【インタビュー】新機軸満載ながら、CANTAらしさに輝く好アルバム『Did I make it?』
ルーク篁(Vo、G)、雷電湯澤(Dr)、MASAKI(B)の3人によるCANTAが、2016年発売の『LOVE FIXXXER』以来3年振りとなるオリジナル・フルアルバム『Did I make it?』を完成させた。
タイトルの『Did I make it?』は日本語にすると「間に合った?」という意味で、アルバム制作が大幅に遅れた気持ちがストレートに表現されたものだという。そのタイトルが示す通り、作曲に半年、作詞に1年以上の期間を費やしたという本作には、歴戦のアーティストらしい新旧様々な工夫が随所に施されており、メンバー全員が50歳を越えてなお、自らの音楽を追求する情熱を持ち続け、CANTAの音楽を自ら更新してみせた力作だ。アルバム発売に際し、メンバー3人がインタビューに応じてくれた。
──『Did I make it?』の制作はいつ頃から、どんなふうに始まったのでしょう。
ルーク篁:いつからだろう…正確な時期は、ちょっとわからないな。シングル「Old & Hopeful」(2018年9月8日発売)を先に出したんだけど、その時には、ほぼ曲の頭数は揃っていたはずなんだ。だから、それより前に着手していたということだよね。アルバムを作るのに、こんなに時間がかかると思っていなかったから、完成した時はホッとしたよ。
──ファンの皆さんも心待ちにしていたと思います。アルバムを作るにあたって、テーマやコンセプトなどはありましたか?
ルーク篁:楽曲の方向性ということに限っていうと、テーマとかは特になかった。俺はその時その時に自分が惹かれる勢いのある音楽をやろうと思っていて、それくらいの縛りしかなかった。一言でいえば、俺がいいと思うものを出すだけだよね。それは毎回一緒で、今回も自分のハードルを越える音楽を作るということだけを意識していた。
──自身のリアルな姿を提示されたいんですね。『Did I make it?』は新たなCANTAを随所で味わうことができますが、それも自然な流れだったのでしょうか。
ルーク篁:そう。ただ、自分の中でいいと思って提示する最良の状態の感覚でいくと、今までのCANTAらしさがあるのは当然で、そこにプラスαとして時代的なものを採り入れられたかどうかが結構大きな部分を占めているんだ。そういう意味でいうと、今回は新しいことがなかったなと思う。たとえば「EVERYBODY NEEDS SOMEBODY」(2016年4月9日発売)を出した時は、CANTAのロック感とEDMの融合のひとつの完成形みたいなところがあった。あの曲はいまだにライブで演奏してもいいなと思うし、毎回燃えるんだ。今回のアルバムは楽曲のクオリティが悪くなったわけではないけど、そういう意味での挑戦がなかったなと思って。そこに、ちょっと悔いが残っているんだよね。
──時代性という意味ではそうかもしれませんが、CANTAとしての新機軸が多くて、新鮮さのあるアルバムになっています。アルバムに向けて曲を作っていく中で、キーになった曲などはありましたか?
ルーク篁:「Old & Hopeful」のカップリングが「Ready for the love I need」という曲なんだけど、たしか「Ready for the love I need」が10枚目のアルバムの曲として最初にできたんだ。で、一番最後にできたのが「Old & Hopeful」だった。だから、「Ready for the love I need」から始まって、そこから広がっていって「Old & Hopeful」に集約されたという感じだよね。そういう流れだったから、キーになった曲というのはなかった。逆に言えば全部がキーになっていった感覚があるね。どの曲も印象深くて、思い入れのある曲が並んでいる。俺はそういう感じだけど、雷電とMASAKIはどう?
MASAKI:僕の中で特に印象の強い曲をあげるとしたら「D.N.A」です。「D.N.A」はパーティー感があるじゃないですか。こういうCANTAのど真ん中的な曲は、今までありそうでなかったんですよ。だからデモを聴いた時に「こういうのがきたっ!」と思ったし、それがまんまと1曲目になって「おおっ!」という感じはありますね(笑)。本当にシンプルな8ビートかもしれないけど、いろんなエッセンスが含まれていて、CANTAらしさが十分に出ているなと思います。
ルーク篁:「D.N.A」はテンポのいい、速いロックンロールがほしくて作った曲。この曲は同じリフでずっと押す形になっているのが自分の中ではパンクっぽいイメージで、そこがミソかなと思う。それに、サビを大げさにしたくなかったんだ。歌いあげるサビじゃなくて、ほっぽり投げるような感じにしたかった。
雷電湯澤:その結果、構成が変わっている印象の曲になったね。サビがサビサビしていなくて、そのまま間奏にいっちゃうんだ…という(笑)。
ルーク篁:そう(笑)。
──今までのCANTAとは一味違うキャッチーさを持った曲になっています。「D.N.A」の歌詞は「人間というのは、しょうがねぇな」ということを言いつつ、そこに愛情が感じられることが印象的です。
ルーク篁:俺は基本的に「しょうがねぇな」と思っているんだ(笑)。でも、がんばって生きていくしかないよなという。前に進む諦念感というか、自分の中にはそういう感覚があって「D.N.A」はそれをダイレクトに書いた歌詞になっている。
──今作の歌詞は、全体的にそういうトーンになっていますね。
ルーク篁:それで言うなら、CANTAの全部のアルバムがそうだとは思うよ。「わかっているけどやめられない、やっていくしかない」という。結局、それが自分の言いたいところだから。
──等身大ですね。キャリアを積んだアーティストが人生観を歌詞にすると、批判的だったり説教めいたものになったりすることがありますが、ルーク篁さんは全くそうではないのがいいなと思います。
ルーク篁:俺の場合、いわゆる上から目線の歌詞は歌えないんだ。俺は「自分も含めてダメなんだけどさ」というところしか歌う気になれない。あまりそこから逸脱すると歌った後に気分が良くないというか、なんか恥ずかしいよね、やっぱり。「なにを偉そうに言っているんだ?」というのは、一番嫌なところだったりするから。
──自分が経験してきたことを踏まえて、若い人達に道を示してやろうというタイプではないと?
ルーク篁:うん、そういう気はないな。
雷電湯澤:それは、すごくルーク篁らしいよね。今回のアルバムで俺の中で印象が強い曲はいっぱいあって、たとえば去年出した「Ready for the love I need」はヘヴィ・チューンで演奏していて楽しいというところで気に入っている。今話が出た「D.N.A」も、今年の春ツアーでやったらすごく爽快で楽しめたし。でも、アルバムを通して聴くと、9曲目、10曲目、11曲目という最後の流れがかなりヤバい。できあがったアルバムを聴いて「オオッ!」と思ったよ。
──わかります。後半の流れは圧巻で、9曲目の「Come alive」がアルバムのハイライトかなと思ったら、さらに「Resurrection」がきて衝撃を受けました。
雷電湯澤:そう。10曲目の「Resurrection」はドラムを録っている時に、一番見えなかったんだ。パズルみたいな印象で、全体像がわからなかった。だから、完成したトラックを聴いてすごくビックリしたよ。サビのメロディーとか俺の想像を遥かに超えていたし。最後の3曲はぜひ聴いてほしいね。
──同感です。ドラマチックかつスケール感の大きい「Come alive」や「Resurrection」は、どんなふうに作られたのでしょう?
ルーク篁:その辺りの曲は、どうやって作ったか覚えていないんだ。カッコつけているわけじゃなくて、本当に忘れちゃった(笑)。だから、今聴くと「ああ、よく作ったね」という気持ちになる。こういうものを、よく思いついたなと。大体どのアルバムもできあがって、しばらく経って聴くと、「これ、どうやって考えたんだろう? すごく良いじゃん」と思う曲があるんだ。今回はもうすでにそういう感覚になっていて、どうやって作ったか覚えていない。ただ、「Resurrection」でいうと、ピアノのフレーズがあって、それが延々と続いている感じのことをやりたかったんじゃないかな。俺がなぜEDMが好きかというと、EDMは同じことをずっと繰り返しているのに、少しずつ周りの景色が変わっていくじゃない? そういうところに惹かれていて、それをやりたかったんだと思う。
MASAKI:「Resurrection」は新しいですよね。2人の話を聞いていて、もう1曲あげたくなったんですけど、いいですか?
──それは、ぜひ。
MASAKI:新しいということでは、2曲目に入っている「DA・YO・NE? KA・MO・NE...」は重厚なシャッフル・チューンで、これもCANTAにはなかったタイプなんですよ。モダン・ヘヴィネス感というか、ちょっとニッケルバックのようなカナディアン感があって、単なるヘヴィなシャッフルだけど、CANTAにとって新しく感じる。この曲は春のツアーでもやって、すごく楽しく演奏できましたし、お客さんの反応も良かったです。ノリやすいノセやすいという感じがすごくありますね。
雷電湯澤:俺も「DA・YO・NE? KA・MO・NE...」は好きだな。シャッフルは嫌でもドラマーの個性が一番出てしまうという難しさがあり、ハマると気持ちいいというところがあって。それが50代になって、やっとわかってきましたよ…という感じ(笑)。
──シャッフルは、奥が深いですよね。
雷電湯澤:深い。多分、裏(拍)の取り方が、みんな違うんだろうね。だから、ハネ方がみんな違うという。「DA・YO・NE? KA・MO・NE...」を叩いて、そういう面白さをあらためて感じたというのはあるね。CANTAは、こういう正統的なシャッフルの曲はあまりないので、(ルーク篁を見ながら)今後こういう曲を増やしてください(笑)。
ルーク篁:前向きに対処します(笑)。
──いいですね(笑)。それに、「DA・YO・NE? KA・MO・NE...」は、1番の歌いだしのセクシーなボーカルなども新機軸じゃないですか?
ルーク篁:その辺は、曲が呼んでいるかなというのがあったから。もちろん事前に歌メロは考えていたけど、歌入れの日までウィスパーも入れようとは思っていなかったんだ。録りの現場で合うんじゃないかなという気がして、やってみたら良かった。そういう、その場の閃きみたいなものを活かせたのは良かったなと思うね。
──構築美と柔軟さの両方を活かされたんですね。皆さんがあげてくださった曲以外にもウォームかつエモーショナルな「プライド」や、アコースティック・ギターの弾き語りの「Let it shine」など、注目曲は多いです。
ルーク篁:「プライド」は今回のアルバムの中で、一番言いたいことが言えているというのがあって。「いろいろあって生きていくのは本当に大変だけど、前を向いていかないとね」ということを、わりとストレートな言葉で書けたので良かったと思う。この曲は、言いたいことの言い当て方が上手だなということを感じているんだ。
──年齢を重ねると、ストレスのかからない生き方をしたいとか、自分の世界で満足だと思うようになりがちですが、そうではなくてプライドを持って、強く生きていきたいという言葉が響きました。
ルーク篁:俺は、「楽に生きたい」みたいには思えないんだよね。それは諦めであり、この世のツラさを覆い隠しているだけであって、歳をとっても自分の中身はあまり変わっていなくて。経験を重ねることで、いろんな苦難に対する対処の仕方は覚えてきているから、それで前に進むことはできるけれども、前に進んでいく中で、変わっていない自分の部分と世の中との軋轢みたいなものはいつまでも存在している。それはなくならないんだ、結局。だから、やっぱりがんばって前に進むしかないやと。「プライド」はそういうことを歌っていて、それこそが、俺が一番歌いたいことなんだ。あと、この曲はドラムから始まるアレンジになっていて、それは新しいと思うよ。
──イントロなどに入っている、ゴスペルっぽいコーラスも新しくないですか?
ルーク篁:たしかに、雰囲気的にはゴスペルっぽいかもしれない。この曲はみんなで合唱するようなコーラスを入れたかったんだ。なくても成立する気がしたけど、ここは「Wow Wow」と言っておこう…みたいな。ただ、そういう曲は世の中に、いっぱいある気がしてさ。だから、新しいところを目指したというよりは、あまりない感じのものにしたいなと思った結果、ああいうコーラスになった。ゴスペルということは意識していなくて、結果そうなったという感じだね。
MASAKI:「プライド」は、こういうテイストの曲はベースの音のつなぎ方というのが大事になってくるというのがあって。自分の手癖も入っていますけど、ちゃんと耳に入ってくるメロディーということを確かめながらフレーズを考えていった気がしますね。僕はエモーショナルな曲も大好きで、今回の「プライド」とか「Come alive」「Resurrection」辺りはすごく楽しんで取り組めました。
雷電湯澤:ルークが言ったように「プライド」はドラムから始まるアレンジで、そこはデモの段階でできていたんだ。4小節分しっかり打ち込まれていたので、これはコピーしておこうかなみたいな(笑)。自分でも考えてみたもののあまりピンとこなくて、デモが一番いいかなと思って。それでコピーしてみたら、「あれ? 意外と難しいじゃん」という(笑)。そんなこともあったけど、「プライド」は本当にいい曲だよね。しかも、「こんなにいい曲が4曲目で、もうきたか」みたいな並びになってるじゃん?「ヘッヘッヘッ!」という感じですよ(笑)。
──「プライド」を前半に持ってこれるくらい、いい曲が並んでいますからね。「Let it shine」についても話していただけますか。
ルーク篁:この曲を入れたのは「できたから」というのが一番大きいというか(笑)。それに、やっぱり10曲よりは11曲のほうがいいじゃないですか。随分前から、もうすぐできる、もうすぐできると言いながら全然できなくて、皆さんを待たせてしまったから。オマケの意味も込めて、「Let it shine」も入れることにしました。
──嬉しいプレゼントになっています。ルーク篁さんの弾き語りということで、フォークソング調の曲かなと思いましたが、「Let it shine」はトラディショナル・フォークの匂いがする曲ですね。
ルーク篁:俺がフォークソングから入ったことを知っている人はそう思うかしれないけど、今の自分はそっちにはいかないよね。俺は昔からアイリッシュなものとかが好きだから、自然とそういう方向性になった。
──「Let it shine」が最後に入っていることで、より強く余韻が残るアルバムになっています。続いて、『Did I make it?』のプレイ面について話しましょう。今回それぞれプレイや音作りなどでこだわったことは?
MASAKI:僕がCANTAでベースを弾く時は、イケイケの曲はしっかり支えつつ隙間隙間を狙ってフレーズを入れていって、スロー系とかはより華やかに引き立てるベースを弾くというスタンスなんですよ。今回のアルバムでは、さっきも話が出たように「Come alive」とかはメロディアスなベースを弾いていて、イケイケ感でいうと「D.N.A」でハーモニクスして、アーミングしたりとか、タッピングしたりしています。ベースでアーミングをする人はあまりいないので、ここぞとばかりに使うという(笑)。
──アーミングは、MASAKIさんの個性のひとつになっていますよね。それに、楽曲に合わせた細やかなゲイン感の使い方も絶妙です。
MASAKI:レコーディングではクリーンなラインと歪みのかかったアンプの2系統で録って、後からバランスを取れるようにしているんです。その辺のさじ加減は、ミックスの時に入念にやってもらいました。
雷電湯澤:ドラムは、同じバラードでも9曲目の「Come alive」はいつもの俺らしいどっしりした叩き方だけど、7曲目の「Without you」はちょっとハネたくなったんだ。特に、サビ後のDメロとかは思いきり転がっている。そういうニュアンスを使うことでバラードの表現の幅が広がるというのがあって、そういうところにもちょっと耳を傾けてもらえると嬉しいね。
──雷電さんのドラムは、本当に人間味がありますね。聖飢魔IIのドラマーということで、メタリック&メカニカルなドラミングをイメージするリスナーもいるかと思いますが、そうではないというところが魅力になっています。
雷電湯澤:ま、悪魔味だけどね、ボクの場合(笑)。そういうのは言葉では説明できないんだよね。俺は普通に叩いているだけだから。ただ、ドンカマ(クリック)を鳴らして録るんだけど、そこにピッタリ合っているリズムにはしたくないというのはある。あまりにカマを気にし過ぎて、4隅にシールを貼っているように叩いちゃうと、面白みがないから。聖飢魔IIの初期の頃とかは、そういうドラムを叩いていたんだ。でも、だったら機械のほうがいいじゃんという感じのドラムになってしまう。今の俺が表現したいリズムは、そういうものではないんだよね。
──それが、いい方向に出ています。もうひとつ、今作は各楽器の音色がよりリアルで、特にドラムの音はすごくカッコいいです。
雷電湯澤:本当に? 今回はスタジオに置いてある普通のYAMAHAのセットを使ったんだ。そのドラムセットに合わせてエンジニアさんがスタジオの部屋をチューニングしているらしくて、俺が持っているdWと変わらないいい音で録れるなと思って。それで、YAMAHAのセットを使わせてもらいました。あと、今回スティックも細くしたんだ。最近はライブの時に使っている太いスティックだと、スネアの音が潰れる感じがしていてさ。それで、軽いスティックに替えてみたら、軽いから自ずと力まなくなるわけ。その2つがいい方向に出て今回はドラムの音にしても、リズムのニュアンスにしても、より満足できるものになったというのはあるね。力が抜けると、その分いきたい時にいけるじゃないですか。若い時は、真逆だったんだ。「グワァーッ!」といっているのが基本だから、速い曲とかフィルになると音量が下がってしまうという(笑)。最近は生音のニュアンスとボリュームをコントロールしながら叩くことを楽しんでいます。
ルーク篁:ギターは、俺的には「プライド」のギター・ソロが一番新機軸だね。ちょっとハードロックに寄せていないというか、どっちかというと自分のフュージョン体験に寄せたんだ。まぁ、一瞬出てくるだけで、ロック風味からは逸脱していないけど。それに、「Without you」とかはエレキギターを入れていなくて、それも新しいといえば新しいかな。あとは、どうだろう…。
──個人的には「Come alive」のアウトロのボトルネックから入って、ホットかつエモーショなフレージングに移行するギター・ソロは必聴だと思います。
ルーク篁:「Come alive」は、フェイドアウトというのが肝な気がする(笑)。
──よく言われる「一番おいしいところで消えていく」というヤツですか?
ルーク篁:そう。俺らの年代のロック体験でいうと、そういう曲が多いんだよね。で、そういうのをやりたくなるんだ。それだけ(笑)。
──フェイドアウトに至るまでのソロもすごくいいと思いますが…。あと、「Let it shine」は3フィンガーで弾かれているそうですね。
ルーク篁:そう。俺は出身がフォークだから、3フィンガーは当たり前のテクニックだと思っていたんだけど、高見沢(俊彦)さんのバックをやった時にKOJI(G/La'cryma Christi、ALICE IN MENSWEAR)がTHE ALFEEの坂崎(幸之助)さんに、「3フィンガー教えてくださいよ」みたいなことを言っていて。俺は3フィンガーなんて教わるようなものじゃないと思っていたけど、そうでもないことに気づいた。だったら、自分ができることはやっておいたほうがいいかなと思って作ったのが、今回の「Let it shine」です。
──3フィンガーでギターを奏でながら歌うというのはシブいですよね。今作の歌に関しては、いかがでしょう?
ルーク篁:いつもは自分の作業場で歌録りをするんだけど、今回の制作中に機材の調子が悪くなってしまって、ドラムを録ったスタジオとLEVIN(Dr/La'cryma Christi)のスタジオで録ったんだよね。で、LEVINのスタジオはエンジニアがいないから、いつもと同じように自分でオペレートしながら録ることにした。場所は違うけど、普段どおりの録り方ができて、それが良かった気はするね。いつもの感じでスタジオのちゃんとした機材とか、スタジオならではの雰囲気の中で録ることができたから。それが、声に出ているような気はするな。
──たしかに、ハードなナンバーはよりアッパーに、エモーショナルな曲はより響く歌になっています。さて、『Did I make it?』は良質な楽曲とプレイが詰まっていて、新しいCANTAの顔も味わえるという充実した一作になりましたね。アルバムのリリースを経て、9月から始まる全国ツアーも楽しみです。
MASAKI:秋ツアーは、本当のレコ発ツアーなんですよね。今年の春ツアーでも『Did I make it?』の曲をやりましたけど、いわゆるアルバムの本当の主役達は秋ツアーで初披露することになる。それが楽しみですし、メニューが新曲だらけになるというのはかなり久しぶりなので、新鮮な気持ちでライブができるんじゃないかなと思います。あと、本数もそれなりにありますし、僕の故郷である和歌山にもいけるんですよ。そんなふうに楽しみなことが多いので、早くツアーに出たいです。
雷電湯澤:秋のツアーで初めてやるであろう残りの新曲達が、ライブを重ねることで、どう化けるかというのがあって、それがすごく楽しみだね。MASAKIも言ったように、春ツアーでも新曲はやったけど、今度のツアーはまた違った雰囲気のライブになると思う。なので、楽しみにしていてほしいです。
ルーク篁:ようやくアルバムが出てのツアーなので(笑)。ここまで3ツアーくらい裏切ってきたから、今回はヤバいですよね。ちゃんとやります。ただ、ちゃんとやる気持ちがあるのと、上手くできるのは別だからさ。とにかく一生懸命やる(笑)。「D.N.A」とかはライブで演奏することで上手くなると思うし、「プライド」もやりたいけど、歌が難しいんだよなぁ…。あと、「Come alive」とかも上手くやりたい。こうしてみると、やっぱり大変そうだな(笑)。でも、課題を持ってツアーに出るのはいいことだから。心を強く持って、いろんなことにチャレンジして、そこで得たものを次に活かせるようなツアーにしたいね。
文:村上孝之
CANTA『Did I make it?』
2019年7月24日 発売
CD GQCS-90714 / 4562387209408 / ¥3,000+税
1. D.N.A
2. DA・YO・NE? KA・MO・NE…
3. Old & Hopeful
4. プライド
5. Where were we?
6. Ready for the love I need
7. Without you
8. 反逆のハードロッカー ~k・i・r・i・g・i・r・i・s・u~
9. Come alive
10. Resurrection
11. Let it shine
【メンバー】
ルーク篁(ヴォーカル/ギター)
雷電湯澤(ドラムス)
MASAKI(ベース)
<秋CANTA'19 "How do you like it ? " Tour>
2019年9月8日(日)愛知 名古屋E.L.L
2019年9月14日(土)広島 Cave-Be
2019年9月15日(日)香川 高松 MONSTER
2019年9月16日(月・祝)大阪 OSAKA MUSE
2019年9月21日(土) 宮城 仙台LIVE HOUSE enn 2 nd
2019年9月22日(日)茨城 水戸LIGHT HOUSE
2019年9月23日(月・祝)埼玉 西川口 Live House Hearts
2019年9月28日(土)北海道 札幌 SPiCE(旧:札幌 DUCE)
2019年9月29日(日)北海道 札幌 SPiCE(旧:札幌 DUCE)
2019年10月5日(土)京都 ライブハウス GROWLY
2019年10月6日(日)岐阜 柳ケ瀬ants
2019年10月12日(土)福岡 DRUM Be-1
2019年10月13日(日)山口 岩国 Rocky Country
2019年10月14日(月・祝)岡山 CRAZYMAMA 2nd Room
2019年10月19日(土)神奈川 新横浜 NEW SIDE BEACH!!
2019年10月26日(土) 新潟 LIVE HOUSE 新潟SHOW! CASE! !
2019年10月27日(日) 群馬 高崎 Club FLEEZ
2019年11月2日(土) 和歌山 CLUB GATE
2019年11月3日(日) 三重 Club Chaos
2019年11月4日(月・祝) 静岡 LIVE ROXY
2019年11月9日(土) 東京 渋谷ストリーム ホール
※9/28(土)&9/30(日)札幌SPiCE公演は別メニューとなります。
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