【ライヴレポート】J、「ゲストのバンドがすごすぎて、私もちょっと飛ばしすぎです」

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まさに“平成最後の暴年会”にふさわしい暴れっぷり。Jが2018年12月30日、渋谷TSUTAYA O-EASTにて毎年恒例の年末ライヴイベント<放火魔大暴年会>を開催した。先ごろ公開したオフィシャルレポートに続いて、新たな写真を加えたオリジナルレポートをお届けしたい。

◆<放火魔大暴年会>出演者画像

熱い宴の口火を切ったのは、塔山忠臣(Vo:ex.0.8秒と衝撃。)、藤木寛茂(G:ex.HaKU)、美登一(B:THE RODS / ex.another sunnyday)、ナカヤマシンペイ(Dr:ストレイテナー)からなるZantö。バンド名には“斬る刀”という意味合いが込められているが、幕開けの「LIFE OF ZANTO」からバンド名どおりの切れ味鋭いエッジのカタマリのようなボーカルとサウンドで圧倒した。


▲Zantö

次に登場したのは、AKi(シドのベーシスト明希)のソロプロジェクトだ。ステージセンターでベースをかまえてフロアを煽り、メタル、ファンク、ロックンロールなどの要素が盛り込んだ骨太で男っぽいサウンドを鳴らした。Jへのリスペクトを感じさせつつ、自身のロックを追求する姿勢が気持ちいい。

「まさか、こんなにカッコいいバンドと共演するイベントに呼んでくれると思わなかった」と感動を伝えつつ、「今日は暴れる曲しか持ってきてません! 暴年会しよう!」とJを象徴するフレーズ「Wake up Mother Fucker!」を叫び、後半戦へ。拳が上がる中、ラストをソロキャリア初シングル「STORY」で締めくくった。


▲AKi

そして1曲目からハードコアナンバー「あんた飛ばし過ぎ」をお見舞いしたのはPIZZA OF DEATH RECORDSに所属するベテランバンド、GARLICBOYSだ。野太い歓声が上がり、前のほうで激しいモッシュ。その男くささと熱さが曲を追うごとに場内に伝染していき、「YOKOZUNA」ではPETA(Vo)がマイクを頭に巻きつけ、ちょんまげにするというお茶目なパフォーマンスも。

LARRY(G&Vo)が「大阪からやってまいりました。ボーイズじゃねーじゃん」と自らのバンド名にツッコミを入れるなど大阪出身ならではのユーモアとハッスル全開のステージで場内を巻き込んでいった。


▲GARLICBOYS

濃い顔ぶれが盛り上げ、いよいよ暴年会の首謀者の登場だ。コールの中、いきなりペットボトルを投げ入れ、出だしから暴れる気満々。

「おい! 渋谷! 大暴年会、飛ばしていくぞ!」──J

ベースを高く掲げたJはまず「Now And Forever」を投下。気持ちいい爆音に意識が吹っ飛んでいくようだ。そして、セットリストには久しぶりに披露されるナンバーが盛りこまれていた。痛快なビートの「rodeo life」(アルバム『GLARING SUN』収録)でフロアはモッシュで大騒ぎ。続いての曲が「PYROMANIA」とくれば、もう、その景色に想像がつくというもの。Jのライブにはネガティヴをポジティヴに反転させる強力なエネルギーが渦巻いている。

▲J

「会いたかったぜ! 渋谷! 毎年恒例になりました。今年もとんでもないメンツで。すげえな、これ祭りだね。平成最後の大暴年会。みんなも我を忘れて、とことん騒いで帰ってくれよ!」──J

「じゃあ、久々の曲を」と前置きして覚醒のナンバー「TWISTER」が強靭なビートとヴォーカルで鳴らされ、大興奮の中、ライヴを転がしていく「RECKLESS」を投下した。ハンドクラップで声を上げるフロア、一体となる快感が加速していく。その熱を帯びたままのミディアムチューン「I know」ではみんなの歌う声が力強く響きわたった。

▲J

1年を振り返り、Jが「どんな年だった?」と客席に問いかけると「楽しかった」という声に混ざって「辛かった」「大変だった」という声も。

「辛いことはたくさんあるよ。いろんな想いがあると思うんだけど、今日はそれを全部ここに置いていってもらえたら。この会場中の全部のムカつくパワーを俺にください! オマエらの中指、貸してくんねーか!?」──J

男気たっぷりの煽りから投下されたのはフラストレーションを昇華させる「I HATE YOU」だった。J初期の尖りまくりのナンバーがmasasucks (the HIATUS / FULLSCRATCH / RADIOTS)と溝口和紀(ex.ヌンチャク)、有松益男(BACK DROP BOMB)の強力メンバーによる今のグルーヴで演奏され、1年の憂さを晴らした。その後は「Go Charge」で新たなエネルギーをチャージするという粋な図らい。みんなの暴れっぷり、叫びっぷりも最高。O-EASTがカオスと化した。

▲masasucks

▲溝口和紀

▲有松益男

「ゲストのバンドがすごすぎて、私もちょっと飛ばし過ぎです」と客席を沸かせ、Zantö、AKi、GALICBOYSを讃えた後に「今日は様々なゲストを呼びまくってます」と予告。場内をかなりの勢いで盛り上げたところで「ごめんなさい。ちょっと盛り上げる箇所、間違えました。たぶん本人、ものすごく出づらいと思います」と暴走気味のJ。「僕たちがここにいられるのは彼のおかげです」と紹介したのはJのソロキャリアを強力にサポートしてきたギタリスト、CBGBこと藤田高志(DOOM)だ。

大歓声が飛ぶ中、「どんだけ持ち上げんの? 出にくいじゃないか?」と笑わせたCBGBは、いつものトボけた味わいでJを翻弄する“書けないギャグ”を繰り出して場内爆笑。しかし、ギターを鳴らすと一気に人格をシフトするのがCBGBだ。トリプルギターで演奏された「BUT YOU SAID I’M USELESS」はCBGBの男前のギターソロがフィーチャーされてロングヴァージョンに。ラストはJがマリアベースに持ち替えての「Feel Your Blaze」へ。クラウドサーフ続出、大合唱となり、暴年会にふさわしい熱気の中、本編が終了した。

▲J

アンコールではmasasucksが「CBすごいね。高いところ弾いているはずなのに重低音がくる」とその凄みに触れ、GARLICBOYSとゴッチン(溝口)の共演がいかに貴重なことかも明かされた。ゴッチンによると高校2年生のときにヌンチャクがGARLICBOYSと対バンさせてもらったことがきっかけでレーベルからCDをリリースすることになったとか。「彼らがいなかったら、俺、ここにいないっす」と言うゴッチンに、「どこにいるの?」とJが振ると「柏のカレー屋でたぶん働いています(笑)」と答えるなど、本当に恩人なことが発覚。

そんなゴッチンのためにJがリストバンドをプレゼントすると「初めてゴッチンがギターを買ってコピーした曲」だという溝口少年思い出のナンバーにしてメタリカの代表曲「Enter Sandman」が演奏されるという超レアな展開となった。

▲SESSION

この後は大セッションタイム。Zantöの塔山、AKi、GARLICBOYSのPETAとLARRYが呼びこまれる。その上、暴年会に駆けつけたゲスト、RADIOTSのYOSHIYA、Nothing’s Carved In Stoneの村松拓(渋谷クアトロのライブを終えての参戦)、the telephonesとフレンズの長島涼平が登場。JがCBGBを紹介し忘れるというオチもありつつ、揃った全員が入り乱れてのカバーはセックス・ピストルズの「Bodies」とラモーンズの「Rock’N Roll Radio」というJ少年のルーツでもあるパンクチューン。こうして大騒ぎの内に平成最後の大暴年会の幕は閉じたのだった。

Jは2019年3月30日、EX THEATER ROPPONGI公演を皮切りに4大都市を巡るソロツアーを開催。楽器メーカーESPのオリジナルベースを持ってプレイするJの姿が見納めとなることも含めて盛り上がり必至だ。

取材・文◎山本弘子

■<J 放火魔大暴年会>2018.12.30@Shibuya TSUTAYA O-EASTセットリスト

【Zantö】
1. LIFE OF ZANTO
2. ROCK KILL ME
3. ROLL CALL
4. Daily Stairs
5. HEYHEY-NOWNOW
6. 血の花
【Aki】
1. Day 1
2. FREAK SHOW
3. pulse
4. libido
5. FAIRY DUST
6. STORY
【GARLICBOYS】
1. あんた飛ばし過ぎ
2. 泣き虫デスマッチ
3. 失恋モッシュ
4. YOKOZUNA
5. ハッスルするっす
6. GHQ
7. 荒野のさびしん棒
8. 兄貴御立腹
【J】
1. Now And Forever
2. rodeo life
3. PYROMANIA
4. TWISTER
5. RECKLESS
6. I know
7. I HATE YOU
8. Go Charge
9. BUT YOU SAID I'M USELESS (w/ 藤田高志)
10. Feel Your Blaze (w/ 藤田高志)
cncore
11. Enter Sandman (METALLICAカバー)
【SESSION】
1. Bodies (Sex Pistolsカバー)
2. Rock 'N Roll Radio (RAMONESカバー)
▼SESSION MEMBER
Zantö、Aki、GARLICBOYS、藤田高志(DOOM)、YOSHIYA(RADIOTS)、村松 拓(Nothing’s Carved In Stone)、長島涼平(the telephones / フレンズ)


■J× ESP ラストツアー

▼<J LIVE TOUR 2019 -Voyage 2019->
3月30日(土) 東京 EX THEATER ROPPONGI
open17:00 / start18:00
(問)SOGO TOKYO 03-3405-9999
4月07日(日) 名古屋 CLUB QUATTRO
open16:15 / start17:00
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
4月14日(日) 仙台 darwin
open16:30 / start17:00
(問)キョードー東北 022-217-7788
4月21日(日) 大阪 BIGCAT
open16:15 / start17:00
(問)YUMEBANCHI 06-6341-3525
【チケット】
¥5,300(税込/ドリンク代別)
一般発売:2019年2月2日(土)〜

▼<F.C.Pyro.NIGHT vol.16>
2019年5月3日(金・祝) 大阪 umeda TRAD
open16:00 / start16:30
2019年5月5日(日・祝) 新宿BLAZE
open16:00 / start17:00
【チケット】
¥5,000(税込/ドリンク代別)
※ファンクラブ会員限定公演の為、一般発売はございません

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