安田章大主演舞台『忘れてもらえないの歌』上演決定、戦後の東京生き抜くジャズバンドの姿描く

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安田章大(関ジャニ∞)が主演を務める舞台『忘れてもらえないの歌』の上演が決定した。

岸田戯曲賞受賞の福原充則が脚本を書き下ろし、演出を手がける本作は、第二次世界大戦後の荒れ果てた東京が舞台。安田は、戦後の混乱の中で、生きるために進駐軍相手のジャズバンドを結成し、ギターとボーカルを担当する滝野亘役を演じる。

敵国アメリカの音楽、ジャズを演奏するとはどういうことなのか。日本を破壊した敵国の音楽を何故、若者たちは演奏しなければいけないのか。見よう見まねの演奏から、自分たちのオリジナル音楽を作るようになる若者たちの姿が描かれる。

安田と福原によるタッグは、2017年に上演された『俺節』以来となり、安田は「福原充則さんの書き下しということで、どんな物語になるのか、どんな人物を生きられるのか、喜びとワクワクでいっぱいです。僕は福原さんが描く世界、辛くて厳しい現実を、苦いものを抱えながらも何とか生きていこうとする人達を、笑いも入れながら描くところが好きだなあと改めて感じています。だって、それこそが人生のリアルだと思うんです」とコメント。

また、福原は安田へのオファーについて「戦中・戦後という大変な時代を生きる人のタフさを表現するには尋常じゃないエネルギーが要りますし、暗い芝居にはしたくない。そんなタフさと明るさ、それも、人の痛みをわかった上での華やかさみたいなものを持った人なんて、いるんだろうか……?そういうことを考えたときに浮かんだのが、「俺節」を一緒につくってくれたヤスこと安田章大くんの顔です。」と理由を述べている。

舞台『忘れてもらえないの歌』の東京公演は10月15日〜30日までTBS赤坂ACTシアターにて、大阪公演は11月4日〜10日までオリックス劇場にて上演。

■安田章大 コメント

今回は福原充則さんの書き下しということで、どんな物語になるのか、どんな人物を生きられるのか 喜びとワクワクでいっぱいです。
僕は福原さんが描く世界、辛くて厳しい現実を、苦いものを抱えながらも何とか生きていこうとする人達を、笑いも入れながら描くところが好きだなあと改めて感じています。だって、それこそが人生のリアルだと思うんです。
人は笑うことでまた頑張れる、生きていけるんだと思います。
僕自身、『俺節』から2年の間に、病気や怪我でたくさん心配や迷惑をかけたこともあって、どう生きたいのか、どう生きていくのかということをいろいろ考えました。そんな経験も活きてくるような気がしています。観てよかったと思ってもらえる舞台になるように、全力で頑張ります!

■福原充則 コメント

これまでに、戦時中の演劇の話と、戦後の映画の話をやってきたので、その時代の表現者の話として、もう一つ“音楽”をやりたいなと思ったのが、そもそもの発端でした。
とはいえ、戦中・戦後という大変な時代を生きる人のタフさを表現するには尋常じゃないエネルギーが要りますし、暗い芝居にはしたくない。そんなタフさと明るさ、それも、人の痛みをわかった上での華やかさみたいなものを持った人なんて、いるんだろうか……?
そういうことを考えたときに浮かんだのが、「俺節」を一緒につくってくれたヤスこと安田章大くんの顔です。ヤスのために何かを書くということも出来たんですけど、僕に今書きたいものがあって、最初にヤスの顔が浮かんだというのが、すごくよかったなと今改めて感じています。
主人公は、焼け野原になった東京で、心が空っぽなままじゃ生きていけないことに気が付き、心に何か入れるなら、絶望ではなくポジティブな感情を入れて前に進もうと思った男。キビしい現実を、バカバカしいくらい明るく前向きに生きていこうとする人です。ビジュアル撮影の時のヤスは、なんだかとても色っぽくて、ちょっとドキッとしました。「俺節」から2年経った今のヤスや、今回初めて仕事をする人を含めたメンバー全員と、稽古場でどんなふうに出会って、どんなものをつくっていけるのか、緊張もありつつ、楽しみにしています。

舞台『忘れてもらえないの歌』

東京公演:2019年10月15日(火)〜30日(水)TBS赤坂ACTシアター
大阪公演:2019年11月4日(月祝)〜10日(日)オリックス劇場
チケット料金(全席指定・税込):S席12,000円 A席9,800円
チケット一般発売開始:2019年8月24日(土)

[出演]
安田章大 福士誠治 中村蒼 佐野晶哉(Aぇ! group) 木竜麻生
高月彩良 村上航 大堀こういち 桑原裕子
川田希 加瀬澤拓未 久保貫太郎 ザンヨウコ 高山のえみ 竹口龍茶 寺井義貴 三土幸敏 今國雅彦
渡辺哲 銀粉蝶

  ◆  ◆  ◆

滝野亘 たきの わたる(ギター、ボーカル)/安田章大
お金のために無許可で床屋をやっている学生。戦時中は軍需工場で働き、戦後はお金のためにバンドを始める。調子のいい男。

稲荷義郎 いなり よしろう(作詞家、サックス)/福士誠治
作家志望の男。実家のしがらみの中、志願兵として戦地へ。音楽を通して自分の言葉を届けようとしている。素朴な男。

良仲一矢 よしなか かずや(作曲、ピアノ)/中村蒼
ジャズ好きの男。海軍の楽隊に入ろうとして、肺の異常で入隊審査に落ちている。純粋に音楽を愛しているので、滝野と対立していく。真面目だがアメリカかぶれの一面も。

川崎大 かわさき まさる(バンドのボーヤ、ドラム)/佐野晶哉((Aぇ! group)
戦争で孤児になり、闇市で物を盗んで暮らしている。後に盗むのは物だけでなく、技術、考え方などにも及んでいく。

芦実麻子 よしみ あさこ(娼婦、ボーカル)/木竜麻生
地方の農家の娘。出稼ぎの最中に空襲に遭い、東京に足止め。戦後、仕方なく娼婦をしている。進駐軍相手に覚えた片言の英語を使ってバンドで歌を歌い始める。常に影のある存在。

コオロギ(娼婦)/高月彩良
周辺の娼婦をまとめるリーダー的存在。芯の強い人間だが、戦後の混乱に容赦なく屈服させられ、常にイライラしている。ヒロポンの売買もしている。

曽根川(ドラマー)/村上航
滝野達のバンドに参加するドラマー。戦時中は海軍の楽隊におり、職人気質のミュージシャン。が、特別ジャズに愛情があるわけではなく、滝野と良仲の間に位置するような存在。

瀬田(バーテン、ウッドベース)/大堀こういち
カフェガルボという名のジャズバーのバーテン。滝野達のバンドに参加する。とぼけた男だが、戦後の混乱の中でとぼけ続けるには、それ相応の覚悟のある男。

オニヤンマ(拾い屋)/桑原裕子
ミュージシャンを進駐軍クラブに派遣する仲介業。さらに様々な職種を兼任している。常に混乱の中でしか成立しない仕事をしており、世の中が落ち着いてくると居場所がなくなってしまう。

鉄山(闇市を仕切るヤクザ)/渡辺哲
戦後の混乱に、一切の悲壮感を持たず、混乱を楽しむかのように生きている男。善悪を並列に扱うので、 強い者にも弱い者にも抵抗する。

レディ・カモンテ(ジャズバー・ダンスホールの女支配人、歌姫)/銀粉蝶
カフェガルボの女支配人。ステージも務める。 戦前からの歌姫。店もカモンテも戦時中から戦後まで、 政府や進駐軍に翻弄され続け、抵抗したり迎合したりするうちに、自分を見失っていく。

  ◆  ◆  ◆

[あらすじ]
焼け野原で誓った。
空っぽになった心に絶望を詰めるくらいなら、 ポジティブな感情を詰めて生きていこう。
悩んでたまるか。 意地でも明るく生きてやる!

1938年、 新宿。大陸で始まった日中戦争の暗い影も気にせず、夜な夜な遊ぶ若者達がいた。彼らの名は、滝野亘、稲荷義郎、良仲一矢。仕事が終わると、それぞれが自分が働く店の残り物を持ち寄り、将来を語りながら飲み明かしていたのだ。しかし、日本は第二次世界大戦に突入。東京は空襲で焼け野原となり、 敗戦を迎える。戦後の混乱を生き抜くため、滝野は進駐軍相手のジャズバンドを結成することに。当時、 進駐軍のクラブで演奏するミュージシャンには破格のギャラが支払われていた。だから誰もがミュージシャンになりたいと思ったのだ。戦前からの仲間に新メンバーも加わり、ジャズバンド「東京ワンダフルフライ」が誕生。かくして、進駐軍とその関係者ら全員アメリカ人の客を前にステージに立つ「東京ワンダフルフライ」。にわか演奏と歌で、どうするのか?!待った無し!

[スタッフ]
脚本・演出:福原充則
音楽:門司肇
美術:二村周作
照明:斎藤真一郎
音響:藤森直樹
衣裳:高木阿友子
ヘアメイク:大宝みゆき
映像:石田肇
振付:近藤良平
アクション:渥美博
歌唱指導:益田トッポ
演出助手:相田剛志
舞台監督:幸光順平
制作:笠原健一
プロデューサー:熊谷信也(キョードー東京)
企画製作:キョードー東京/TBS

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