【インタビュー #3】doa、デビュー15周年を語る_後編「バラバラな3人が“声”で繋がっている」
■doaは3人のバランスが悪い
■そのことが良く作用している
──2014年には10周年を迎えましたが?
大田:僕は10周年に感慨めいたものはなかったですね。気がついたら10年経っていたという感じ。
吉本:「10周年だからといって、別に特別なことはしたくない」と徳永さんも言っていましたよね?
徳永:そう。僕はひねくれものなので、“なんで5で割れる年が大事なんだ?” “別に11年でもいいじゃん”と思って、特になにかをする気はなかったんですよ。でも、周りがパーティームードになっていることだし、せっかくだからベストアルバム(『doa BEST ALBUM “open_door” 2004-2014』)を出そうかと。
徳永:そう言われると、たしかによく続いていますね。doaは3人のバランスが悪いことが良いような気がする。それぞれ性格が違うし、考え方とか、好きな食べ物とかも全く違うんですよ。それがうまく噛み合ってdoaというものになっている。特に僕は、声だけは2人を信頼しているんです(笑)。バラバラな3人が声というところで繋がっている気がするんですよ。
大田:“声だけは”って(笑)。
吉本:でも、その感覚はわかる。
大田:10代の頃に組んだバンドじゃないということが大きいんじゃないかな。結成した時点で3人とも大人だったから、それぞれがお互いの個性を受け入れることができた。若い頃は、メンバーはなんでも一緒じゃないと嫌だと思ったりするから。
──音楽面で信頼感があって雰囲気も良ければ、バンドは自ずと続きますよね。10周年を迎えたdoaはベストアルバムのリリースに加えて、東京と大阪で<doa 10th Anniversary LIVE open_door 2014>と銘打った記念公演も行いました。
大田:アニバーサリーライブだったけど、特別なことをしたわけでもなくて。普通にライブをした感じだったよね? 大阪と東京の2公演だけだったから、あっという間に終わってしまったという印象です。
吉本:ツアーだったらもう少し思い出が残ったかもしれないけどね。
徳永:泣くヤツとかもいなくて(笑)。
──サプライズ的にケーキが出てきたりといったことも?
徳永:なかった(笑)。
▲<10th ANNIVERSARY LIVE “open_door” 2014>7月13日@大阪・堂島リバーフォーラム |
徳永:一切なかったですね(笑)。
大田:何周年とか節目とかにこだわるバンドもいるんですか?
──いますよ。10周年が見えてくるとその2年前から仕込みを開始したり。
徳永:むしろ僕らは、さらっと流したかったという(笑)。
大田:doaは、その時その時、自分達がいいと思うものを形にしていこうというスタンスだから、そういうノリではないんですよ。周年だから気分も新たにとか、このタイミングで変わろうとか考えたりすることはない。ごく自然体なんです。
──長年にわたって、自然体が支持され続けていることこそ素晴らしいですよね。そんなdoaは今年15周年を迎えてベストアルバム3枚を連続リリースしますし、7月から10月にかけて全国ツアー<doa 15th Summer Live “open_door” 2019>が開催中です。
吉本:今回のツアーはベストアルバム第一弾『doa Best Selection “ROCK COAST”』をフォローするものなので、ロックチューンがメインなんですよ。だからツアー後半まで、僕らの身体が持つかどうか。そこが見どころになると思います(笑)。
徳永:お客さんも含めて、“みんな一緒にがんばろうぜ!”という(笑)。
吉本:それに、ベストアルバムのツアーということで久しぶりに披露する曲もあるんですよ。僕が今一番悩んでいるのはデビュー曲「火ノ鳥のように」(2004年7月発売)を音源に寄せて披露するか、今の解釈でアレンジするかということ。特に「火ノ鳥のように」は当時と今で歌い方が違うんですよ。BARKSインタビューで前に話したかもしれないけど、「火ノ鳥のように」は歌詞を全部ローマ字にして歌ったから、独特な感じ。それをどうしようかなって。
大田:歌い方を変えることってできるの?
吉本:…………(黙)。
徳永:できないんかいっ(笑)!
吉本:いやいや(笑)。でも音源と同じように歌うのは、今となってはちょっとおかしいのかなって。「火ノ鳥のように」はツアーを通していろいろ試して、答えを見つけたいと思っています。
徳永:今回のツアー会場は基本的にオールスタンディングなんですよ。僕が去年やっていたソロライブは客席ありのスタイルだったけど、今度のdoaは“大人の皆さんも汗だくになってみようぜ、たまには”というライブですよね。みんなでスカッとしたいと思っています。
大田:今回のツアーは僕にとっては限界に挑戦ですよ。そこが不安(笑)。でも、とにかく“やってやる!”という気持ちで臨みます。
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