【インタビュー】サーズデイ、初の単独来日公演決定「バンドとオーディエンスの間にいかなる隔たりも存在しない」
米国ポストハードコアシーンを代表する“サーズデイ”が2019年12月、キャリア初の単独来日公演を開催する。「2011年のヨーロッパツアー以来となる今回のツアーを発表できることに驚き、興奮しています。再結成後、僕たちは議論を重ね、今までプレイしたことのない国や都市でショーをすることに決めました。Koln, Eindhoven, London, JAPAN……」とは、来日公演発表時にバンド側からアナウンスされたコメントだ。
◆サーズデイ (THURSDAY) 画像
1997年にニュージャージーで結成されたサーズデイは、エモ/ポストハードコアを代表するバンドとして“スクリーモ”と呼ばれるジャンルを確立。マイ・ケミカル・ロマンスなどとの交友を持ち、メジャーデビューを果たした3rdアルバム『ウォー・オール・ザ・タイム』がUSビルボードトップ200に選ばれるなど、オリジナリティの高い音楽性を世界に知らしめた。
しかし、2011年に予定されていた来日公演は東日本大震災の影響でキャンセル、バンドは翌年2012年に活動休止を発表した。そして、2016年に再結成を果たした彼らが、いよいよ初の単独来日公演を行う。同公演を前に、ジェフ・リックリー(Vo)に訊いたインタビューをお届けしたい。
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■僕らがポップミュージックを
■壊したような気がしたよ
──結成当初から現在までの22年間、バンドの核となっているルールやポリシーはありますか?
ジェフ:結成以来、サーズデイは2つのことを大事にしてきたつもりだ。まずは思いやり。これは、すべての人間が、複雑な世界で生きる方法を理解するために奮闘し、お互いを理解するために最善を尽くすべきだという考えから。次に、このバンドは、あらゆる種類のビジネスを行う前に、常にメンバー間でミーティングを行ってきたということだね。
──ベースメントショー(※住宅などの地下室で開催されるイベント)での下積みがバンドにもたらしたものは?
ジェフ:僕らは、僕ら自身で全てをやらなくてはいけないことを教え込まれたよ。様々な目的を達成するには、自分のためになんでもやる必要があるということをベースメントショーの経験で知ったんだ。またそこからは、真実のままに生き続けること、バンドとオーディエンスの間にいかなる隔たりも存在しないこと、世の中に懐疑的な状態でいることを教えられた。
──サーズデイにとって、通算3作目となるメジャーデビューアルバム『ウォー・オール・ザ・タイム』(2003年発表)の存在はご自身のとっても決して小さいものではない思います。ただ、その前にバンドに大きな変化をもたらしたのは、やはり2ndアルバム『フル・コラプス』(2001年発表)でしょうか?
ジェフ:『フル・コラプス』は僕たちのすべてを変えたアルバムだね。地下でのショーやお客さんのいないバーで演奏するバンドから、2,000人ものお客さんが入るショーを行うバンドにまでにしたアルバムだから。それは今までにはありえないようなことで、僕らの生活のすべてを変えたと言っていい。
──『ウォー・オール・ザ・タイム』が全米ビルボードチャート7位という快挙を残した時は、どんな気分でしたか?
ジェフ:僕らがポップミュージックを壊したような気がしたよ。『ウォー・オール・ザ・タイム』のように怒りや感情が閉じ込められた楽曲たちはトップ10に入っていなかったからね。特に、前年はアンダーグラウンドで演奏していたようなバンドだったわけだし。
──『ウォー・オール・ザ・タイム』は、多くの人が「2000年代のポストハードコアのシーンに大きな影響を与えたアルバムだ」と言っています。ご自身ではその要因はなんだと思いますか?
ジェフ:なぜ大きな影響を与えたのか、わからないことだらけだよ。特に影響を与えた側はね。ただ、その要因のいくつかには音楽的なものがあったと思う。オーディエンスは暗闇……ザ・キュアーの旋律的な部分、ジョイ・ディヴィジョンなどポストハードコア・サウンドを望んでいたんだ。そして僕もまたそれがバンドのモラルだと思っていた。一生懸命働いて、床で寝て、僕らは何もないところからやってきたんだ。結果、『ウォー・オール・ザ・タイム』は、誰もが僕らと同じようなことができることを、小さな町からの来た他のキッズたちにも示せたと思う。
ジェフ:僕が読んで育った作家、たとえばアンカーソン、フランク・オハラ、マイケル・パーマー(ライオンズブリッジの詩人)等から、たくさんのインスピレーションを得ているよ。
──サーズデイは一時期、解散状態にありましたが、メンバー間の全ての行き違いを解決して、また一緒に時間を過ごすことが可能になったそうですね。それがバンドにもたらしたものとはなんですか?
ジェフ:当時、メンバーはお互いにスペースを必要としていたんだよ。僕らは15年間、1年のうち10ヵ月ものツアーをがむしゃらに走り続けていたからね。僕自身は重度の薬物中毒という問題を発症していたし。でも、バンドに戻るタイミングで真っ当な人間に変わったんだ(笑)。
──では最後に、日本公演の後の予定は? 昨年は日本に長く滞在していたとか。
ジェフ:実は昨年、3週間過ごしたんだよ。なぜなら僕は日本という国と人々、そして食べ物が大好きだから。今年も日本を楽しむために数日間滞在してみるつもりだよ。
──15年ぶりの来日にして初の単独公演を待っていた日本のファンに一言お願いします。
ジェフ:僕たちも、もう待つことができないよ! ぜひ会場に来て、僕らに「Hi!」って言ってほしいな。
取材・文◎ANZU
■東阪ツアー<waver waver presents「THURSDAY JAPAN TOUR 2019」>
open18:00 / start19:00
12月6日 東京 SPACEODD
open18:00 / start19:00
▼チケット
7,000円 ※ドリンク代別
一般発売日:9月6日
【イープラス先行発売】
受付開始:7月17日〜8月7日
大阪公演 https://eplus.jp/sf/detail/3023710001-P0030001
東京公演 https://eplus.jp/sf/detail/3023740001-P0030001
※オリジナルトートバッグ付き
※当日券:未定
(問)各ライブハウスまで
November 29th – Family First Festival – Cologne
November 30th – Dynamo Club – Eindhoven
December 1st – Electric Ballroom – London (Full Collapse)
December 2nd – Electric Ballroom – London (War All The Time)
December 5th – Osaka SUNHALL
December 6th – Tokyo SAPCE ODD