【ライブレポート】CIVILIAN「歌のその先に行きたいと思っています」自らの殻を破ったBLITZ最終公演

ポスト

CIVILIANによるワンマンツアー<Hello,civilians.〜2019全国編〜>が、3月17日(日)に東京・マイナビBLITZ赤坂にてツアーファイナルを迎えた。

◆CIVILIAN ライブ画像

3月13日(水)に初のコラボレーションEP『邂逅ノ午前零時』をリリースし、注目を集める中で最終公演に臨んだCIVILIAN。バンド史上最長のツアー、かつ史上最大キャパとなったマイナビBLITZ赤坂でのファイナルは、ここまで着実に歩んできた彼らが新たな局面に入ったことを示すものとなった。


ステージを覆う巨大な紗幕に映像が投射され、ライブは最新EPのインストナンバー「邂逅ノ午前零時」でスタート。鮮烈な赤がロックチューンにのってメンバーを包み込む「赫色 -akairo-」、紗幕一面を席巻する猛烈な勢いのワードアートにコヤマヒデカズ(Vo.)の爆ぜるような歌声が突き刺してくる「ぜんぶあんたのせい」と、その表現にオーディエンスも酔いしれていた。

「2019年3月17日。CIVILIANのライブを始めます。いままで生きてきた中で一番いい日にしようぜ!」

紗幕が落ちるなり「赤坂!」と叫んだコヤマにオーディエンスからも喝采があがる。「何度でも」「あなたのこと」といった比較的新しいナンバーから、有田清幸(Dr.)のドラムが牽引する形で「空 –カラ-」をはじめとするLyu:Lyu時代の楽曲に突入し、オーディエンスのボルテージもぐいぐい上昇していった。



畳み掛けるようにパフォーマンスした後には中田裕二(元・椿屋四重奏)プロデュースの「campanula」が改めて披露された。これまでのCIVILIAN(ひいてはLyu:Lyu)の楽曲より、より一層アナログに、ゆったりした余白の中に彼らの魅力をほどいていくようなロックバラードはこれもまた彼らの新たな姿を垣間見せるものとなっている。


さらに、この日の中盤ではまねきケチャがゲストとして登場しての「I feat.まねきケチャ」も披露。デュエットパートでのまねきケチャのエモーショナルな歌唱にコヤマが歌で寄り添う姿は新鮮さを感じさせた。曲後には松下玲緒菜(まねきケチャ)が「バンドの方との共演が初めてだったので緊張がヤバかったです」と語りつつ、実はこの日初対面となった純市(Ba./CIVILIAN)との対面に驚く姿も。純市がこの日のためにレインボーカラーにしてきたヘアスタイルに驚くだけでなく、トレードマークであるヒゲにも「あとで触らせてください!」と交流をはかるまねきケチャの面々に、ステージにも微笑ましい空気が流れた。


ステージの後半戦は、そんな純市が一身にライトを浴びながら色気のある音色で魅せるソロパートでスタート。踊れるナンバー「ハッピーホロウと神様倶楽部」から、彼らの前進ぶりを刻んだアンセム「生者ノ行進」ではシンガロングが沸き起こる。


終盤に入り、もう一組のゲストとして迎えたmajikoとともに、ついに最新EP収録の「僕ラノ承認戦争」が披露される。majikoが可能にしたハイトーンなシャウトがコヤマのシャウトと響き合い、強烈な高揚感の末にステージに倒れこみにいくmajiko。コヤマもmajikoへの感謝の気持ちを示すとともに、「コラボレーションシングルに協力してくれたゲストの方を迎えて、これで完全な形をお見せすることができました。改めて、このツアーをやってよかったと思います」と語った。

バンドキャリアを通じて大切な曲として歌い上げられてきた「メシア」から、本編ラストは「明日もし晴れたら」。こちらも聴く者の心を震わせる、奈落の底から希望を見上げるようなナンバーだが、コヤマはこの日本編最後に自らのストラトキャスターを床に叩きつけた。

今までのライブではギターを大切に扱っていたコヤマ。アンコールのMCでは有田からもそのことに触れられ、様々なレジェンド・ミュージシャンの逸話を紐解きながら「(レジェンド達が)最後にステージで楽器を破壊するっていうのは、それだけ大切なものでやらないとメッセージが伝わらないっていう思いあってのことだから」とコヤマは語る。

「このツアーではこれまでやっちゃいけないと思ってきたことをやってきました。これからは本当にやりたいことをやりたい。歌のその先に行きたいと思っています。ようやくあの日の先に進めそうです」──コヤマヒデカズ

アンコールを飾ったのは、Lyu:Lyu時代の楽曲から「暁」「ディステーテッド・アガペー」の2曲。会場を満たす大団円の拍手でこの日の公演は無事終了した。

CIVILIANは、楽曲に焼き付けてきた原風景を抱えながら足掻き続け、変化を選びとり、少しずつながらも引き退がることなく前進してきたバンドだ。改名後は楽曲を通したファンとのシンガロングやコラボレーションEP『邂逅ノ午前零時』での他アーティストとのコラボなど、その世界は徐々に開かれ、明るく、風通しが良くなりつつある。より自由になりつつある彼らのパフォーマンスには、今後も期待が高まるばかりである。

CIVILIANは今夏7月18日、改名3周年ライブ<CIVILIAN 3rd Anniversary Live “THREE”>を渋谷CLUB QUATTROにて開催する。


セットリスト<“Hello,civilians.” 2019全国編・東京 ー朝焼ノ午前伍時ー>

2019年3月17日(日)マイナビBLITZ赤坂
スペシャルゲスト:まねきケチャ、majiko
01. 邂逅ノ午前零時
02. 赫色 -akairo-
03. ぜんぶあんたのせい
04. 何度でも
05. あなたのこと
06. 空 –カラ-
07. 黒煙
08. campanula
09. ハロ/ハワユ
10. I feat.まねきケチャ
11. カッターナイフと冷たい夜
12. ランララ
13. ハッピーホロウと神様倶楽部
14. 生者ノ行進
15. 僕ラノ承認戦争 feat. majiko
16. メシア
17. 明日もし晴れたら
EC1. 暁
EC2. ディストーテッド・アガペー

▲EP『邂逅ノ午前零時』

CIVILIAN NEW EP『邂逅ノ午前零時』

2019年3月13日(水)発売
1,389円+税 品番:SRCL-9994
収録曲: 
01 邂逅ノ午前零時
02 I feat. まねきケチャ
03 僕ラノ承認戦争 feat. majiko
04 campanula ※中田裕二プロデュース

初回仕様限定盤:
●2018年7月18日に開催されたワンマンライブの模様やMVなどがお楽しみ頂けるスペシャルサイトへのアクセスキー封入
(閲覧期間:2019年12月25日まで)
●応募ハガキ封入

■LIVE情報

<新宿LOFTデ承認戦争>
2019.05.17(金) 東京・新宿 LOFT
出演 : CIVILIAN / majiko (50音順表記)

<CIVILIAN 3rd Anniversary Live “THREE”>
2019.07.18(木) 渋谷CLUB QUATTRO
出演 : CIVILIAN

この記事をポスト

この記事の関連情報