、遅割キャッシュバックを実施致します。
開演後45分後のご入場で、2,000円をその場でキャッシュバック!

◆ユナイト オフィシャルサイト
◆ユナイト オフィシャルモバイルサイト【elite U’s】
◆BARKS ヴィジュアル系 V-ROCK
この記事をポスト

この記事の関連情報