【インタビュー】音の旅crew、絶妙な楽器のアンサンブルと心地よい歌声を聴いて楽しく踊ってほしい『JOYSTEP』
全国区で精力的なライヴ活動を行っている4人組バンド音の旅crewが、3年ぶりとなるアルバム『JOYSTEP』を7月18日にリリース。ルーツ・レゲエに軸足を置きつつも、様々な音の可能性を表現する楽曲は、絶妙な楽器のアンサンブルと心地よい歌声でポップスとして昇華されている印象だ。大型フェスへの出演や、レーベル「TRAVEЯA」(トラベラ)の設立などを経て完成した本作について、バンドを代表してpepe(G/Vo)と大樹(B)の二人に語ってもらった。
■ずっと曲作りとツアーと打ち上げっていう日々でした(笑)
■地道にバンド活動を続けてきた感じです
――音の旅crewは、前身バンドを経て2012年に結成されたそうですね。
pepe(G/Vo):そうです。そのバンドからヴォーカルがやめてしまったので、代わりに僕がヴォーカルをやるようになって今の形になりました。自分はもともとサイドギターで、たまにコーラスをするくらいだったんですけど。じっくり歌い出したのは、2012年くらいからです。
大樹(B):2012年以前は、メンバーが六人いたんですよ。ラップ・ヴォーカルと、ベースがもう一人いて。その六人で3年くらいやっていたんですけど、ベースがいきなり「俺は不動産王になる」ってバンドを辞めてしまって。ヴォーカルも違う道を行って、残された四人で2012年から活動しているんですけど、そこからpepeが歌うようになったんです。
――その頃は音楽性も違いましたか?
pepe:もっとラウドで、そこに即興でラップを乗せるような形でした。そこから、今みたいなちょっとユルっとした感じになりました。
――アルバムを聴かせていただくと、演奏と歌が調和されていてすごく心地良い感じでした。六人編成の頃から、楽器と歌のアンサンブルに凝っていた感じですか。
大樹:ベースが二人いたので、振り分けが結構大変でしたね。六人のときもアルバムを1枚出しているんですけど、今の音楽性よりはゴリゴリしていたというか、ミクスチャー感が強いバンドでした。そこからヴォーカルが代わって声質も変わったので、今はレゲエ寄りのナチュラルなサウンドをやっている感じです。
――レゲエのテイストは、pepeさんが持っている要素なんですか。
pepe:そうですね、僕が一番レゲエ好きですね。曲は、自分がネタを持っていくときが8割くらいで、あとはスタジオの中でセッションして作っています。歌詞は全部僕が書いています。
――気になるのは、音の旅crewというバンド名なんですけど、どんな思いでつけたバンド名なんでしょう?
pepe:前身バンドは、もともと前にいたラップ・ヴォーカルと僕が二人でユニットをやろうかっていうことで始めたものだったんです。その頃に旅行に行って音楽を流しながらドライブしていたときに、「音の旅っていいんじゃないかな」って決めた感じですね。音楽を流して旅してるし、これでいいかって(笑)。結構ノリで付けました。crew はsmorgasの「風の人」クルーの中に好きなバンドがいるので、そこからもらった感じです。
――四人で始めるにあたって、どんな音楽をやろうという話をしたんですか。
大樹:ヴォーカルがいなくなって、じゃあ誰がやるかっていうときにpepeが「俺がやるわ」って言ってくれて。そのときに、今回リアレンジして収録している「OWATTEHAJIMARU」という曲が最初にできて。そのときのアレンジはレゲエ、ダブを合わせた感じだったんですけど、この方向性で行けるな、と。レゲエも入っているんだけど、ポップな曲をやりたいと思って始めました。
pepe:僕は即興でやるジャム・バンドも好きなので、バンドにはそういう要素もあります。ライヴでは元の曲を崩して即興チックな感じもありますね。
――歌詞を見てもかなり言葉数も多いですし、歌への思いをすごく感じるんですけど、ヴォーカルを担当することになる前は歌ったことはあったんですか?
pepe:いや、コーラスはやっていたんですけど、こんなにじっくり歌ったのは音の旅crewになってからが初めてです。でも、良い歌詞を書きたいっていう気持ちは強いですね。
▲pepe
――大樹さんは、pepeさんが「俺がやるわ」ってヴォーカルを志願したときはどう思いました?
大樹:「あっ歌うんだ」って思いました(笑)。ただ、レゲエ寄りな気持ち良い声をしているから、pepeの声質は好きだったんです。それに、歌詞がちゃんと聴きとれるヴォーカルってなかなかいないので。これはいけるんじゃないかなって思ったんです。
――アルバムではすごくテクニカルな演奏が聴けますけど、みなさんどんなルーツを持ったプレイヤーなんですか。
pepe:僕はレゲエとジャムバンドから影響を受けていますね。日本だと犬式(INUSHIKI)さんやDachamboさんなど、ちょっとコアなフェスに出ているような人たちが好きです。チャートに乗っている感じの音楽よりも、ちょっとアングラ寄りな音楽が好きですね。最初は、実家がある長野県諏訪の方で、友だちにロック好きな一家がいて、ギターを教えてもらっていたんです。その人たちが200人くらいが集まる音楽イベントをやっていて。それの影響もすごく大きいですね。
大樹:自分のルーツは、Mr.BigとかAerosmithとか、ハードロックですね。そこから当然のようにRed Hot Chili Peppersに行って、ファンクとかも聴くようになって。日本ではTHE BACK HORNさんが好きになりました。そういうロック、ファンクがルーツですね。最初は4弦ベースだったんですけど、このバンドになってEより低いのローの音も欲しくなって、今は5弦ベースを使っています。
――チャックさん(Dr)とguroさん(G)はどんなルーツがあるのか代わりに教えてもらっていいですか。
大樹:チャックは、最初はゲーセンのドラムマニアから始めたらしいです。吹奏楽もやっていたんですけど、今に至るルーツは黒夢さんなどのビジュアル系で、そこからオルタナティブな方に行って、ナンバーガールさんとかが大好きですね。guroはMr.Childrenさんが一番好きって言っていました。みんな見事にバラバラなんですけど(笑)。
▲大樹
――そうですよね(笑)。でもこうやってちゃんとアンサンブルが成り立っているという。どんなことを真ん中に置いて曲を作ってるんですか?
大樹:まず歌が真ん中にあるっていうのが、大前提ではありますね。
――例えば、1曲目の「my pace space my place」は、どうやって作った曲ですか。
大樹:これは、最初にpepeがコードとメロディを持ってきたんだよね?
pepe:コードだけ持ってきて、ジャムってメロをつけた感じです。
大樹:それで、ギターのguroがリードギターのテーマを作ってきて、そこにベースとドラムも合わせて作ったんですけど、これはわりとすぐに完成しました。
pepe:曲作りは、そうやって全部スタジオでやります。
大樹:それが一番やりやすいんですよね。その場で合わせて録音して聴いてみて、ああだこうだ言いながらの繰り返しで作ってる感じですね。
――歌モノのバンドではあるものの、演奏はインストでも十分通用しそうな印象です。
大樹:pepeがすごくジャムが好きなので、スタジオに入ると、まずジャムり出すんです。そのときは歌を入れずにインストでソロ回しみたいな感じで遊んでいるので、それもインストっぽくなる理由だと思います。みんな音の重ねが好きなんですよね。
――『JOYSTEP』はアルバムとしては3年ぶりの作品となりますが、この3年間というは、バンドにとってどんな期間でしたか?
pepe:ツアーの日々でしたね。
大樹:3年前に出した1stフルアルバム『LION』で、初めて全国をツアーしたんです。そこで培ったものがあって、曲はずっと作ってました。2017年にシングルを出したんですけど、今回はそこに収録された曲とはまったく別の曲を入れているので、本当にずっと曲作りとツアーと打ち上げっていう日々でしたね(笑)。地道にバンド活動を続けてきた感じです。
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