【ライブレポート】ASH DA HERO × AKi(シド)、「俺たちが繋がる日」
ASH DA HEROが仕掛ける<2MAN SHOW SERIES 2018 CONNECT X【ACT.6】」>が、2月15日に渋谷TSUTAYA O-WESTで行なわれた。いわゆる“対バン”形式でありながら、対決というニュアンスを含んだものではなく、ジャンルや世代を超えたアーティスト同士やそのファン同士も“繋がろう”という意味を持つライブだ。
◆ASH DA HERO × AKi(シド) 画像
第6回目となる今回の相手はAKi。シドのベーシスト=明希のソロだ。2人の交流に関しては、先日公開したBARKS対談連載『ASH DA HEROの“TALKING BLUES”第6回』で語っているように、このライブ前から繋がりは深い。そして今、ステージで互いが本領発揮するとなれば、化学反応が起こる予感しかしない。
「楽しもうぜ、渋谷!」──AKi
威勢のいい掛け声と同時に煽りながらステージに登場したのはAKi。客席フロアからオイオイと熱いコールも上がり、のっけから高いテンションを生み出しつつ、「FAIRY DUST」よりライブはスタートした。
曲はハードロックを軸にしたラウドなスタイルで、衝動性もたっぷりはらんだ激しいもの。AKiはベースを弾きながらボーカルも聴かせるが、その歌声は伸びやかで力強い。もちろんベーシストとしても、「pulse」ではメロディックに決めたと思えば、ピックを客席に投げ捨て、指弾きで激しいグルーヴも作り出す。
「今日は我が親友、ASH DA HEROの<CONNECT X>。呼んでくれて嬉しいです。AKiとしては初ツーマンだね。いや……そうじゃないかもしれないけど(笑)。でも、よくある対バンというよりは、俺たちが繋がる日、ひとつになるんだよ。わかるよな、共に最高の一日にしようぜ。俺を知ってる人も知らない人も、今日は楽しませるから。でも俺はちょっとだけ欲張りなんで、ここにいる全員の声がほしいんだ。とことん行こうぜ!」──AKi
AKiの歌やベースに煽られ続け、客席フロアのファン達も熱くなるばかり。5曲目「ミッドナイト/狂騒/DARLING:」ではコール&レスポンスも起こり、その確かな手応えに親指を立てる。またストレート・エッジやグルーヴィな曲ばかりでなく、AKiのエモーショナルな歌声に誰もがシビれる「ジウ」や、男臭い色気もたまらないパワー・バラードの「Skyfall」など、とことん聴かせる場面も。もし許されるなら、近い将来、ライブでもAKiの生ピアノ演奏で「Skyfall」を聴いてみたい、とプレッシャーも与えておこう。それはともかく、洋楽気質のバックボーンを強烈に放っているところも、ソロ=AKiの魅力だ。
「すごくひとつになってるような、知らない顔がここにはいないようなライブです、今日は。まだまだブッこむよ。ハードロックが一番カッコいいこと知ってんだろ、オマエら」──AKi
その言葉を合図に後半を畳み掛けるAKi。ときに鋭い眼光も放ちながら歌う姿、荒々しくベースリフを決めるライブパフォーム、まさにロックヒーローでありベースヒーローを確信させるミュージシャンが、ステージにいる。
「CONNECT X、最高の夜にしようぜ!」。AKiの言葉が会場を完全に一体化させた。
SEと共にステージに姿を見せたASH DA HERO。「始めようぜ」という言葉と共に歌い始めたのは「BRAND NEW WORLD」だ。メロウな歌が印象的な広がりあるロックナンバーで、そのメロディからは新たな扉が開いていくような感覚も覚える。ジャンルの壁を扉に変えていこうという<CONNECT X>にもふさわしいオープニングだ。
しかし、このライブは対バンである。いがみ合うような対抗心は全くないにせよ、ミュージシャンとしてAKiから絶対に刺激を受けたはず。それがブースターとなったのだろう。「Are You Fuckin' Ready?」とロングシャウトも交えながら叫んだASH DA HEROは、いよいよ熱さを極めたステージを「ANSWER」から展開させていった。
ラップの要素も混ぜたボーカルで曲の勢いをさらに加速させたかと思えば、「HERO IS BACK 2」では歪んだ歌声で攻め続ける。挑発したパフォーマンスでファンの興奮も、そそり立つぐらいの上昇カーブを描いていく。さらにマイクスタンドを振り回すダイナミックなパフォームで視線も奪う。それだけ激しいステージングを見せながらも、ASH DA HEROの歌はパワーもエモーショナルさも一切落ちることがない。それでいて歌の表情やアプローチも、曲の場面ごとに多彩だ。
まだデビューして2年ほどのASH DA HEROにとって、これまでのフェス出演やこの<CONNECT X>は強い相手達と相まみれてきたといえるだろう。当然、悔しさを味わう瞬間だってあったと思う。しかしどんなときでも前を見続けてきた。自分がヒーローになってやろうという思いでASH DA HEROと名乗り始めたからには、もう後ろ向きになることや諦めることはやめたのだ。経験の全てを自身の血と肉にして、ロックシンガーとしてタフに成長し続ける2年間だったといえよう。今、AKiの作った一体感を引き継ぎながら、魂を声にして轟かせるASH DA HERO。力量や説得力ある歌に熱い歓声がフロアから上がり続けた。
「今日、メチャメチャ最高ですね」──ASH DA HERO
と思わず素で大笑いしてしまうASH DA HERO。なにしろ、<CONNECT X>の理想である互いのファン同士が共鳴しあう景色がフロアに広がっているのだから。即興ラップを交えながらの「WA!!」ではでっかいコール&レスポンスも生まれるなど、アーティストとファンの結びつきも強力なライブだ。「この場所を世界一ピースフルな空間にしよう」と「YELLOW FEVER DANCE」を決めれば、その和メロも入ったお祭りナンバーと共に、誰もが笑顔で大盛り上がり。熱く、しかしコネクトしたからこその温かさでも包まれたライブだ。
「最高の景色、ありがとうございます。いつだって会いに来てください。どんなときもASHはあなたの味方です」──ASH DA HERO
頼りがいある笑顔でそう感謝と約束をするASH DA HEROだった。
しかし、これで終わらないのが<CONNECT X>。スーパーセッションがいつも用意されている。まずはAKiの「Fahrenheit」に、ASH DA HEROがコネクトだ。交互にメインボーカルを決め、サビではハモリながらダブルボーカルでも魅了する。AKiはベースを弾きながら、ASH DA HEROと背中合わせで絡む。そのパフォームにファンの興奮も高まり続けた。そして2曲目はASH DA HEROの「からっぽの街」に、AKiがコネクトする。今度は向き合いながら絡む2人。AKiの歌の上手さにASH DA HEROも驚きの声を上げた。
互いの曲をカバーして終わるかと思われたが、今日だけは特別にもう1曲用意されていた。それがBARKS対談連載で口にしていた謎のやつだ。
「2月2日のAKiちゃまのバースディイベントに、今日はタイムスリップしてみましょう」──ASH DA HERO
そして互いのバンドメンバー総登場でプレイされたのが、My Chemical Romanceのカバー「Welcome To The Black Parade」だった。そのバースディイベントでも披露されたカバーのひとつだが、ASH DA HEROがシーケンス音源なども用意して、今日は完全版と呼べるカバーだ。歌い、そして弾く2人も嬉しそうな表情。その気持ちが会場全体を包み込む。途中、メンバー全員を紹介しつつ、最後に「ここにいる全員に拍手を!」とASH DA HERO。曲のエンディングではASH DA HEROとAKiがハイタッチを交わし、ライブは大成功。<2MAN SHOW SERIES 2018 CONNECT X>の今後にも要注目だ。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎進藤景太/前田俊太郎
■<ASH DA HERO 2MAN SHOW SERIES 2018 CONNECT X【ACT.6】× AKi> 2月15日@Shibuya TSUTAYA O-WESTセットリスト
01.FAIRY DUST
02.pulse
03.libido
04.The Inside War
05.ミッドナイト 狂騒
06.ジウ
07.Skyfall
08.Brave New World
09.FREAK SHOW
10.Be Free
11.STORY
【ASH DA HERO】
SE.A New Journey
01.BRAND NEW WORLD
02.ANSWER
03.HERO IS BACK 2
04.結局なんにもやれてない
05.WAKE UP ROCK AND ROLL BAND
06.WA!!
07.反抗声明
08.YELLOW FEVER DANCE
09.ALIVE
10.THIS IS LOVE
11.WANT YOU BAD
【SPECIAL SESSION】
01.Fahrenheit (ASH+AKiバンド)
02.からっぽの街 (AKi+ASHバンド)
03.Welcome To the Black Parade
■<ASH DA HERO 2MAN SHOW SERIES 2018 CONNECT X【ACT.7】>
OPEN 18:30 / START 19:00
▼出演ASH DA HERO × JUON
▼チケット
オールスタンディング 4,500円(税込/D代別)
一般発売:2月17日(土)〜
■<ASH DA HERO SPRING TOUR 2018「STAY FREE」>
2018年3月30日(金) 名古屋Electric Lady Land
OPEN 18:30/START 19:00
2018年3月31日(土) OSAKA MUSE
OPEN 17:30/START 18:00
2018年4月08日(日) HooK SENDAI
OPEN 17:30/START 18:00
2018年4月13日(金) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
OPEN 18:30/START 19:00
2018年4月14日(土 静岡Sunash
OPEN 17:30/START 18:00
2018年4月29日(日) マイナビBLITZ赤坂
OPEN 17:00/START 18:00
▼チケット
オールスタンディング 4,000円(税込/D代別)
※4/29マイナビBLITZ赤坂公演のみ新曲「STAY FREE」CD付き
一般発売日:2月24日(土)10:00〜
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