【レポート】、ゲリラ豪雨の中、伝説的な大団円を迎えた<ULTRA JAPAN 2018>。そこにはクラブミュージックの未来が見えた!?
2018年9月15日(土)〜17日(月)、都市型ダンスミュージック・フェスティバル<ULTRA JAPAN 2018>が行われた。
今年5周年を迎えた<ULTRA JAPAN 2018>。単なるクラブミュージック好きだけでなく、お洒落をしてフェスを楽しむファッション層やパーティ好きたちも大集結する本イベントはこの5年で、普段はナイトクラブなんかにいかないけど<ULTRA JAPAN 2018>は行くという“パーティカルチャー”を作ったと言っていいだろう。
この日のために着飾って、わざわざ足を運ぶという意味では、昔懐かしの“いい時”のクラブカルチャーを踏襲しているように思える。そこにはパーティ好きが集まり、踊り、笑い、酒を交わす。そこには今成し遂げられていない、クラブミュージックの、ひいてはクラブカルチャーの今後を引率する何かがあるようにも思う。
さて、今年の<ULTRA JAPAN 2018>。MAIN STAGEのほか、RESISTANCE、ULTRA PARK STAGEに加え、Onitsuka Tiger Street in ULTRA JAPANというアート空間も登場と、各ステージの、来場者をうならせるデコレーションや仕掛けはさすがというしかない。
編集部は3日目に参上、キャッシュ・キャッシュ、チャミ&マーラ、アフロジャックなどが花を添えたMAIN STAGEを裏目に、RESISTANCEに注目した。
韓国出身で現在オランダを拠点とするJoon KwakのプレイでスタートしたRESISTANCEは、その後REN YOKOI、DJ SODEYAMAから引き継いだKEN ISHIIで一旦この日のクライマックスを迎えたと言っていいだろう。折しもこの瞬間は快晴。今年の<ULTRA JAPAN>は最高の日和で終わると、誰しも思ったはずだ。
この日のRESISTANCE第二幕はEATS EVERYTHINGから。<Coachella>や<Tomorrowland>といったビッグフェスへの出演実績はもちろん、新世代のハウス/テクノDJとして安定のスピンに続いて、御大カール・クレイグが登場した頃には何やら雲行きが怪しく……。とはいえここは年に一度の<ULTRA JAPAN>。真のクラブミュージック好きがRESISTANCEbのフロアを盛り上げた。
昨年のカール・コックスのようなアンダーグラウンドよりな音を求めるべく、今年ラインナップされたのはニーナ・クラヴィッツ。世界の<ULTRA>初出演ということで、そのプレイは大いに注目されたことだろう。ゲリラ豪雨の中でも、やっぱりニーナはニーナらしかった。ストイックなゴリゴリなテクノで会場を引っ張っていくそのさまは、まさに女帝。この日も相変わらず“男前”な選曲でRESISTANCEを支えた。
RESISTANCEステージは、ULTRA JAPANでは2015年から取り入れられた、アンダーグラウンドなエレクトロニック・ミュージックを推進するステージだ。本家マイアミでは昔からMAIN STAGEに引けをとらない人気のあるステージだが、日本でもいわゆるEDMの文脈で語られてきた<ULTRA>が、“より幅の広いダンスミュージックを伝えるためのアクション”として立ち上げたと思われる。
ダンスミュージックの未来やナイトクラブの現状、そして2020年に向けたナイトタイムエコノミーによる夜の経済の活性化など、クラブミュージックを取り巻くトピックは多い。RESISTANCEの音楽性やフロアの雰囲気……ここに日本のクラブミュージックの未来を垣間見えた関係者も多いのではないだろうか。フェスとして超絶楽しい<ULTRA JAPAN>が、日本のナイトシーンを形成していくだろう、という希望を込めて、次なる<ULTRA JAPAN>も“楽しみに”期待したい。
BARKS編集部
<ULTRA JAPAN 2018>
開演11:00/終演21:00(予定)
TOKYO ODAIBA ULTRA PARK(お台場ULTRA JAPAN特設会場/江東区青海)
主催・企画・制作: ULTRA JAPAN 2018実行委員会
公式サイト: UltraJapan.com
◆<ULTRA JAPAN>オフィシャルサイト
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