【インタビュー】ミッシェル「米欧ブレンドされたサウンドにしたい」
ヴェール・オブ・オブスキュリティのデビュー・アルバム『In The Beginning』が、2018年4月11日に日本先行リリースされているが、この作品はロイヤル・ハントのメンバーによる全面的な協力のもとで完成されたアルバムだ。
◆ヴェール・オブ・オブスキュリティ映像&画像
ヴェール・オブ・オブスキュリティは、モデル級の美貌とロックヴォーカリストとしてのカリスマ性を兼ね備えたアメリカ出身の女性シンガー、ミッシェル・レイチェン率いるバンドだが、彼女はロイヤル・ハントのバッキングコーラスとしてファンにはお馴染みの人物でもある。ロイヤル・ハントの2018年来日公演では、東京、大阪ともにソロとしてオープニングアクトを飾った。
──来日何度目になりますか?
ミッシェル:実は4回目なの。最初は本当に小さい頃で、父がロイヤル・ハントのマネージメントなのでその関係で家族と一緒に日本に来たわ。2度目と3度目はロイヤル・ハントのバッキングヴォーカルとして参加して、今回が4度目よ。
──ロイヤル・ハントのオープニングアクトとして自身の曲を歌う日本のステージはいかがでしたか?
ミッシェル:バッキングヴォーカルとは全く別の体験だったわ。とても楽しくて、お客さんの反応が凄く良かった。アルバム・リリースから5日くらいしか経っていなかったからそんなに曲を知ってるお客さんはいなかったと思うんだけど、それでもあんなにノってくれて拍手してくれて、とても嬉しかった。
──アルバムでもロイヤル・ハントのメンバーが全面的に協力されていますね。
ミッシェル:もともと父との関係性はあったけれど、みんなとても才能のあるミュージシャンで、曲を渡してソロの部分は好きにやってとお願いしたら素晴らしいプレイをしてくれたの。子供の頃からロイヤル・ハントを聴いて育ったから自然な流れだったし、特に私はギターソロがお気に入り。このアルバムはインターナショナルな色々な要素が詰まったサウンドになっているのよ。ロイヤル・ハントのメンバーはデンマークやスウェーデンだし、アメリカ人の私から見てもインターナショナルだわ。私のヴォーカルはロサンゼルスで、ドラムとベースはスウェーデン、ギターとキーボードはデンマークでレコーディングしたの。
──このメンバーでありながら、メタルではないポップロックな作品となりましたね。
ミッシェル:子供の頃からヘヴィ・メタルも聴いていたけど、ポップロックも好きなの。父がロシア人だから、アメリカとヨーロッパの二つの面が上手くブレンドされたサウンドにしたいという思いもあって、それがこういう形になったんだと思う。
──歌声にスティーヴィー・ニックスのような雰囲気を感じました。
ミッシェル:ワーオありがとう、スティーヴィー・ニックスは大好きよ。そう言ってもらえてとても嬉しいわ。フリートウッド・マックと言えば実は『Rumours』のプロデューサー:ケン・キャレイがソングライティングの会社を経営していて、ソングライターとしても一緒に仕事をした事があるのよ。だから少なからず関係もあるのよ。
──他に影響を受けたシンガーは?
ミッシェル:まずはクイーンのフレディ・マーキュリーね、彼がナンバーワンよ。とてもシアトリカルで低音から高音まで声域も広くてハーモニーも素晴らしくて曲作りもあらゆる面で優れた人。あと女性シンガーだとシーアね。ポップな面もあるけれど本格派/実力派シンガーなの。彼女も少しスティーヴィー・ニックスぽいところもあるかもしれない。レディ・ガガも好きだし、バンドではディペッシュ・モードやAC/DCもね。
──幅広いですね。アルバムの歌詞はほとんどミッシェルによるものですか?
ミッシェル:そうね、ほとんど書いたけど父と外部のソングライター:エヴァン・ブラムにも参加してもらったの。日常の題材もあればそうでないものもあって、日常を書いたもので言うと「L'amour」…フランス語で愛という意味、恋愛を元にした曲よ。あと「Rise Above」は人生はふた通りの見方があって、何が起こったかではなくて、それに対してどう対処するかが問題なのよって曲。「Gambler」はゲームについてだし、「Spy Games」はジェームス・ボンド的なもので映画やテレビ、本からもインスパイアされているの。
──ミッシェルにとってアルバムのハイライトはどこでしょう。
ミッシェル:全体的には楽器の演奏部分にも注目して欲しいのと、あと特に冒頭の「Out of Obscurity」と「Free Mind」はイントロとかも雰囲気があってリスナーを別世界に引き込む魅力があると思っている。個人的には「L'amour」がキャッチーで、フランス語のタイトルに曲もフランスの雰囲気があって歌詞のストーリーもとても気に入っているの。どの曲にもストーリー性があるので、目を閉じて聴きながらその人の解釈で情景を思い浮かべて貰えたら嬉しいわ。
──名前もミッシェルというフレンチネームですよね。
ミッシェル:名前の由来は、父方の大叔父がロシアのボリショイオペラ歌手でミーシャ(ミッシェルの男性ネーム)と言うんだけど、ミーシャがニューヨークのメトロポリタン劇場で公演を行った時のマネージャーが私の祖母だったの。私の両親が出会ったのは、ミーシャの存在があったからで、彼の名前にちなんでミッシェルになったみたいね。
──今後は、ソロシンガーではなくバンドとして活動していく予定ですか?
ミッシェル:イエス!曲作りは13歳の頃から父と始めて、最近になって作り溜めたものを聴き返してみたら良いものがあって、これをみんなでレコーディングしてみたらどうかという事になったの。私は基本的に人とコラボレーションする事が好きだから、ソロよりもバンドでみんなとやりたいわ。
──今後の展望は?
ミッシェル:アルバムリリースは世界で日本が先駆けての発売になったのよ。次がヨーロッパ、最終的にはアメリカでもリリースされるので、それにともなったアメリカツアーもやりたいわね。同時に次のアルバムも作りたいな。
──日本のファンも活動を楽しみにしています。
ミッシェル:私の音楽を聴いて、ライブに来てくれて本当にありがとう。会えたことが嬉しかったし、東京も大阪も最高だったわ。もっともっと大勢の人に会いたいな。
取材・文:Sweeet Rock / Aki
写真:Yuki Kuroyanagi
編集:BARKS編集部