【ライブレポート】サンプラザ中野くん、盟友・パッパラー河合と爆風スランプの名曲連発

爆風スランプの「Runner」リリース30周年となる2018年。色褪せることのない名曲を届け続けるべく精力的に活動中のサンプラザ中野くんが、10月23日に東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて東名阪ツアー＜サンプラザ中野くん Style #3＞の最終公演を迎えた。

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この公演には、デビュー当初からサンプラザ中野くんの隣に立ち続けてきた盟友・パッパラー河合も出演。代表曲「Runner」リリース30周年に爆風スランプのボーカル＆ギターが揃って登場するということもあり、チケットはソールドアウト。満員御礼となった会場には、新たな歴史の証人となるファンたちがそわそわした様子で開演の瞬間を心待ちにしていた。


そんな客席へ切ないコードを弾きながら現れた水玉衣装のパッパラー河合は、ペロリペロリと「耳たぶ」を歌いながら笑いを誘い、そこへバンドメンバーが次々現れるとハードロック然としたセッションが始まり、そのステージ中央にスキンヘッドとサングラス、いつの時代もこの出で立ちでロックンロールしてきたサンプラザ中野くんがポジショニングすれば、会場中に「えらいこっちゃ！ えらいこっちゃ！」とシャウトのシンガロング。その後も自称史上最悪のヘヴィメタルナンバー「たいやきやいた」など爆風スランプのキラーチューンを惜しみなく連発、20世紀に吹き荒れたロックとユーモアの爆風を甦らせていく。


「ワンマンコンサートでツアーやるのは20年ぶりなんですよ！」（※ソロ名義初となる東名阪ツアー）と叫んでいたサンプラザ中野くんだったが、常にどんな場でも求められれば歌い続けてきた彼のボーカルはひとつのキャリアハイを迎えていたし、盟友・パッパラー河合はもちろん、爆風スランプに憧れてきた次世代によるバンド・爆走スランプ（サンプラザ中野くん命名）と共にステージに立てる感激も相まってか、本編後半の大ヒットナンバー（アニメ『ツヨシしっかりしなさい』主題歌「さよなら文明（2018Ver.）」、映画『ガメラ 大怪獣空中決戦』主題歌「神話（2018Ver.）」、説明不要の代表曲「涙2（LOVEヴァージョン）」等々）を畳み掛けていくその姿はまさに全身全霊。まさか2018年にこのセットリストを当時に劣らぬ熱量で体感できるとは。そんな驚きと共に興奮しているファンも大勢いたであろう同公演だが、やはり最大の盛況を見せたのはこの1曲。「平成を駆け抜けた歌姫が安室奈美恵ちゃんなら、平成を駆け抜けた応援歌は「Runner」でございます」と、自称日本で最も有名なロックナンバー「Runner（平成30年Ver.）」を披露した。


「走る走る俺たち 流れる汗もそのままに」あれから30年もの長い歳月、日本中で歌われ続けてきたフレーズの大合唱でスパークしたオーディエンスは、かつて『進め!電波少年』の「猿岩石ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」応援歌として「Runner」に劣らぬ人気を博した「旅人よ～The Longest Journey」での大団円に至るまで騒ぎっぱなし。そんな完全燃焼必至の内容であったにも関わらず、まだまだ聴きたい名曲があると言わんばかりにアンコールを求め、それに応えたサンプラザ中野くんはなんと「THE BLUE BUS BLUES」と「大きな玉ねぎの下で」を披露。機材車で全国をまわっていた爆風スランプのツアーアンセム、機材車から眺めた日本武道館の屋根から生まれた大名曲、いわば彼らの青春そのものとも言える二大ナンバーで歓喜と涙を誘う。そして「9割9分、爆風スランプの曲でお届けしてきました。最後に1曲だけ新曲を」と、胸いっぱいの愛を爆発させながら「愛してるよ！」と何度も何度も叫んでみせた。

そんなサンプラザ中野くんの新曲「愛してるよ」や「Runner（平成30年Ver.）」も収録されている最新ミニアルバム『Runner』は絶賛発売中。最後のMCによると【サンプラザ中野くん Style #4】も開催予定とのことなので、今後もサンプラザ中野くんの動向に注目してほしい。

文◎平賀哲雄
撮影◎カワベミサキ