【レポート】ヒトリエ、wowaka追悼会「また絶対、絶対に会いましょう」

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ヒトリエが6月1日、<wowaka追悼 於 新木場STUDIO COAST>を開催した。ヒトリエは4月5日にボーカル&ギターのwowakaが急性心不全のため永眠。実施された<wowaka追悼 於 新木場STUDIO COAST>は、開催中だった全国ツアーのファイナル公演を予定していた会場にて、wowakaを悼むお別れ会として催されたもの。そのオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆ヒトリエ 画像(22点)

『追悼会』当日は会場ロビーに設けられた祭壇にwowakaの写真と生前愛用していたギターなどが飾られ、全国から集まった3,000人が献花を行うなど、wowakaとのお別れを惜しんだ。また、場内にはヒトリエの写真を撮り続けているカメラマン西槇太一による写真展『HITORIE TAICHI NISHIMAKI 2015-2019 http://xn--i6q789c.com/gakuten/img/repeat_close.gif』(※正式表記はタイトル末に反復記号)も開催され、ライブやオフショットなどで国内外を共にした5年の軌跡を辿る写真が展示された。




『追悼会』はツアーの開演時間を予定していた18:00より実施。中止となった全国ツアー<ヒトリエ TOUR 2019 “Coyote Howling”>8公演のチケット所持者が入場可能となり、フロアは約2,000人のファンで超満員だ。定刻を過ぎたころにステージを覆っていた暗幕が開くと、ヒトリエの機材がステージ上に通常通りセットされており、その後方のスクリーンに映像が投影された。

映し出されたのは、2017年に行われた<全国ワンマンツアー2017 “IKI”>から、ツアーファイナルとなった新木場STUDIO COAST公演のライブ映像だ。「ツアーファイナル、行けますか? 新木場コースト!」とwowakaが会場を煽った「ワンミーツハー」、“未だ知らない場所へと向かおう”というラストの歌詞が印象的な「目眩」が続けて上映されると、会場に歓声と泣き声が入り混じる。



映像が終わり、開催中だったツアー<Coyote Howling>のオープニングSEが鳴り響くとゆーまお(D)、シノダ(G)、イガラシ(B)がステージに登場。シノダはwowakaのギターを高々と掲げて一際大きな歓声を浴び、ステージ中央にあるwowakaのギタースタンドにそれを置いてこう語った。

「今日はwowakaのために集まってくれて本当にありがとうございます。ここ新木場STUDIO COASTのステージは、本来ならば僕たちのアルバムツアー<Coyote Howling>のファイナルとして立つ場所でした。きっとね、リーダーも立ちたかったと思うんだ、このステージ。だから今日はwowakaが、リーダーがね、最も信頼してくれた僕たち3人だけで演奏する日だと思いました。短い時間ですがお付き合いください」──シノダ

と言葉に詰まりながら残ったメンバー3人でこの日のライブを届けることを告げ、「ヒトリエです、よろしくどうぞ」といつものヒトリエの挨拶からステージをスタートさせた。




最初に披露されたのは最新シングルであり、アルバム「HOWLS」の1曲目でもある「ポラリス」。シノダが歌うことでバンドメンバーからwowakaに向けて歌っているようにも受け取れる歌詞に、オーディエンスは拳を振り上げながら号泣。「行くぜ、新木場コースト!」とシノダが高らかに叫び、鮮烈な照明とレーザーを浴びながら「センスレス・ワンダー」「シャッタードール」を轟音のバンドアンサンブルとともに届けた。そして、ギターを置いたシノダが「慣れないんだけど、ハンドマイクで歌わせてもらうわ」と、「SLEEPWALK」では客席にマイクを向ける場面も。

「忙しい曲ばかり作りやがって……(笑)」とシノダがフロアを和ませつつも、「こんなに大勢の人の前で歌うことになるとは思わなかった」と自身の緊張を語り、「ライブ後半戦、やらしてもらいます」と告げると客席から「お願いします!」と掛け声が上がる。これには会場が笑いとともに温かいムードに包まれた。




そのムードをライブへの熱量に変えるイガラシの爆音ベースソロから「踊るマネキン、唄う阿呆」、「トーキーダンス」とライブ鉄板曲と呼べるアップナンバーを立て続けに演奏。「wowakaより愛を込めて」と披露された「アンノウン・マザーグース」では、シノダ、イガラシ、ゆーまお、オーディエンスが一体となってサビをシンガロングした。その余韻から間髪入れずにバラード曲「青」を切々と歌い上げると、フロアに再び泣き声と沈痛な空気が訪れた。そして最後の曲に入る前、シノダは今後のヒトリエについてこう語った。

「正直僕ら、“これからどうしていこうか”みたいな事は全然決まってなくて。でも、少なくとも解散はしないと思います」──シノダ

この発言にファンからの大きな拍手を浴び、「最後の曲は、絶対みんな歌える曲だと思うんだ。天国のwowakaに聞こえるぐらいみんなででっかい声で一緒に歌おうよ」と語りかけた。ラストナンバーはwowakaがボーカロイド曲として発表し、ヒトリエのライブでも披露されていた「ローリンガール」だ。“もう一回,もう一回”とヒトリエのライブのアンコールを求める際にもお馴染みとなっている歌詞をメンバーとオーディエンスがそれぞれの感情をまき散らしながら絶唱した。




「ありがとうございました。そして、本当にwowakaありがとう」とシノダが感謝を述べてメンバーがステージを降りると、“もう一回!”のコールが会場に鳴り響く。そんな中、再びステージに映像が投影された。スクリーンに映し出されたのは2018年に行われた<ヒトリエ UNKNOWN-TOUR 2018 “Loveless”>から、ツアーファイナル東京・EX THEATER ROPPONGI公演のアンコール最後の曲として届けられた「リトルクライベイビー」の映像だった。

「あなたが付いて来てくれるなら、俺はどこまででも行ける気がしてます。いつもありがとう。俺を作ってくれてありがとう」とwowakaが語りかけ、演奏を終えた後「また絶対、絶対に会いましょう。気をつけて帰れよ!」と笑顔で語る姿に、オーディエンスは感謝の言葉と惜しみない拍手を送った。ステージに暗幕が下り、ヒトリエのシルエットロゴとともに“HITORIE”、“wowaka”の文字が現れて追悼会は終了したが、観客はフロアに残ったままwowakaへの想いを込めた拍手が響き続けた。



この追悼会の模様はニコニコ生放送でも配信され、当日会場に来ることの出来なかった約40,000人が視聴、愛のあるコメントでお別れを惜しんだ。なお、番組内で一部映像トラブルがあったことから、6月9日に再放送が決定している。

撮影◎西槇太一

■ヒトリエ<wowaka追悼 於 新木場STUDIO COAST 『追悼会』>2019年6月1日(土)セットリスト

▼LIVE映像
・「ワンミーツハー」2017.5.7 at STUDIO COAST
・「目眩」2017.5.7 at STUDIO COAST
▼LIVE
01.ポラリス
02.センスレス・ワンダー
03.シャッタードール
04.SLEEPWALK
05.カラノワレモノ
06.踊るマネキン、唄う阿呆
07.トーキーダンス
08.アンノウン・マザーグース
09.青
10.ローリンガール
▼LIVE映像
・「リトルクライベイビー」2018.3.25 at EX THEATER

■ニコ生『追悼 於 新木場STUDIO COAST』生中継 再放送

2019年6月9日(日)20:00〜
http://live.nicovideo.jp/watch/lv320459887

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