【インタビュー】YUKKE&SATOち [MUCC]、「アルバムを3D化して劇場で見せる感じ」

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■SATOちが「照明との兼ね合い」だと
■名言だよあれ、いや、迷言か(笑)

──そのミヤから聞いたんですけど、YUKKEはずっと昔から「カウントダウン」を音源に入れたいって言ってたそうですね。だから、「入ったからYUKKEは泣いてた?」って聞いたら、「泣いてない」って話で。

YUKKE:うん、泣いてはいない(笑)。自分が作った曲じゃないんですけど、個人的に好きだったんです。何曲かあったアウトテイクの中でも、ポップセンスの光るメロディの綺麗な曲が2曲ぐらいあって。選曲会で並べて聴いたときも、この「カウントダウン」のほうが対抗馬の曲よりひとつ上だなと思って、こっちのほうがいいって主張もしたんですよ。でも、昔のデモよりライヴチューンになったというか、今回、そういうアレンジは施されています。

SATOち:BPMも変わっている。前はもっと爽やかだった。



▲ZEPPツアー<壊れたピアノとリビングデッド>2月17日(日)@Zepp Osaka Bayside

──完成形のリズムは、ある種、パンキッシュとも言えますね。メロディックパンクの匂いを感じる方もいるだろうし。

YUKKE:うん。アコギの弾き語りでもメロディが綺麗な曲。そこにこういうバンドアレンジを足したら最強って感じしませんか? すごくライヴ映えする曲になったし、いい位置にいるなと思いながら今のライヴでやってますよ。

──SATOちが作曲にも関わった「百合と翼」は、共作者のミヤや逹瑯といろいろやり取りしながら形に?

SATOち:今回の作品はコンセプトがあるのに、俺は全然違うものを作ってしまって。それにハテナしたリーダーが……(笑)。

──ちょっと待って。自分としてはどんなコンセプトで?

SATOち:えっ、“ホールツアー”ですよ。でも事前に掲げられてたコンセプトは“リビングデッド”で(笑)。

YUKKE:アルバムにはあと3曲が必要だってことで、俺とSATOちと逹瑯がそれぞれ曲を作ろうと。しかもリード曲になるものを。そういうお題で持ち帰ったら、SATOちは“リビングデッド”というコンセプトから激しく逸脱して“ホールツアー”(笑)。

──笑点だったら、山田クンに座布団を全部持っていかれるパターン(笑)。

YUKKE:ほんとにその通りなんですけど、SATOち本人は大マジで(笑)。

SATOち:コンセプトにガッツリ沿った曲を作る人がいるだろうとか、コンセプトをちょっとかすりながら作ってくる人がいるだろうとか、いろいろ予測したんですよ。だったら俺はそこに合わせてもしょうがねぇなと。Zepp20周年、MUCC22周年でやるだろとか……。



▲ZEPPツアー<壊れたピアノとリビングデッド>2月17日(日)@Zepp Osaka Bayside

YUKKE:ものすごく大きいコンセプトになっていったらしくて(笑)。

SATOち:どんどん広がって、自分でもワケ分かんなくなって(笑)。俺、アルバムのラストを締めくくるような曲を作ろうとしていたもん。もともとリード曲を作ろうって話だったから、またそこも違う(笑)。

YUKKE:持ってきた曲をメンバーみんなで聴くじゃないですか? その選曲会のときにリーダーから「SATOちの曲はどういう狙いなの? コンセプトは?」って質問されて……俺、今も忘れられないんだよ。SATOちが「照明との兼ね合い」って(笑)。名言だよあれ、いや、迷言か(笑)。

SATOち:ホールの照明との兼ね合い!

YUKKE:照明との兼ね合いって、それは全曲にあるんだよ、ライヴでやっていくからには。

SATOち:あっ、そうか(笑)。そんなことになりながらも、ミヤがアレンジして。

YUKKE:そこはリーダーの解釈が働いて。“リビングデッド”だから掘り起こすってコンセプトだけど、SATOちは逆に自分の思いとかを埋めたいんだろうな、だったら同類項だ、っていう解釈らしく。逹瑯もそういう歌詞を書いてきていて。

SATOち:結果、良かったです(笑)。

──言い切るね! ファンからの評判もいい曲ですけど。YUKKEの場合も、「サイコ」ではいろいろと?

YUKKE:リード曲を狙うならってことで、自分の中ではど真ん中ストレートの“リビングデッドソング”を作ったんですよ。もともと、そのコンセプトとか言葉とか世界観は好きだから。頭の中にそういうものがどんどん広がって歌詞まで書いたんだけど、ハロウィン的なお祭りに近くなりがちだったんですよ。このリズムだとハロウィンになるから避けようとか考えて作っていたものの、気持ちが盛り上がりすぎるとハロウィン臭が出て、10月31日限定ソングになりかねなくなっていって(笑)。


▲ZEPPツアー<壊れたピアノとリビングデッド>2月17日(日)@Zepp Osaka Bayside

──ホラーというよりも。

YUKKE:そうそう。でも、狙った雰囲気の分かりやすさは、リーダーに伝わったと思うんです。2回ぐらい大きくアレンジしてもらった結果、今の形になったという。俺が作ったのは「サイコ」のデモの、さらにそのデモと言っていいかもしれない。仮の歌詞も、俺の頭の中ではCDジャケットにいるような女の子と、あとテディベア的なものとのサイコホラーを思い描いていて。それを読んだリーダーが「YUKKEはサイコ野郎だ」と思ったらしく(笑)。そこを膨らませてリーダーが歌詞も書いてくれて。その流れはDEMO配信で楽しんでもらえると思います。

SATOち:YUKKEはサイコ野郎だなと思っているもん、俺の中でも(笑)。

YUKKE:詞にも曲にもちょっとずつ根底にいるんですよ、俺が。ただ、サイコ野郎ってのをリーダーはドーンと膨らませていって(笑)。ついにタイトルも「サイコ」で。

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