【インタビュー】DAIGO [BREAKERZ] 編「絆がクロスしてより広がっていく」

■どこに刺激を受けるかってすごく大事
■新しいクリエイティブの形というか

──歌モノであり、セリフも入っている「Triangle」は？

DAIGO：この曲はTrignalという声優さん3人のユニットとの対バンの時に披露させてもらった曲ですね。歌もうたっているけれど、みなさん本業は声優さんなので、“どうコラボしよう？”と考えた末に“間奏にセリフ作って声を入れてもらおう”ってひらめいたんですよ。三角関係について歌った曲なんですけど、木村くんも江口くんもすごくカッコいい声を入れてくれて、代永くんには「女のコみたいに言ってほしい」ってお願いしたらやってくれたんです。世界観が広がってより伝わりやすい曲になりましたね。

──ライブとは違うレコーディングならではのマジックが生まれていますね。MY FIRST STORYと共演した時の「NEVER ENDING STORY」は？

DAIGO：これはSHINPEIが作った曲で、ビートの効いたサウンドにBREAKERZらしいキャッチーなメロディが乗っていますね。このアルバムの中でも壮大な歌詞になったんですけど、レコーディングではマイファスのリズム隊のNobくんとKid’zくんが勢いのある演奏をしてくれて、BREAKERZのサウンドがさらに広がった。それにソリッドで熱いプレイなので、自ずとその後にレコーディングしたギターも刺激されて、自分も熱い気持ちで歌えましたね。

▲DAIGO (Vo)／＜BREAKERZ 10周年 10番勝負 -VS-＞

──「She Is Devil」はシドと共演した時に披露された曲で、タイトルの頭文字が“SID”になってる。

DAIGO：はい。今回コラボはできなかったんですけど、これもライブで映える曲になると思います。ちょっとダークな感じもあるし、いい意味でヴィジュアル系っぽさがある曲なので、ライブで育っていくんじゃないかという期待がありますね。

──AKIHIDEさんらしい楽曲でもありますね。そして倉木麻衣さんとの対バンで披露した美しい曲「ひらり舞い散る花のように」は倉木さん自身がコーラスで参加しています。

DAIGO：曲を作った時は“麻衣”という言葉をどういうふうにタイトルに入れようか考えたんですけど、結果、日本語の美しさが際立つタイトルになって。歌詞とメロディもきれいにハマって出来ていったんですよね。レコーディングするに当たって倉木さんにコーラスをお願いしたら、ご自身でいろいろなパートを考えてくれて、もともと入っていなかったイントロの部分にも声を入れてくださって本当に嬉しかったです。僕たちの曲を一生懸命考えてくださって、より楽曲が輝いたし、高級感が増したなって。声のパワー、偉大さを改めて感じましたね。GLAYのJIROさんもレコーディングの前に「こういうフレーズ、どうかな？」って音源を送ってくださったんですけど、倉木さんも音楽に対する向き合い方が真摯で、大御所の方々の姿勢も含めてすごく勉強になりました。

──そして、＜10番勝負＞を語る上で欠かせないVAMPSとのライブで披露した「GOD」は、アルバムの最後に持ってきたかった曲ですか？

DAIGO：そうですね。GLAYさんで始まって神で終わる感じにしたくて、そこはこだわりましたね。「GOD」はVAMPSのサポートをされているリズム隊のJu-kenさんとARIMATSUさんに参加していただいたんですけど、リズム隊が変わると曲の仕上がりもガラリと変わりますね。ギターの音も変わるだろうし。

──エッジのある仕上がりになりましたよね。

DAIGO：エッジのあるヘヴィなサウンドになりましたね。歌詞に関しては、ただただHYDEさんを崇めるだけの曲（笑）。振り切ってますよね。1曲はそういう曲を書きたかったので10年の節目に入れられて良かったです。

▲『X』通常盤

──スペシャルコラボレーション盤は対バン企画＜BREAKERZ 10周年 10番勝負 -VS-＞があったからこそ成立した曲たちで、各アーティストへの敬意が歌詞やアレンジに込められていると思いますが、同時にBREAKERZのオリジナル曲でもあるという気持ちも強い？

DAIGO：そうですね。いろんな方たちから俺たちが勝手に刺激を受けて生み出された曲たちで、BREAKERZとしてのオリジナルなんだけど、みなさんとのステージがなかったら実現していなかったし、どこに刺激を受けるかってすごく大事だなと思いました。新しいクリエイティブの形というか。

──先ほどe-ZUKAさんとのトリプルギターの話も出ましたが、新たなチャレンジも随所にあって。今後のBREAKERZサウンドにも活かされていくであろうコラボ盤でもあるという？

DAIGO：はい。もともとBREAKERZは限界を壊して新しいものを作っていくという意味を込めて付けたバンド名ですけど、このスペシャルコラボレーション盤自体、メーカーの枠を超えて、いろいろな限界をぶっ壊して出来たものだから。今後の活動の仕方も含めてまた世界が広がりましたね。あとは関わってくれた方たちへの感謝しかないです。

──パロディではない、純粋な歌詞とサウンドだから各アーティストさんの共感も得られたんだと思います。

DAIGO：真剣にコラボしましたからね。もっとBREAKERZがいいバンドになるためのひとつのキッカケになるアルバムになりました。スペシャルコラボレーション盤の曲たちは僕たちにとっても原点に立ち返った作り方だったんですよ。最近は新曲を作ってからライブで披露するパターンが多かったけれど、昔はライブで曲を聴いてもらってから、レコーディングするというプロセスを踏んでいたので。改めて目の前にいるお客さんにどう届くかがいちばん大事だなと思ったんですよね。

──最後に11月からスタートする全国ライブハウスツアー＜BREAKERZ LIVE TOUR 2017＞は、リクエストベスト盤を軸にスペシャルコラボレーション盤からも曲を披露する内容になるんでしょうか？

DAIGO：どちらかが軸というわけではなく、そこもクロスさせながらやることになると思います。＜10番勝負＞を見に来てくれた人たちの中には俺たちのファンじゃない人もいただろうけど、“あの曲、良かったね”とか“共感できるよね”とか心に残ったなら、それはとても大事なことだなって。そういう曲たちが集まったのがスペシャルコラボレーション盤で、「もう1回聴いてみたいな」と思っている人はぜひ手にとってほしい。リクエストベスト盤に収録されている曲もファンのみなさんがまたライブで聴きたい曲なんじゃないかなと僕は受け取っているので、ツアーに来てくれたら、みなさんとの絆がクロスしてより広がっていくんじゃないかと思っています。

取材・文◎山本弘子







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