アンテナ、復帰ワンマンで「“ライフソング”を歌っていきたい」

2018年4月からボーカル渡辺諒の療養にともない活動を休止していたアンテナが、活動休止から約9か月ぶりとなる復帰ワンマンライブ＜Nu plats＞を1月19日に東京・渋谷TSUTAYA　O-nestにて行った。

◆アンテナ ライブ画像

スウェ―デン語で“新しい場所”という意味である「Nu plats」（ヌープラッツ）と名付けられたこの復活ライブ開催が発表された直後、チケットは早々にプレミアとなり瞬時に完売。当日も、復活を待ち望み会場に詰めかけたファン250人でフロアは隙間も無い状況となった。期待感に包まれる中、メンバーが登場すると大きな拍手と歓声が湧き起こり、涙するファンの姿も見られた。1曲目「年中無休」のイントロが始まると、会場には笑顔が溢れ、ファンとメンバーのこれまでの空白が一気に埋まっていった。

「無口なブランコ」「アルコール3％」「嫌になっちゃった」と4曲を披露した後、ボーカル渡辺の「お久しぶりです！」に、会場中のファンから「おかえり！」の声が溢れ、「自分たちにとって今日からここが新しい場所となるように、そして、みんなとまた一緒に歩んでいく一歩になるように」と、ライブタイトルに込めた思いを語り、「みんなと楽しい時間を作りたくて、こころがウズウズしていました。1月19日は宇宙で一番ここが楽しい夜にしましょう！」と、コメントした。

MC直後には、1月23日に発売されるニューアルバム『深い　深い　青』に収録される新曲「ずっとベイビー」を初披露した。同曲は、活動休止中の昨年6月に、活動休止以前にレコーディングされていた楽曲としてリリースし、デジタル音楽配信サービスSpotifyの「バイラルトップ50（日本）」にて初登場第1位（2日連続第1位）を獲得するなど、活動休止中にもかかわらず反響があった楽曲で、活動休止後の彼らの新機軸を予感させるパフォーマンスを見せた。

そして、活動再開後にリリースされた新曲「深い　深い　青」をはじめ、メジャーデビューアルバム『モーンガータ』からタイトル曲「モーンガータ」、さらにはライブでお馴染みの代表曲のひとつ「天国なんて全部嘘さ」等、全12曲を披露し、ボーカルの渡辺は「みんなの人生を、日々を明日を楽しめる“ライフソング”というものを歌っていきたい。いろんな経験をしてきた自分だからこそ、自分にしか言えないことを歌っていきたい。2019年覚悟してください（笑）」と話した。

この「ライフソング」という言葉。紆余曲折あったバンドの人生、そしてファンやリスナーとの人生── 歩みを止めなければ、呼吸を続ければいつかまためぐり合い、笑いあえるということを感じさせた夜でもあった。また3月からは、全国5カ所を廻るリリースツアー＜NYTT LANDSKAP＞（スウェーデン語で“新しい景色”という意味）が開催されることもこの日発表された。

撮影◎鈴木友莉