大盛況の<MURASAKI SHONAN OPEN>にあった更なる可能性

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日本のサーフィン発祥の地・鵠沼海岸(神奈川県藤沢市)を舞台に、様々なアクションスポーツが楽しめるビーチフェス<MURASAKI SHONAN OPEN 2018 supported by NISSAN CARAVAN>が7月9日(月)から7月16日(月・祝/海の日)の8日間にわたり開催された。


このイベントでは、鵠沼海岸の“BEACH AREA”にて世界プロサーフィン連盟主催のサーフィンコンテスト「WSL WORLD SURF LEAGUE QS1500 MURASAKI SHONAN OPEN 2018」、国内で唯一のボディボードのプロ組織である日本プロボディボード連盟主催のプロツアー第3戦「MURASAKI SHONAN OPEN 2018 supported by AQA KINUGAWA」、ロングボードの招待イベント「MURASAKI SHONAN OPEN 2018 LONGBOARD STYLE JAM」がおこなわれ、一方で鵠沼海浜公園スケートパークの“PARK AREA”では、昨年2017年に神戸で行われた国際大会「SKATE ARK」チームが完全プロデュースしたスケートボードコンテスト「SUMMER JUMBO SESH in MURASAKI SHONAN OPEN powered by SKATEARK」、SHONAN OPEN初開催となったBMXコンテスト「Make on the Spot in MURASAKI SHONAN OPEN powered by ARK LEAGUE」などが繰り広げられた。















これだけでも同イベントがいかにクロスカルチャー型かをお分かり頂けるだろうが、加えて音楽ライブもおこなわれ、TEE、DJ KEIN、Sunrise In My Attache Case、Lisa Halimといったストリートシーンを彩るアーティストが登場し、さらには、バランス良くたくましく発達した筋肉や身体に合ったボードショーツの視点から「ビーチで一番イケてる男」を決めるコンテスト「PHYSIQUE(フィジーク)」等も実施。実に盛りだくさんな内容となった。











また、会場に足を踏み入れると感じられたのが子供、子連れの多さであった。キッズを対象にした体験スクール「MURASAKI SPORTS FIRST CHALLENGE」も今年はコンテンツが増やされ、サーフィン、ボディボード、スケートボード、BMXの4種目を楽しむことができるという充実っぷり。主催者サイドのその試みは、こうしたアクションスポーツ・シーンの成長や浸透を真摯に捉えていることを物語っているように思えた。





やはり鵠沼と言えば、日本屈指のビーチリゾートであり、日頃からサーフボードやスケートボードを小脇に抱える人の姿を多く見かける地だ。説得力がちがう。こうしたカルチャーが日常に溶け込むこの土地柄ならではのイベントであり、国内/国外に対する同シーンのプレゼンテーションに最適の地と言えるだろう。ちなみに、BILLABONGのロゴTシャツを現場スタッフが着用していたことから、メーカーの協力体制についてや、このシーンはファッションとの結びつきが強いことも実感する。







と、イベント概要の説明を述べてきたものの、いちばん伝えたいのは現場にあった代えがたい爽快感や高揚感だ。

イベントのハイライトとも言える期間終盤の三連休は、全国で夏真っ盛りの陽気となった。強い日差しを浴びながら、時より吹く海風の気持ちよさを感じられるのも、鵠沼海岸と、そこから浜続きに位置するこのイベント会場の特権だろう。日頃からビーチカルチャー〜ストリートカルチャーを身近にしている人はもちろん、インドア派の人にこそ思い切って味わってみて欲しい感覚だった。





そして何よりハッとさせられるのが、選手やオーディエンスの意識そのものである。常に互いを尊重し合う気持ちが根っこにあることが感じられた(このご時世、そんな特別な空間を味わうことが最早かけがえのない機会かもしれない)。オーディエンスは、たとえお目当ての選手でなくとも、すばらしいプレイが飛び出せば有無を言わさず称賛する。もっとも印象深いのが、競技と言えども選手の根底には“自らのスタイルの追求”があり、さらに言うと、“自分の生き方”を示す場として挑んでいるように映ったことだ。だから、誰のどの場面を切り取ってもカッコよくて、正々堂々としていて、簡単には諦めないその姿がとてもまぶしいものだった。







サーフィン、スケートボード、BMXは、2020年の東京五輪の正式種目に決定し注目を集めている。そんなタイミングで開催された今回の<MURASAKI SHONAN OPEN 2018 supported by NISSAN CARAVAN>は、これらのスポーツの認知度向上やさらなる浸透に一役買ったと言えるだろう。もちろん、選手たちの表現の場として大きな舞台となったことは言うまでもない。

だが、スケートボード・コンテストの決勝でMCが、もっと能動的に場を盛り上げるようオーディエンスを鼓舞していたように、コアファンとそうではないオーディエンスとの温度差が多少なりとも感じられたのも事実だった。各競技のすばらしいプレイや、それに携わる人々のフィーリングに実際に触れたことで、日本でもその存在感をより強め、もっと夢のあるシーンに発展していって欲しいと思う。このシーンは、それに値する正真正銘の“カルチャー“だということが明確に示されていたイベントだったからだ。

各競技結果は、以下の通りだ。

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取材・文=堺 涼子(BARKS)

<MURASAKI SHONAN OPEN 2018 supported by NISSAN CARAVAN>各競技結果

<SKATEBOARD STREET CONTEST
SUMMER JUMBO SESH in MURASAKI SHONAN OPEN powered by SKATEARK>
7/15(SUN)-16(MON) @PARK AREA

1位 佐川 涼
2位 瀬尻 稜
3位 池田 大暉

<BMX STREET & PARK CONTENTS
Make on the Spot in MURASAKI SHONAN OPEN powered by ARK LEAGUE>
7/15(SUN)-16(MON) @PARK AREA

1位 勅使川原 大地
2位(タイ)
大和 晴彦(オワハルヒコ)
比嘉 勝太
4位 眞謝 大輔(マジャ ダイスケ)

<MURASAKI SHONAN OPEN PHYSIQUE TRIAL powered by NPCJ>
7/16(MON) @PARK AREA
1位 浦島 辰文

<INVITATIONAL EVENT
MURASAKI SHONAN OPEN 2018 LONGBOARD STYLE JAM>
7/14(SAT) @BEACH AREA
1位 秋本 祥平
2位 中村 清太郎

<WSL WORLD SURF LEAGUE QS1500
MURASAKI SHONAN OPEN 2018>
7/9(MON)-16(MON) @BEACH AREA
1位 安室 丈(あづち じょう)
2位 Jordan Lawler

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