【特集】BURNOUT SYNDROMES 石川大裕、憧れの芸人・磁石と「お笑い」談義
[BURNOUT SYNDROMES 石川大裕 ソロインタビュー]
■お坊ちゃま学校の奴らのパンク精神
■まずマイクスタンドを取っ払おう、から始まった
──憧れの磁石さんとの対談、おつかれさまでした。「インプットをしない」っていうお返事は意外でしたね。
石川:人種が、レベルが違うなと思いました。お笑いというものが根底にあるお二方に、付け焼き刃の僕が話せることはあまりないんだなということがわかりました。感じたのは意識の違いですね。僕らが、曲が流れたら「どういうベースなんだろう」「どういうドラムなんだろう」って聴いてしまうのと同じような感覚なんだなと。プロの芸人さんっていうのは、何かを失ってしまっているレベルだと思うんですよ。職業病というか。歴然とした差をすごく感じました。
──ちょっと落ち込まれてますが……お話できたのはプラスになりましたか?
石川:それはもちろんです!
──では、気を取り直して。BARKS初登場になりますので改めてバンドについてお訊きしたいと思います。2005年、13歳のときに結成されたとのことですが、初めてのバンドですか?
石川:はい、そうです。
──中学生でバンドを組むって早いですよね。
石川:僕の通っていた学校は、部活が週に2回とか3回とかで、あまり部活に重きを置く学校ではなかったんですね。重きを置くのは勉学で、そこで「じゃあ何を楽しみにするのか」と考えたときに僕らは音楽だったんです。勉強ばかりさせられたお坊ちゃま学校の奴らのパンク精神みたいなものですね。
──初ライブは?
石川:中3です。高校生のイベントに無理言って出させてもらったって感じで、学祭とかではなかったですね。
──どのような曲をやってたんですか?
石川:「ラブレター」という曲が僕らのなかでは一番古くて、その曲で<閃光ライオット>という大会に出たんですけど、この曲は熊谷くん(G&Vo)に「キャッチーな曲を作ってくれ」とお願いしたら出てきたんです。この曲からすべてが始まりました。それまでに作ってはいたんですけど、この曲が「3人で作れるカッコいいもの」の指針になったんじゃないかなと思います。
──カバーから始めたんじゃなかったんですね。
石川:カバーもちょこちょこやってたんですけど、熊谷くんがあまりカバーをやりたがらなかったのでオリジナル曲がメインでした。
石川:彼は一切ギターを弾いたことが無くて、僕が「ギターを弾いてくれ」とお願いした瞬間からギターを始めたんです。作曲もやったことが無い状態でした。僕の名采配がズバッと決まりました(笑)。
──石川さんがヘッドセットマイクを付けてMCをするというスタイルは、いつ頃から?
石川:3年ぐらい前ですね。
──それまではみなさんでMCを?
石川:それまではまったくMCが無かったんです。なんにも喋らず淡々と曲をやっているバンドやったんですけど、とある転機になったのが、宮崎の<JamNight>というイベントへの出演でした。ステージがめちゃくちゃ大きいんですね。お客さんが8,000人〜1万人ほどいる大きな野外フェスで、そこでゴールデンボンバーさんのライブを拝見したんですが、僕たちは3人のバンドなのに、2人がマイクスタンドにしがみついてドラムが固定やと動きが無いっていう話になりまして。せめて僕だけでも動けるようにしないといけない、まずマイクスタンドを取っ払おう、から始まったのがヘッドセットマイクです。
──笑いを活かしたライブにしようというのは、ゴールデンボンバーさんのライブがキッカケだったんですね。
石川:ゴールデンボンバーさんもまさにそうですし、嵐さんもそうですし、やはり人となりが出るのがMCかなと思うんですね。ライブでしか観ることができないものはなんだろうって考えたときに、きっと演奏だけではなくライブに来る方にとってはMCがすごく大事なものかなって。僕がライブハウスによく行っていた頃のことを思い出すと、そうだったなと自分で気づきまして。じゃあ、喋ってるやつはおもろい方がいいやろってことでお笑い芸人さんの勉強を始めたのが3年前くらいです。
──勉強を始める前も、お笑いは好きだったんですか?
石川:大学の友達に、すごくおもしろい友達がいて、「なんでそんなおもしろいの?」って訊いたら「別にわからん」って。でもテレビがすごく好きで、漫才をいつも見てるって言ってたんです。その話を聞いた瞬間に、なるほど、やっぱりインプットの量が違うんだ、だからこいつはおもしろいんだっていうことに気づいて。そこから先はお笑いの映像は常に欠かさず見ています。
◆BURNOUT SYNDROMES・石川大裕 ソロインタビュー(2)へ
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