【ライブレポート】Hi-STANDARD、横浜アリーナ公演で「光がないなら自分で輝け!」

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Hi-STANDARDが2018年12月に<THE GIFT EXTRA TOUR 2018>を行なった。これは前回のツアー<THE GIFT TOUR 2017>で行くことのできなかった土地を中心にした全7公演からなるツアー。各地で親交あるゲストバンドも招き、濃厚なライブを繰り広げた。

◆Hi-STANDARD 画像48点

12月22日、横浜アリーナのライブには、Hi-STANDARDと同世代でもあるCOKEHEAD HIPSTERS、そしてハイスタの3人から見れば若手バンドにあたるCrystal Lakeが、ゲストバンドとして招かれた。



最初に登場したCOKEHEAD HIPSTERSは、1990年代のミクスチャーを今に継承するスタイルだが、音楽的な貪欲ぶりは増すばかりで、刺激とグルーヴを撒き散らし続けた。

対して、次にステージを任されたCrystal Lakeは、2000年代以降のモダンなヘヴィネスさを特徴とするバンドで、獰猛とも呼べる攻めっぷりでオーディエンスを沸かせた。「Hi-STANDARDに出会ったときの衝撃を伝えようと、ここに立っています」と、ボーカルのRyoはハイスタチルドレンの一人として純粋な思いを語り、熱い歓声も巻き起こした。



19時50分、ステージ転換を終えた会場が再び暗転。SEと共にステージ後方からバックドロップがゆっくりと上昇。染め抜かれたバンドロゴが見え始めると、バンドを迎える歓声と共に高まるばかりの興奮が会場に広がった。軽く手を上げながらステージに出てきたのは難波章浩、笑顔でドラムに向かったのは恒岡章、相棒のギターをぶらさげて登場したのは横山健。ステージに揃った3人を、さらに大きな歓声が包んだ。

「Hi-STANDARD、<THE GIFT EXTRA TOUR 2018>横浜へようこそ!」




難波の挨拶の直後、呼吸を確かめ合うようにバンドサウンドを鳴らし始めた3人。アイコンタクトしつつ、それぞれが見せるのは幸せそうな表情。「My Heart Feels So Free」のイントロと共にポジティブなエネルギーが広がっていく。曲が転調すると同時に、興奮を炸裂させながらオーディエンスは自分自身を解放させていった。曲ごとに会場から起こるでかいハーモニーが、バンドサウンドを熱く彩る。そのハーモニーを全身で浴びながら魂を込めて音を、メロディを、言葉を飛ばし続けるステージの3人。

「ちょいレア曲やるから」と言って「This Is Love」に突入すれば、若さ溢れる現キッズはクラウドサーフなどしながら喜びを表わし、子供を連れのファミリーや年季の入ったキッズは、それぞれの思い出も重ね合わせながら歌いまくる。Hi-STANDARDとオーディエンスが繰り広げる相乗効果。それは熱くも温かい。




また2001年の再始動以降、一度もライブでプレイしていなかった「Spread Your Sail」や、本番の30分前にやることを決めた「Lonely」など、本当に久しぶりの曲も含めて各時代を網羅した選曲も嬉しい。それらを体感していると、改めて思うのはHi-STANDARDの音楽的な懐の深さだ。パンクを軸にしながら、決して勢いだけでは作り出せないメロディの豊かさが各ナンバーの魅力へと昇華されている。また一度は活動を止めたHi-STANDARDだったが、それぞれキャリアと人生経験を重ね、自然にそれがフィードバックされることで、表現力も説得力も増している。だから、どの時代の曲であっても全てがキラーチューンとなって会場を揺るがす。

「やっぱハイスタ観に来るヤツ、アホでいいな〜」とオーディエンスの興奮ぶりを見て笑うのは難波。すかさず横山は「その代表はステージにいる3人で」とたたみ掛ける。すると「最高にアホになりたいからバンドやってるんだからね」と難波。満足そうに笑うのは恒岡だった。




ライブ後半、「闇にいるなら光を探せ。光がないなら自分で輝け!」と難波の言葉と共に始まったのは「Stay Gold」。オーディエンスそれぞれにとって、テーマソングのような存在にもなっているであろうナンバーだ。人生の様々な局面で気持ちの中でこの曲が響き出す瞬間だって多かっただろう。そして今、この瞬間もケツを蹴り上げてくれる。活き活きとした表情が会場に広がっていった。

こうして最高潮の雰囲気で展開するライブ。でっかい愛情で包みながら、「Happy Xmas (War Is Over)」で本編を締めくくる。大合唱も巻き起こしながら「Free」で始まったアンコールでは、3曲目に「Mosh Under The Rainbow」が用意されていた。




「でっけえ輪っか作って、つながって帰ろうぜ。知らない者同士でも、つながってきゃいいんじゃねえの。音楽があるから、パンクロックがあるから」

Hi-STANDARDと曲を共に歌いながら、肩を組んで作った輪っかがアリーナに生まれていく。そしてスタンド席では隣と手を取り合って歌うオーディエンスが広がり、肩車で楽しむ親子の姿もあちこちに。ハイスタの曲名を借りると、年齢や世代なども超えた“All Generations”なバンドとして、Hi-STANDARDは生き続けている。それを確信するライブでもあった。

取材・文◎長谷川幸信
撮影(Hi-STANDARD)◎Yuji Honda/Teppei Kishida/Yasumasa Handa(Showcase)
撮影(COKEHEAD HIPSTERS)◎Yuji Honda
撮影(Crystal Lake)◎TAKASHI KONUMA


■<Hi-STANDARD「THE GIFT EXTRA TOUR 2018」>12月22日(土)@横浜アリーナSETLIST

【COKEHEAD HIPSTERS】
01. NO WAY
02. NO MATTER WHAT YOU SAY “I’M GOING NOW”
03. POLICE GOING DOWN
04. BATMAN
05. Rusty Rake
06. CONCRETE JUNGLE
07. NEVER BE THE SAME
08. TOO DRUNK TO FUCK
【Crystal Lake】
01. Prometheus
02. Matrix
03. Mercury
04. Six Feet Under
05. The Circle
06. Apollo
07. Alpha
08. Omega
【Hi-STANDARD】
01. MY HEART FEELS SO FREE
02. All Generations
03. CLOSE TO ME
04. We're All Grown Up
05. THIS IS LOVE
06. TINKERBELL HATES GOATEES
07. NEW LIFE
08. SPREAD YOUR SAIL
09. SUMMER OF LOVE
10. Time To Crow
11. The Pink Panther Theme
12. THE KIDS ARE ALRIGHT
13. LONELY
14. TEENAGERS ARE ALL ASSHOLES
15. CAN'T HELP FALLING IN LOVE
16. STAY GOLD
17. Pacific Sun
18. ANOTHER STARTING LINE
19. STARRY NIGHT
20. The Gift
21. BRAND NEW SUNSET
22. HAPPY CHRISTMAS(War is over)
encore
23. Free
24. DEAR MY FRIENDS
25. MOSH UNDER THE RAINBOW
26. MAKING THE ROAD BLUES
W.encore
27. TURNING BACK

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