【インタビュー】Ram、“自分らしく”をテーマに作りこんだラブストーリー『Just As I Am』
■「Girls Party」はソロになって初めて録ったので歌も大変でした
■自分ではすごく明るく歌っているのに暗く聴こえてしまって
――「U & Me」「Fade away」以外にも注目の楽曲が揃っていて、たとえば「Break Upして feat.AYA a.k.a.PANDA」は女性ラッパーとの競演というスタイルになっています。
Ram:AYA.a.k.aPANDAさんのラップは、本当にカッコいいですよね。前回DJPMXさんにプロデュースしていただいた時は、最初に私の歌を全部録って、その後ゲストのラッパーさんを決めるというやり方だったので、AYAさんとは彼女がレコーディングする時に初めてお会いしたんです。AYAさんのラップを聴いて、女の人がこんなにカッコいいラップをするんだと思ってビックリしました。それを自分の作品に入れてもらえるのが、すごく嬉しかったです。この曲はラッパーさんが男性ではなくて、女性ですごく良かったなと思いますね。
――同感です。AYA a.k.PANDAさんのラップは、チャラ男にビリビリしている心情を見事に表現されてますし。
Ram:そうなんですよ。今回のストーリーとは離れた歌詞で、チャラ男さんに振り回されている女性の心情を歌っているんです。これも、せつない感じを表現しようと思って歌ったんですけど、この曲の歌録りは早かったですね。歌詞を見た時に思ったのが、これは普通に若い子のダメンズ好きな感じなんだろうなということだったんです。なので、わりと等身大の感じで歌えば合うんじゃないかなと思いつつ1回歌ったら良いテイクが録れたので、それを活かすことにしました。
――6曲目の「Girls Party feat. Kayzabro (DS455), DJ DEEQUITE」は、他曲とは一味違って音数が多くて、少し生感のあるサウンドが印象的です。
Ram:この曲は、ソロでやっていくことが決まった時に、一番初めにレコーディングした曲です。だから、サウンドが他の曲とは少し違っていますね。そういう意味では、『Just As I Am』を聴いてもらうと、「Girls Party」から入って今のテイストに変わっていった流れも分かってもらえると思います。この曲はソロになって初めて録ったので、歌も大変でした。「もっと楽しく、楽しく」と、ずっと言われ続けて。自分ではすごく明るく歌っているのに、暗く聴こえると言われて。そうかなと思って聴いてみたら、たしかに違うなと自分でも思うという(笑)。初めてで、自分の中で探りながら歌ったので、今聴くと自信のなさが垣間見えているなと思いますね。
――アゲアゲの曲を、少しアンニュイに歌っている感じがすごく良いなと思いましたよ。
Ram:ありがとうございます。この曲を歌うことで、J-POPとR&B/ヒップホップの違いをすごく勉強した感はありますね。歌のニュアンスも、リズムの取り方も全然違うということを実感できたんです。英語の発音も、すごく注意されましたし。……なんか、懐かしい(笑)。この曲を聴くと、懐かしさを感じます(笑)。
――懐かしさを感じるというのは、そこから進化した証ともいえますね。歌唱面では、「tears」は今回のアルバムのハイライトといえます。
Ram:……(笑)。
――あれ? その笑いは一体……。
Ram:いや、この曲も大変だったなと思って(笑)。「tears」は高音域が多くて、でもサビとかはファルセットだけでは弱いし、もっとせつなさを出したいなと思って、サビの部分はすごくがんばりました。この曲の仮歌を入れてくださった方がすごく上手くて、ハードルが高いというのもあったんですよね。その方とお会いした時に、「Ramちゃん、あの曲は本当にツラいから、がんばって」と言われたんです。「私、もう腕を振りながら、全身全霊で歌ったから」と。それで、“あんなに歌える人がツラいんだ……どうしよう?”みたいな(笑)。実際歌ってみたら、本当に大変でした(笑)。でも、今回のストーリーに出てくる女の子のせつない恋に対する最後の心情を描いた歌詞なので、想いが溢れた感じを出したくて、大切に歌いました。
――強く響く歌になっています。サビにいく前のパートで“噛みしめている感”を表現してから“パーン!”とサビにいく流れも絶妙ですし。
Ram:「tears」を録る時に、どこから録るか聞かれて、サビ前のパートから歌いますと言ったんです。この曲はここが一番大事だなと思ったので、サビ前のパートから録って、その後サビを録って、最後にAメロとかを録りました。「tears」は今回の曲の中で、一番最後に歌ったんですね。なので、どういう録り方をすれば良いかが、なんとなく自分の中で分かっていたんです。
――本当に得るものの多いレコーディングになりましたね。
Ram:そうですね。今回のレコーディングは、前回よりもさらに新しい自分を見つけることができたなと思っています。今の自分ができることを精一杯やりましたし、良い作品になったことも感じているので、ぜひ沢山の人に聴いて欲しいです。
――同感です。『Just As I Am』のリリースから始まる2018年は、どんな年にしたいと思っていますか?
Ram:やりたいことはいろいろありますけど、まずはライブをいっぱいしたいです。2月に私の地元の大阪で初めてライブをやれるので、すごく楽しみなんですよ。きっと、すごく緊張すると思いますけど(笑)。今まではラッパーさんが一緒だったので良い感じで盛り上がりましたけど、今度は一人だけなんです。なので、ちょっとトーク力も鍛えないと…と思っています(笑)。あと、前回のEPを出した時にBlues Alleyというところで、初めて生バンドで「Girls Party」と「Break Upして」を歌ったんですね。そうしたらまた全然違う曲になったし、バンドで歌うのはすごく楽しくて。そういう楽しみ方もできるなと思ったので、定期的にBlues Alleyとかジャズバーみたいなところで歌っていきたいんですよね。普段のライブも打ち込みのオケで歌う曲もあれば、生バンドで歌う曲もあるという形にするのも良いかなと思ったりもしているし。そんな風にいろんなことを考えて、今はすごくワクワクしています。とにかく今年はライブを沢山して、また音源もリリースしたいと思っているので、今後のRamの成長を見ていて欲しいです。
取材・文●村上孝之
リリース情報
2018.01.24. out
VICL-64874 2,800yen (wo/tax)
01.Introduction
02.Party Out
03.Let's Move On feat. KOWICHI
04.Break Up して feat. AYA a.k.a.PANDA
05.U & Me
06.Girls Party feat. Kayzabro (DS455), DJ DEEQUITE
07.Fade away
08.tears
09.Outro
10.Fade away (Lutez remix)
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