【ライブレポート】BREAKERZ、“暴れ曲限定”SHINPEIバースデー公演で「新曲持ってきました！」

BREAKERZが5月11日、渋谷WWWにてSHINPEI(G)のバースデー公演＜筋肉崩壊祭り SHINPEI’s BIRTHDAY＞を開催した。同公演は、4月6日にDAIGO(Vo)の41回目のバースデーを祝って行われた＜平成最後のDAIGO’s BIRTHDAY＞に続いて開催されたもの。愛すべきキャラを爆発させたSHINPEIバースデー公演は“暴れ曲限定”を掲げて行われたことに加え、BREAKERZとしては令和一発目の灼熱のライブとなった。

◆BREAKERZ 画像

SHINPEIといえば調理師免許、ファイナンシャルプランナー、整理収納アドバイザー、食生活アドバイザー、ダイエット検定1級、アロマテラピー検定などなど、数々の資格を持ち、ロックミュージシャンらしからぬ“資格保持力” “美容男子力” “女子力”の高さがTVでも話題の骨太で痛快なロックギタリストだ。明るく真面目なキャラクターが愛され、バラエティー番組からも出演オファーが集まるなど好感が高い。

そんな彼を語る上で欠かせないのは、日々のトレーニングによって鍛え上げられた“マッスルBODY”だ。そして今回のバースデーライブはSHINPEIのキャラをセットリストに反映させたような熱く激しい疾走感溢れるナンバーばかり。事前告知で「“筋肉と筋肉のぶつかり合い！ 体力に自信のあるヤツ、暴れ倒そうぜ!!”とアナウンスされていたステージは、令和の幕開けにふさわしいお祭り気分満点のライブとなった。


ソールドアウトとなった5月11日の渋谷WWWはいつもより男子比率が高く、場内は始まる前から暴発しそうな熱気が立ち昇っていた。定刻17時、オープニングSEにのって、サポートメンバーのMAKOTO(Dr)、Matsu(B)に続き、BREAKERZのAKIHIDE(G)、DAIGO(Vo)、最後にSHINPEI(G)が登場。AKIHIDEは定位置となるステージ上手に陣取ったが、DAIGOがSHINPEIのギターを肩に掛けてステージ下手へ、そしてマイクを持ったSHINPEIがセンターのポジションに堂々と立った。

「渋谷、全力で頭振れ！」──SHINPEI



この咆哮を合図にライブは「DESTROY CRASHER」で幕開け。チカチカとフリッカーする照明の中、開始10秒で上着を脱ぎ捨て上半身裸になったSHINPEIが、彫刻のような腹筋を披露しながらBREAKERZ屈指のタフネスナンバーをパワー全開で歌い、叫ぶ。DAIGOとAKIHIDEはステージを激しく移動しながらオーディエンスを焚き付けた。オープニングからクライマックスのような盛り上がりのまま、2曲目からは通常のバンド形態に戻ってDAIGOがセンターへ。「お前ら、暴れ倒すぞ〜！跳べ！跳べ！」(DAIGO)と雄叫びを上げて、「DEAR LIAR」「FAKE LOVE」と躊躇なくギアを上げ続ける。

「令和一発目のBREAKERZのライブにようこそ！ そして今日はSHINPEIの誕生日！ みんなで筋肉が崩壊するほど激しく盛り上がって、SHINPEIらしい誕生日のお祝いをしましょう。自分の限界をぶっ壊して、今日一日、最高に暴れ倒そうぜ！」──DAIGO


この日初のMCの後、DAIGOがそれまで掛けていたサングラスを外した。表情はいつに増して挑発的だ。ギターリフが高揚感を煽る「NEXT LEVEL」、緑色の照明に包まれながらフロアが縦揺れした「BIG BANG!」、SIDとのコラボ(※デビュー10周年を記念して2017年に開催された2マンライブシリーズ＜10番勝負＞)にインスパイアを受けて生まれたゴシックチューン「She Is Devil」、明快なギターロック「IN THE SKY」と、怒涛の展開はブレーキが掛からず止まることを知らない。そして7曲目が終わったところでメンバー紹介へ。

“今日の主役”と紹介されたSHINPEIは突然、「令和〜〜〜〜〜！」と絶叫。興奮を隠さない。1曲目の「DESTROY CRASHER」にて自身がヴォーカルを務め、DAIGOがギターをプレイするというパートチェンジはSHINPEI自身のリクエストによって実現したことを明かすと、「カッコ良かったよね！」とDAIGOからお褒めのお言葉。照れ笑いするSHINPEIだったが、しかし、「ホントにかっこ良かった！ 弾いてて、なんか俺、今、カッコいいなって！」とすかさず自画自賛へ話を展開するDAIGOにフロアも大爆笑だ。いつも通りの和気あいあいとしたやりとりが、演奏時とは一転、場内を和やかでゆったりとした空気に変えた。


「今日の暴れ曲限定のセットリストの中では、バラード的なポジションになると思います」と、ひとしきりMCで盛り上がった後の中盤は「EMILY」から。狂おしいほどに情熱的なラブソングをシリアスなサウンドと切なくも激しいDAIGOのヴォーカルが彩る。鋭利なライブ人気曲「Kamisori」では、有機的に絡み合うグルーヴが7月にデビュー12年を迎えるバンドの歴史を物語るダイナミズムがうねりを上げた。

そしてサプライズはこの後に。SHINPEIが「SUGAR BABY」のイントロフレーズを熱く弾き、「いくぜ！東京〜！」とDAIGOが一声を放った瞬間、SHINPEI以外の楽器の音がパタリと止まった。一人弾き続けていたSHINPEIは何が起こったか分からず、パニック状態。そこへ流れ出したのは「HAPPY BIRTHDAY」ソングだった。すぐに状況を察したSHINPEIの表情は満面の笑みへと変わり、メンバーとオーディエンスの温かな歌声によるプレゼントを全身で受け止めた。ケーキを囲んでの記念撮影の後に披露されたナンバーは、ライブ演奏は珍しいキラーチューン「SUGAR BABY」。さらなるグッドバイブレーションを巻き起こした。


短めのMCを挟んでライブはいよいよ終盤へ。疾走感溢れるサウンドに切ないメロディーが融合した「YAIBA」は、AKIHIDEのソロがいつものようにクールでありながら、その音色は通常以上にエモーショナルで刺激的。タオル回しでフロアに火を点けたライブ定番曲「灼熱」、理性のタガが外れたような「NO SEX NO LIFE」ではステージ前方に身を乗り出して歌うDAIGOがオーディエンスに揉みくちゃにされながらも、「もっとかかって来い！跳べ！跳べ！」と挑発の手を緩めない。

迎えたラストはBREAKERZ史上最強の暴れ曲と言っていい「OUTRAGE」。SHINPEIが初めてBREAKERZ作品で作詞を手がけたラウドなパンキッシュチューンで本編の幕を閉じた。


グッズTシャツに着替えてステージに戻ったメンバーは、ファンからの祝福に応えるべく、「何かお返ししたいんじゃないの？」とDAIGOがSHINPEIに話を振った。すると、「俺たちに出来る最大限のお返しは、やっぱり音楽で。書き下ろしの新曲持ってきました！」と告げた。新たな暴れ曲「BROKEN」は、生命の躍動感に満ちた性急なサウンドが印象的。掛け合いやユニゾンありのスリリングなツインギターソロも大きな見どころだ。

「バースデーライブということで、ロマンティックにクールにはやれなかったけれど、俺らしく暴れ曲でみんなとぶつかり合えた時間が、自分への最高の誕生日プレゼントになりました。みんな、今日は一日、どうもありがとう。I LOVE YOU!!」──SHINPEI


そしてラストチューンはヘドバン必至の「Destruction」。余分なものを全て吐き出し、最上級の笑顔を咲かせて、約2時間のライブが終了した。アッパーチューンばかりを取り揃えたBREAKERZ史上初の暴れ曲限定ライブ。他では得難い解放感と快楽を味わえるステージは、またいつか野外の大きな会場で体感したいという欲求がフツフツと湧き上がる内容だった。

次回のBREAKERZ公演は、もう一人のギタリストAKIHIDEのバースデーであり、誕生日当日の7月5日、EX THEATER ROPPONGIでBREAKERZ史上初の“癒し曲限定”ライブとして開催される＜BREAKERZ LIVE 2019 -くつろぎのMilky Way AKIHIDE’s BIRTHDAY-＞だ。その後、7月28日には＜OTODAMA SEA STUDIO＞でデビュー12周年記念イベント、9月にライブツアー＜BREAKERZ LIVE TOUR 2019＞で全国5ヵ所をまわることが発表となっている。

撮影◎達川範一(Being)