【インタビュー】オーヴァーキルのD.D.ヴァーニ、「メタルとロックのブレンディングが好き」

オーヴァーキルのオリジナル・ベーシストのD.D.ヴァーニのソロ・アルバム『バリケード』がリリースされた。彼にとって初となるソロ・アルバムだ。ドラムにはかつてのオーヴァーキルのメンバー：ロン・リップニッキが全面参加しており、マイケル・ロメオをはじめとした多くのゲスト・ギタリストが参加した、ロックアルバムとなっている。

◆オーヴァーキル画像

オーヴァーキルでは18枚ものアルバムをリリースし、サイド・プロジェクトであるTHE BRONX CASKET CO.では4枚のアルバムをリリースしてきたD.D.ヴァーニだが、「蓄積してきたマテリアルを新しい曲として誕生させることが楽しくて仕方がなかった」という。

メタル／パンク／クラシック・ロックが好きだというD.D.ヴァーニのソロ作品は、いかなるものか。話を聞いた。




──初となるソロ・アルバムですね。

D.D.ヴァーニ：リリースが楽しみだよ。今思えば、制作を決意してからは苦労が多かったし時間もかかったからね。でもこれまでに蓄積したマテリアルを新しい曲として誕生させることが楽しみで仕方がなかったんだ。楽曲はメタル、パンク、ロック系で私が影響を受けたものだ。オーヴァーキルでは自身の影響をすべて取り去ってからスラッシュ120%のサウンドを作り上げるけど、今回の曲はスラッシュ・メインではなく他のジャンルのコンビネーションになっているよ。

──オーヴァーキルのメンバーはあなたのアルバムについて何か言っていますか？

D.D.ヴァーニ：誰も気にかけていないよ（笑）。グッド・ラックくらいは言ってくれると思うけどね。シンガーのボビーはアルバム・カヴァーがカッコイイと言ってくれた。彼らはまだアルバムを聴いていないけど、聴いたらいろいろと言ってきて邪魔をすることになるだろうね（笑）。

──このソロ・アルバムのセールス・ポイントは？


D.D.ヴァーニ：自身としてはメタルとロックのブレンディングが好きなんだ。スラッシュっぽいヴァースからとてもキャッチーで、メロディとコーラスが際立った展開を見せる曲も何曲かある。曲にはいいメロディとシング・アロングできるパートがあるべきだと思っている。そんな曲が大好きだからね。

──あなたが影響を受けたアーティストというのは？

D.D.ヴァーニ：初期のブラック・サバス、アイアン・メイデン、モーターヘッド、ラモーンズかな。もちろん他にもいいバンドはたくさんあるよ。ここに挙げたバンドは「私に音楽をプレイしたい」と思わせてくれたバンドだし、曲作りを学ばせてくれたバンドでもある。でも新しい音楽も買って聴いているよ。そこからインスパイアさせてくれるものが今も存在するからね。ヴォルビートやゴッドスマックは最高だし、過去だけではなくて今を生きて学ぶことの方が大切だと思うよ。ゴーストの新作も素晴しかった。いつも新しい音楽を探しては頭の中に新しい影響をインプットしていくんだ。


──アルバム・タイトルの『バリケード』にはどういう意味がありますか？

D.D.ヴァーニ：いくつかの候補はあったけど、これに決めたんだ。ワイフは私がスタジオで作業をしていても何も言わないけど、一度「スタジオでバリケードを築いて閉じこもっているのね？」と言ったことがあった。その言葉が気に入ったんだ。それに、ソーシャル・メディアとニュースからの絶え間ない嫌がらせを感じることの意味合いも持っている。私と家族の廻りに溢れているゴミから身を守るバリケードが必要なんだよ。世の中にはネガティヴなものと憎悪が多すぎる…人生は短いのさ。

──アルバムには多くのゲスト・ギタリストが参加していますね。

D.D.ヴァーニ：私が電話したんだ。ジェフ・ルーミスは彼がネヴァーモア時代に一緒にツアーをしてから知り合いだった。ジェフ・ウォーターズも一緒だ。ブルースとは会ったことがなかったけど、TROUBLEと彼のギターが大好きだったから「ぜひ参加して欲しい」と声を描けた。みんなゴージャスだったし、みんなが協力的だった。そしてすごいソロを弾いてくれたよ。全員が偉大なプレイヤーだ。感謝している。

──特に聴いて欲しいオススメの曲はありますか？

D.D.ヴァーニ：「Miracle Drug」が大好きだ。私の好きなメタル、パンク、ロックと違うジャンルの要素がうまくミックスされているし、コーラスもいい。この曲はこのアルバム用に最初にできた曲でね、長いツアーを終えて家に帰って家族に会えたときの楽しさを歌詞に書いているよ。

──日本でのライブも期待しています。

D.D.ヴァーニ：日本は大好きな場所のひとつだ。日本のファンはいつもクレイジーで、日本でプレイするのは最高だよ。最後に訪れたときにはワイフも同行して素晴しい時間を過ごすことができた。オーヴァーキルも日本のライヴではグレイトな時間とグレイトなショーを楽しむことができたからね。次はこのアルバムを引っ提げてのライヴを実現させたいよ。