【対談】暁(アルルカン) × ガラ(MERRY)、「僕にとって最後の後輩バンド」

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■2年前はぶつかるので精一杯だったけど
■あのときよりも力を出せるはず──暁

──アルルカンを始めて、自分が救われたようなところがあるんですか?

暁:……ありますね。メンバーの中でネガティヴなのは僕だけで。他のメンバーはポジティヴだから。そのズレもずっと気持ち悪かったんです。だから、僕は僕でやるしかなかったんだけど、4人がいることやファンの人たちがいることで少しずつだけど救われるっていうか。人間、誰しも最初から疑うわけじゃないんですよ。信じようとしたタイミングで、それが叶わなかったときに、ちょっとずつ疑う気持ちが膨らんでいくだけで。僕はそのタイミングを多く感じてしまってたんですよね。でも、最近はそういうことにも気づけて、ひとつずつ腑に落ちるというか。なるほどなって。でも全部のあり方を認めるのは難しいです。

ガラ:うん、真面目だよ。

暁:えっ、真面目なんですかね。歌っているとき、気持ちが“0”の状態ってないじゃないですか。絶対にプラスだったりマイナスだったりに振れるじゃないですか。そのへんとどう向き合えるか、ですよね?

ガラ:というか、俺はそこすら気にしなくなったけどね、ステージで。

暁:やっぱ、そういう段階があるんですかね?

ガラ:“今、ここから振り切ろう”とか、そんなのも全然なくなっちゃったから。そうやってヘンに考え過ぎてつまらないなってことになったり、自分で答えを求めちゃうとどんどん殻に閉じこもっちゃう。でも現に、アルルカンはこれだけライヴやツアーやって、暁の歌詞に救われてるヤツだっているわけだからさ。ライヴを観て、幸せだって人がいっぱいいるんだから。単純に来た人たちをこれからも幸せにしていけばいいんじゃないかな、と思うんだけどね。

暁:うん……すいません、カウンセリングみたいな対談になっちゃって(苦笑)。

ガラ:この前も呑んでてそういう話になって、「対談でそういうのはやめておきます」と言ってたから、あれっ?と(笑)。暁はやっぱ真面目。でも飲み物だけはコークハイみたいな、ちょっとオシャレで不真面目なやつを呑んでたけど(笑)。

──カウンセリングとか相談をしたい先輩ボーカリストであるってことですよね。

ガラ:いやいや。僕も悩んだりいろいろあったけど、悩んでばっかりでもしょうがないし、今、生きているわけだから。これからやってかなきゃいけないし、やっていくつもりでもあるしっていう。歌っている自分が最後に残せるのは、やっぱり歌と歌詞ですから。そこを磨いていくしかねえなって、そこだけだよね、今は。いつか、見た目とかもどうしようって、アルルカンも悩むときが来るんじゃないの? ここからどう殻を破って、アルルカンをどうしようっていう時期が、絶対に来ると思うよ。

暁:最近ようやくですよね。“もっとこういうふうになりたいよね”ってことも先行していろいろ考えられるようになったので。僕はメイクは落としたくないんですよ。あと、さっきの悩みながらやってるって言いましたけど、それも、やりたいことがあるからなんです。めちゃめちゃしんどいし、イライラもするけど、そうなったときは楽しい、一瞬(笑)。

ガラ:前には進んでいるってことだよね。そういうペースを乱すためにも、8月5日のライヴ当日は、楽屋を一緒にしてもらっていいですか(笑)?

──当然、楽屋入りはガラが一番だと。

ガラ:そう(笑)。それで最初に僕らがライヴやって、「ステージ温めておきました」と(笑)。

暁:そういう“かわいがり”はちょっと(笑)。

ガラ:前回のツーマンライヴシリーズでlynch.とやって、奈緒はlynch.が好きで感動して泣いてたみたいなことがBARKSのレポートに載ってたからね。俺らとライヴやって、なにしてくれるんだろうなと思って。

暁:奈緒が、ですか(笑)?

ガラ:奈緒もそうだけど、誰かが感涙したり、なにかそれ以上のことがないと出る意味だろうと思っていて。感動したメンバーがlynch.のとき以上に増えていくみたいな。もう泣いてほしいな、アルルカンには。嘘でもいいんだから(笑)。お客さんも“なにがあるんだろう”って思ってくれているはずなので。lynch.とは違う、俺らと一緒にやったときのアルルカンも観れると思うし、MERRYもそう。前回のツーマンライヴを超えなきゃいけない。そういう全てを含めて、なにしてくれるんだろうなってことですよ。そこが一番楽しみ。普通にライヴやって、普通に終わってたら、このツーマンの意味はないなって。内側だけで、お互いにバチバチやって、刺激もらったというだけじゃなくて、それを外にも出したいんですよ。それを届けたい。

暁:そうですね、ツーマンライヴやって終わりだけではおもしろくないし、楽しんでもらえるものをなにかしら。ガラさんだからガツガツ行けるところもあるし。2年前のときはぶつかるので精一杯だったけど、あのときよりも力を出せるはずなので。

ガラ:MERRYはヒラヒラとかわすバンドではないし、正面から来れば受け止めるよ、しかもその倍以上で返すから。前から来るなら受け止めるけど、後ろからタックルされたらどうにもなんない。腰も悪いんで、そこだけは気をつけてもらいたい(笑)。でもお互いの持ち時間の中、全力で倒しに行きますよ、アルルカンも全力で来ると思うので。さすが、MERRYと思ってもらえるようにしたい。

──最後に、ライヴタイトル<Baa Baa Dear Big Sheep>はどういう意味で付けたんですか?

暁:『Baa Baa Dear Black Sheep』という絵本があって。僕にとってMERRYは普通じゃないバンドなので、“Black Sheep”はピッタリだと思ったんですが、色々あって“Big Sheep”に変えました(笑)。僕にとってMERRYはそれだけ大きいバンドだから。でも当日は、遠慮せずにガツガツと真正面からぶつかるつもりでやります。

取材・文◎長谷川幸信

■アルルカン 2MAN LIVE<Baa Baa Dear Big Sheep>

2018年8月5日(日) ebisu LIQUIDROOM
開場17:15 / 開演18:00
出演:アルルカン / MERRY
▼チケット
前売り¥5,000(税込/D別) / 当日¥5,500(税込/D別)
一般発売:7月7日(土)
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888

■<アルルカン 5th ANNIVERSARY ONEMAN TOUR Quint「」>

2018年09月01日(土) 大阪BIG CAT
2018年09月08日(土) 仙台darwin
2018年10月14日(日) 福岡DRUM LOGOS
2018年10月26日(金) 名古屋DIAMOND HALL
TOUR FINAL
2018年12月08日(土) Zepp TOKYO

■MERRY<システム エムオロギー Extra~テツ revenge~>

2018年09月23日(日) 盛岡CLUB CHANGE WAVE
2018年09月24日(月・祝)  秋田CLUB SWINDLE
OPEN17:00/START17:30
▼チケット
前売 ¥4,800(税込/D別)
一般発売:8月19日(日)より各プレイガイド

■<MERRY Autumn Tour 2018>

2018年10月12日(金) 名古屋Electric Lady Land
2018年10月13日(土) クリエイティブセンター大阪(名村造船所跡地)
2018年11月07日(水) 恵比寿LIQUIDROOM
▼チケット
前売 ¥5,000(税込/D別)
一般発売:8月19日(日)より各プレイガイド

■<Merry Halloween Party ~Trick or MERRY~>

2018年10月30日(火) HOLIDAY SHINJUKU
2018年10月31日(水) HOLIDAY SHINJUKU
▼チケット
前売 ¥6,666(税込/お土産付/D別)
一般発売:8月19日(日)よより各プレイガイド


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