【ライブレポート】コドモドラゴン、「したかったライブが目の前にあった」

コドモドラゴンが9月12日、東京・EX THEATER ROPPONGIで全国ワンマンツアー＜だから僕は二度刺す。＞ファイナル公演を行った。

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場内へ広がったカラフルなリングライトの波。メンバーの登場に合わせ沸き起こる、怒号にも似た声援。その声を受け、ハヤト（Vo）がこう叫んだ。「おっぱじめようか、東京！」。コドモドラゴンが冒頭に突き付けたのは、最新シングルの「棘」だった。初っ端からノイズにも似た轟音を撒き散らす。

客席へスタンドごとマイクを突き付け煽るmeN-meN（B）。場内から押し寄せる気迫を轟音で打ち返すように、コドモドラゴンは「WOLFMAN」を演奏。終始、拳を突き上げ身体を激しく折り畳む観客たち。フロアーにはすでに熱が堆積し始めている。ゆめ（G）のフリーキーなギターのフレーズが頭の螺子を一気に緩ませ、「Can't stop MAD teens.」へ。サビではディスティックな表情に変貌。コドモドラゴンは観客たちの身体を揺さぶり続ける。

「夏の最後の締めくくり、バシッといこうぜ!!」「薄味の思い出じゃ記憶に残んねぇぞ!!」。ハヤトの言葉と心臓が飛び出そうな音玉の破裂音を合図に、楽曲は「アリア」へ。低音の効いたビートを響かせ身体を揺さぶれば、サビでは気持ちを高揚させる。心の奥底から炎が燃え盛るように、コドモドラゴンは感情を熱く搔きむしる「自絞首」をブースト。サヒではメンバーと観客たちが共に叫べば、激しく身体を折り畳む光景が広がる。

今にも客席へ跳び込まんばかりの姿勢で観客たちを煽るハヤト。メンバーたちも、身体を大きく揺らし演奏を突き付ける。猛々しいチャム（Dr）のビートを合図に、野生の魂を呼び起こすように流れた「堕落」。荒々しい演奏の上で、毒の効いた歌を絡ませてくる。この刺激がコドモドラゴンらしいスタイルだ。そして演奏は、フリーキーでサイコティックな「ドロップチューン」へ転化していった。「思い出作りには仲間が多いほうがいいだろう。せっかく集まったんだ、記憶に残していけ！」と飛び出したのが、コドモドラゴンの活動初期からある「平成マキシマナンバー」。フリーキーでファンクな、コドモドラゴン流毒舌パンクナンバーだ。続く「ISOLATION」ではこれまで以上に低音の効いた演奏が。その流れで「アーメン」「BONEHEAD」も投下。

さらに煽るように「お前らの感情、すべて吐き出してこい」と言って始まったのは「この世界は終わりだ。」。沸き立つ感情をダイレクトに叩きつける4人。勢いをさらに加速させるように突き付けた「御乖離」では切っ先鋭い鋭利な歌や演奏が身体を貫く。シニカルで毒々しい歌詞だが、生きる意味を教えてくれるかのようだ。「お前らのいるべき場所は、この空間で間違ってないかい。俺たちが、お前たちの居場所にちゃんとなれてるか。それを一緒に証明しよう」、最後に突き付けた「HEMLOCK」では、絶叫を上げて飛び跳ねる観客たち。「ずっと僕らは居場所を探していた」と歌う彼らの生き方に、観客たちが共鳴し、熱狂に身を委ねていた。

「無脳bot」から幕を開けたアンコールでも、コドモドラゴンは激熱な演奏を叩きつけ観客たちを右へ左へ揺らす。「ゼロアイデンティティー」を通し興奮をさらに高みへ導けば、最後は「RIGHT EVIL」。会場中の誰もがエナジーをすべて出し切る勢いで暴れながら、熱狂を描いた。ハヤトからは、「したかったライブが目の前にあって楽しかったです。次に伝えたい想いを一つずつみんなに伝えていきたいと思うので、次のツアーも全力でついてきてください」との言葉も。

コドモドラゴンはこの公演で、11月7日に15thシングル「想葬」をリリースすることを発表した。さらにこのシングルを手に11月10日より＜コドモドラゴン 14th Oneman Tour「没」＞もスタートする。11月16日の大阪BIG CAT公演は8周年記念ということで、ジャージ姿というコドモドラゴンらしいドレスコードも設定。その日だからこそのスペシャルなライブも楽しめそうだ。ツアーは年内に17カ所廻ったあと、ツアーファイナルを1月9日にマイナビBLITZ赤坂で行うことも決定している。

ライブ写真◎Keiko Tanabe
文◎長澤智典
編集◎BARKS編集部




◆コドモドラゴン オフィシャルサイト