【ライヴレポート】マオ from SID、“男性Vocalist Cover”に高い表現力「想いがあふれてきて」
シドのマオ(Vo)によるソロプロジェクト“マオ from SID”が7月30日、東京・マイナビBLITZ AKASAKAにて<Acoustic Tour 2019「箸休めNight」>のファイナル公演を開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。
◆マオ from SID 画像
「箸休めNight」のツアー開催は約2年ぶり。7月17日の東京・恵比寿 The Garden Hallを皮切りに5都市全6公演(2部制)を回り、初日となった東京公演は“女性Vocalist Cover”、ファイナルとなった東京公演は“男性Vocalist Cover”といった2つのテーマで行われた。この夜のマイナビBLITZ AKASAKA公演は“男性Vocalist Cover”。ギター、キーボード、ヴァイオリンによるアコースティック編成のシンプルなサウンドの中、珠玉のラブソングの数々を温かみのあるヴォーカルで歌い上げ、ヴォーカリスト・マオとしての真骨頂を見せた。
静寂に包まれた会場で、微かに聴こえるアコースティックギターとヴァイオリンの調弦の音。シドの華やかなステージとは一線を画したマオのソロツアーのステージはとてもシンプル、座席に座る観客の姿勢も思わずピンと立つ。ほどよい緊張感が広がる中、マオがステージに登場し、柔らかな笑顔で両手を広げてみせると、瞬時に温かな空気が会場に流れ込んだ。
ツアーファイナルとなった“男性Vocalist Cover”の日の1曲目に選んだのは、藤井フミヤの「TRUE LOVE」。極上のイントロと名高いあのギターフレーズから始まるマオの甘い歌に、会場は早くも酔いしれているようで微動だにせず聴き入っている。“平成の名ラブソング”のひとつと言われるこの曲は、藤井フミヤが「バンドの解散で悲しませてしまったファンのことを思って書いた曲」だと当時語っていた。いつもファンを大切にしているマオの思いと、この曲の背景を重ねて思わず胸が熱くなった。
続いてピアノのイントロから福山雅治の「Squall」へ。「TRUE LOVE」同様、静かに想いを高めていくような楽曲はマオの中低音がとても活きる。
「すごくリラックスした空間なので、普段の嫌なことも忘れて、俺の歌で浄化されてください。ラブソングが続きます」──マオ
というMCの次に披露したのは久保田利伸の「Missing」。曲が進むにつれ熱を帯びていくマオのヴォーカル。歌い始めや終わりの声が微かにハスキーになるところなんかは、なんとも色っぽかった。すっかり魅了された会場は相変わらず静かに聴き入っている。そんな空気を打ち消すように、「ありがとね、ベイビー。ベイビー! ベイビー!」と呼び掛けて笑いを誘うマオ。
「この「箸休めNight」ってMCを普通にやればめちゃめちゃロマンチックになるはずなのわかってるけど、作れない。俺、そんなの作れない」──マオ
と照れ隠し。そんなところが彼の愛される所以だろう。会場を和ませたところで、ツアー中、他では演奏されなかった井上陽水の「少年時代」を披露。ピアノとヴァイオリンによるイントロや、マオの肩の力の抜けた歌が、夏の日の涼やかな情景を描いていた。さらに夏をテーマにセレクトしたユニコーンの「自転車泥棒」や、シャ乱Qの大人の切ないラブソング「シングルベッド」と歌い綴る。
この日、歌い終わるたびに「ありがとう」と口にしていたマオだったが、その心境を「歌っている間に想いがあふれてきて、『ありがとう』って気持ちになる」と語った。それはきっと、ファンに向けてのみならず、愛すべき音楽に対しての感謝でもあったのだろう。
そんな言葉の後に披露したのは、自身が初めて作曲に挑戦した「最後の恋」。「自分の存在が誰かの何かのきっかけになれば」──そんな想いを託し、一つ一つの言葉に愛を込めて歌う姿が印象的だった。続くソロ曲「サヨナララスト」ではマオに合わせて観客が左右に手を振り、着席ながらも一体感を生んだ。そして、安全地帯の「ワインレッドの心」、尾崎豊の「OH MY LITTLE GIRL」と、珠玉のバラードをじっくりと聴かせた。
楽曲の持つ情景を鮮やかに描くヴァイオリンの門脇大輔、ギターの友森昭一、キーボードのnishi-kenによるアンサンブルと、情感豊かなマオのヴォーカルは相性もよく、チームワークの良さはMCでのメンバーとのやり取りでも垣間見ることができた。共有した楽しい時間を終わりにしたくないマオは、急遽予定になかった「違う果実」をプラス。今回のツアーで大きな手応えを実感したマオは、「ここで得たものは必ずシドに還元します」と宣言した。
ラストはピアノのイントロからしっとりと始まる「月」。夜空に輝く星のようなミラーボールの光の中、慈愛に満ちた歌声を響かせ、ステージを締めくくった。最後に「今日はかなり出し切った感が強いライブでした」と満足気な表情を見せたマオ。ヴォーカリストとしての深みや表現力、そして強い求心力をこのツアーで見せてくれた彼が、今後どんなふうにさらなる進化を遂げるのか楽しみでならない。
2nd SHOWの終演後には、12月11日(水)にアコースティック編成の<X’mas Acoustic Live 2019>、翌12日(木)にバンド編成による<X’mas Premium Live 2019>を両日共に日本橋三井ホールで開催することを発表して会場を沸かせた。
取材・文◎大窪由香
撮影◎今元秀明
■<マオ from SID Acoustic Tour 2019「箸休めNight」 ※2nd SHOW>7月30日@東京・マイナビBLITZ AKASAKAセットリスト
02. Squall
03. Missing
04. 少年時代
05. 自転車泥棒
06. シングルベッド
07. 最後の恋
08. サヨナララスト
09. ワインレッドの心
10. OH MY LITTLE GIRL
11. 違う果実
12. 月
■マオ from SID 恒例クリスマスライブ情報
12月11日(水) 日本橋三井ホール
・1st SHOW:箸休め Silent Night
open16:00 / start16:30
・2nd SHOW:箸休め Holy Night
open19:00 / start19:30
※国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン
https://worldvision.jp/about/celebrity_supporter.html#12
■<X'mas Premium Live 2019>
12月12日(木) 日本橋三井ホール
・1st SHOW:Premium Silent Night
open16:00 / start16:30
・2nd SHOW:Premium Holy Night
open19:00 / start19:30
▼チケット
一般発売:9月1日(日)
(問)キョードー東京 0570-550-799
【ID-S BASIC優先予約】
受付期間:8/2(金)12:00 - 8/6(火)16:00
※7月31日(水)時点でID-S BASIC会員の方が対象となります
http://www.maofromsid.com/live.php
■シド アルバム『承認欲求』
▲初回生産限定盤A
▲初回生産限定盤B
▲通常盤
【初回生産限定盤A (CD+DVD)】KSCL-3180/1 ¥3,611+税
【初回生産限定盤B (CD+写真集)】KSCL-3182/3 ¥3,611+税
【初回仕様限定盤 (CD)】KSCL-3184 ¥2,870+税
<収録曲>※初回生産限定盤/初回仕様限定盤とも同様
01. 承認欲求
02. Blood Vessel
03. 手
04. デアイ=キセキ
05. see through
06. ポジティブの魔法
07. 淡い足跡
08. Trick
09. 涙雨
10. 君色の朝
【対象店舗 / 特典内容】
▼TOWER RECORDS (オンライン含む/一部店舗除く)
シド『承認欲求』オリジナルB3ポスター(全5種)
※1枚お買い上げにつき、ポスターをランダムで1枚プレゼント
※ポスターの絵柄は店頭ではお選び頂けませんのでご了承ください
※数に限りがありますので無くなり次第終了となります
▼TSUTAYA RECORDS(一部店舗除く) / TSUTAYAオンラインショッピング(予約のみ)
シド『承認欲求』オリジナルB3ポスター(TSUTAYA ver.)
▼シド応援店
シド『承認欲求』オリジナルB3ポスター(集合1種)
※応援店の対象店舗は後日解禁となります
■シド ホールツアー<SID TOUR 2019 -承認欲求->
open17:30 / start18:30
09月14日(土) 千葉・松戸 森のホール21
open15:00 / start16:00
09月23日(月・祝) 群馬・ベイシア文化ホール(群馬県民会館)
open17:00 / start18:00
09月25日(水) 神奈川・カルッツかわさき
open17:30 / start18:30
10月05日(土) 宮城・東京エレクトロンホール宮城
open17:00 / start18:00
10月12日(土) 埼玉・大宮ソニックシティ
open17:00 / start18:00
10月14日(月・祝) 岡山・岡山市民会館
open17:00 / start18:00
10月19日(土) 大阪・大阪国際会議場 メインホール
open17:00 / start18:00
10月20日(日) 大阪・大阪国際会議場 メインホール
open15:00 / start16:00
10月22日(火・休) 福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール
open17:00 / start18:00
11月02日(土) 愛知・日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
open17:00 / start18:00
11月03日(日・祝) 愛知・日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
open15:00 / start16:00
11月05日(火) 東京・中野サンプラザホール
open17:30 / start18:30
11月06日(水) 東京・中野サンプラザホール
open17:30 / start18:30
11月09日(土) 新潟・新潟テルサ
open17:00 / start18:00
11月13日(水) 北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)
open17:30 / start18:30
▼チケット
全席指定 ¥7,500(税込)
※4才以上有料
一般発売日:8月17日(土)
※9月13日 松戸公演は除く
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