松本隆、シューベルト3部作完結編「白鳥の歌」訳詞の新作を発表

ポスト


作詞家の松本隆が、作曲家・シューベルトの歌曲3部作のひとつと言われる「白鳥の歌」を日本語訳し、4月18日にリリースすることが決定した。

松本隆のライフワークでもあるシューベルト楽曲の日本語訳作品は、昨年2017年の「紫綬褒章」受章後に初めてリリースされる注目作であり、自身が現在活動の拠点としている「京都」にこだわった作品でもある。なお松本は1992年に「冬の旅」を、そして2004年に「美しき水車小屋の娘」を現代語訳して発表。そして14年ぶりに発表される「白鳥の歌」でシューベルトの歌曲集3部作が完結する。なお、「白鳥の歌」という題名は、31才の若さで亡くなったシューベルトの死後に楽譜出版社が名付けたもので、白鳥は死ぬ時に一番綺麗な声で鳴くという言い伝えから、生涯最後の作品を白鳥の歌と例えられている。

今作のレコーディングは、京都コンサートホール・アンサンブルホールムラタで行われた。ボーカルにテノール歌手の鈴木准、ピアノに巨瀬励起を迎え、松本はレコーディングについて「レコーディングディレクターは音程に厳しく、冷徹な人の印象だったが、ドッペルゲンガーのOKテイクをとってる最中に感極まって号泣してしまった。もちろん鈴木准氏の歌唱のなせるわざである。巨瀬励起氏のピアノは和音をポローンと弾いてるだけで美しい。それだけで詩になってる。コロムビアの録音チーム。練習の時にぼくは客席で聴いていて、後半はコントロールルームに移動した。するとスピーカーからホールとまったく同じ音が聞こえるのだ。なんという技術の高さ。」と語ったそうだ。

CDジャケットには京都在住の書家・川尾朋子が起用され、「白鳥の歌」の文字を繊細且つ力強く書き上げている。松本はこれについても「死にゆく白鳥が力を振り絞って、もう一度羽ばたこうと凛と空を見上げる。そんな姿が見えるような書だった。感謝。」と絶賛したとのこと。


またBS朝日『歌っていいだろう』では、3週にわたって松本隆を特集し、本人も出演中だ。3週目となる21日(水)の放送では、クミコによる「しゃくり泣き」(アルバム『デラシネ』より)を、作曲を担当したピアニスト・村松崇継と生パフォーマンスで共演するほか、松本本人がなぜ200年前のシューベルトの楽曲を日本語訳詞するのかを語り、鈴木准と巨瀬励起を招いてアルバム『白鳥の歌』より「ドッペルゲンガー」をテレビ初披露する。


【リリース情報】

2018年4月18日発売
COCQ-85417 ¥3,000+税
松本隆現代語訳 シューベルト 歌曲集「白鳥の歌」

01.愛の使い
02.戦士の予感
03.春に焦がれて
04.セレナーデ
05.仮住居
06.異邦にて
07.じゃあね
08.アトラス
09.肖像画
10.漁師の娘
11.都市
12.海辺
13.ドッペルゲンガー
14.鳩

テノール:鈴木准 ピアノ:巨瀬励起
録音:2017年11月28日-30日 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ

■Official Site
http://columbia.jp/schwanengesang/

◆松本隆現代語訳 シューベルト 歌曲集「白鳥の歌」 オフィシャルサイト
この記事をポスト

この記事の関連情報