【短期集中連載】第二回・BugLug燕の“解体新書”
■野音ってBugLugが一番本領発揮できる場所
――「バンドは楽しければいい」っていう気持ちでやってたと言ってましたけど、バンドが予測できない事態に見舞われたりする中で、「楽しくやる」っていう意味を今一度考えたところはあるんじゃないですか?
燕:そうですね。最初にBugLugでCDを出した時は、たぶん何も考えずただ好きな音楽を出しましょうってノリだったんですけど、いろんな対バンとかして行くうちに、「あいつらに負けたくない」みたいな気持ちが出てきて、それで「絶交悦楽論」っていう曲をシングルに出したりするようになって。元々はああいう曲をシングルにするバンドじゃなかったと思うんですよ。そこからバンドがちょっとずつ変わっていったんですけど、それでもジャンルに囚われないバンドではあったんで、逆にバンドの武器が増えた感じがして、そのぶんライヴが楽しめるようにもなったんです。
――続けてれば楽しいだけじゃないことも出てくるけど、それを乗り越えたところにまた違った楽しさが見つけられたと。
燕:そうですね。あと、一聖が事故に遭うまでは、バンドのいろんな物事を彼が決めてることが多かったんですけど、今はメンバーごとに役割分担するようになって。俺の場合、47都道府県ツアーからグッズ関係のデザインとかやるようになったんですけど。イチからラフ画を描いてデザイナーさんに渡して相談したり。メンバーも「任せたよ」って感じで言ってくれるんで、そういうのも楽しいし、他のメンバーもそれぞれ役割分担するようになりましたね。
――楽しくなければバンドじゃないけど、楽しいだけじゃバンドは続かなくて。
燕:本当にそうですね。
――で、今は昔とは違った意味での楽しさを味わっているところだと思うんですね。そんな中、燕くんは野音のワンマンをどんなライヴにしたいと思ってますか?
燕:野音に関しては、<KAI・TAI・SHIN・SHO>っていうタイトルなんで、もちろんアルバムの曲がメインになってくるとは思うんですけど、野音ってBugLugが一番本領発揮できる場所だと思ってて。
――どうしてですか?
燕:過去に野音でやったライヴがそうだったんですけど、あの野外の開放感ってこのバンドに合ってるのか、終わった後に「良かったね」ってメンバー全員で言い合えるライヴがやれてて。で、それって一番いいことだと思うんですよ。だから、今回で3回目の野音なんですけど、どれぐらいバンドが成長したのか知るのが楽しみで……ステージに立ったらどんな気持ちになるんだろうなって。
――つまり燕くんにとって今BugLugが野音でワンマンをやることって、どれだけ自分たちがバンドを楽しめるか?ってことなんでしょうね。
燕:ああ……そうですね。やっぱり俺は「楽しい」っていう部分をお客さんに伝えたいっていうのが大きいですね。もちろんBugLugはそれだけじゃなくて、「なんでも屋さん」っていうのを売りにしてるバンドなんで、ダークな曲だったり激しい曲だったり明るい曲だったり、それを今の自分たちが野外でどう表現できるかっていうのもあるんですけど。
▲燕(B)
――個人的にはメンバーそれぞれの人間性が出てるライヴが観たいです。
燕:人間性……なるほどね。
――もっと言うと5人の繋がりというか、関係性みたいなもの。それがステージから透けて見えるようなライヴが観たいです。演奏しながらメンバー同士が「お前最高だな!」って言い合ってるような。
燕:確かにそういうライヴができたら……できたらっていうか、きっとそういう空気は自然と生まれるはずなんで、そういう瞬間がいっぱいあれば、バンドもお客さんも楽しいライヴになるんじゃないですかね。
――あえて聞きますけど、バンドって楽しいですか?
燕:バンドは楽しいですね(笑)。でも俺、ぶっちゃけ打ち合わせとかが大嫌いなんですよ。ミーティングとか会議とか、こういう部屋でなんかしてるのがホントに嫌いで。
――じゃあ今この状態も、実はイヤイヤ……(笑)。
燕:あ、取材は全然嫌いじゃないですよ(笑)。ミーティングで今後のこととか、話がポジティヴに進めばいいんですけど、基本的にネガティヴな方向に行きがちなんで。それが俺、ダメなんですよ。いい空気でミーティングが進んでると「いいねいいね、これやろうぜ」っていう感じになるんですけど、ネガティヴな方向に行くと「帰りてぇな……」ってなっちゃう(笑)。
――ネガティヴなものが人一倍苦手なんでしょうね。
燕:そうなんでしょうね。俺、昔からおばあちゃんに「後ろばっかり気にしてたら悪い方にしか進まねぇ」って言われてたからなのか、物事は全部いい方向に考えようって思っちゃうんですよね。だからこそ、自分がネガティヴになった時はヤバいと思います。それこそ一聖の事故の時も基本的にはポジティヴでいたんですけど、47都道府県ツアーの時はけっこうどん底まで落ちかけてたんで。
――燕くんの前向きであろうとする気持ちは、このバンドの大きな武器だと思います。
燕:そうなんですかね。自分ではわかんないですけど。でもバンドに限らず人生ってそういうもんだと思ってて。楽しく生きたもん勝ちだと思うんです!だから悩んだりしてる時間が勿体無いって思うんですよね。
取材・文◎樋口靖幸(音楽と人)
<BugLugワンマンライブ「KAI・TAI・SHIN・SHO」>
開場 17:00/開演 18:00
チケット 前売¥5000/当日¥6,000
一般発売中
・チケットぴあhttp://w.pia.jp/t/buglug/
・ローソンチケットhttp://l-tike.com/buglug/
・イープラスhttp://eplus.jp/buglug/
(問)NEXTROAD 03-5114-7444(平日12:00~18:00)
<BPR vs レジレコ TOUR「シバきあい!!」>
8月12日(日)広島BLUE LIVE
8月19日(日)福岡DRUM LOGOS
8月26日(日)Zepp Tokyo
【出演】
BugLug/DOG inTheパラレルワールドオーケストラ/Blu-BiLLioN/己龍/Royz/コドモドラゴン
チケット一般発売中:¥4,800(税込/ドリンク代別)
シバきあい!!特設サイト
http://shibakiai.com/
(問)NEXTROAD 03-5114-7444(平日12:00~18:00)
◆BugLug オフィシャルサイト
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