【レポート】Red Bull 3Style 2017 JAPAN FINAL REPORT
数々の人気DJを輩出し、海外からも注目を集めている<Red Bull 3Style>のジャパンファイナル。その歴史に新たな1ページが刻まれた。次世代筆頭の女性DJとして注目を集めてきたRINAが、名実ともにNo.1パーティ・クイーンに成り上がった記念すべき一夜をリポートする。
さる10月13日に札幌のKINGXMHUで行われた<RedBull 3Style>のジャパンファイナル。東京、愛知、大阪に続き初の北海道開催となったこの日は、地元のレジェンド、DJ TAMA a.k.a. SPC FINESTをはじめ、昨年の決勝を盛り上げた国内初の女性ファイナリストRINAや、DMCのタイトルフォルダーDJ SHOTAら6名の実力者が世界への切符を賭けて激突。会場のメインフロアには早くから大勢のファンが駆けつけていた。
序盤から高度なDJテクニックの攻防戦が繰り広げられる中、最初のヤマ場となったのは三番手DJ KAZUYAから四番手RINAへと続く流れだった。1年ぶりの決勝となったKAZUYAは序盤から鉄板曲をクイックでつなぎ自らのペースへ。iPhoneを使ったパフォーマンスやアルファベットをなぞってキャッチーなヒップホップ クラシックを連発するなど、完成されたセットと同時に引き出しの多さも見せつけた。
これに対し、RINAが放ったのはアンダーグラウンドで話題のラッパー、JP THE WAVYのダブからカーディ・B「BodakYellow」へと繋ぐトーンプレイ。このコアな選曲がお約束のパーティナンバーを揃えていた他の出場者に強烈なカウンターパンチを喰らわせ、フロアの空気を一気に彼女へと引き寄せることになった。
勢いに乗ったRINAはその後も最旬のフロアバンガーを次々と繰り出して一気に加速。その立ち振る舞いは、もはや“紅一点”というアドバンテージすら無用とばかりのカリスマ性で、フロアを大きく揺らしながら4人のジャッジを惹きつけた。
ここに立ちふさがったのが最終演者、六番手で登場したDJ TAMAa.k.a.SPC FINESTだった。まずは「Welcome To My Hood」でホームのオーディエンスを味方につけると、得意のスクラッチ攻勢で巧みなスタートを演出。その後もベテランの実力をいかんなく発揮し、勝負の行方を混沌とさせた。
世界王者3人を含むジャッジが検討を重ねた結果、今年度の優勝は抜群の選曲センスでフロアを魅了したRINAに決定。国内大会では史上初となる女性DJの日本代表が誕生した。
この快挙に対し本人は「みなさん実力者ばかりなので、最後まで勝利の確信は持てませんでした。ただ、私が勝負できるのは選曲だと思っていたし、最新の曲を思い切って発信できるのは自分しかいないと信じて今回のセットを作りました」とコメント。
次なるステージは世界の強豪たちが集うワールドファイナルの開催地、ポーランド・クラクフ。
「世界の舞台を楽しみたいという気持ちもありますが、日本の代表はみんなイケてるねって思われるように全力で頑張ってきます」というRINAに対し、「今日一番カッコ良くフロアを盛り上げていたのが彼女でした。他国も絶対に注目していると思うので、世界戦では今日を超えるサプライズを期待しています!」と日本人唯一の世界王者SHINTAROもエールを送る。
『RedBull 3Style』史上、世界を制覇した女性DJはいまだ皆無。SHINTAROに続く二人目のワールドチャンピオンとしてはもちろん、史上初の『RedBull 3Style』クイーンとして、世界のDJシーンに彼女が君臨することを大いに期待したい!
文:上木 基嘉
撮影:Jason Halayko/Red Bull Content Pool
◆Red Bull 3style オフィシャルサイト
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