【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.46「面白くなってきた最近のフィンランドのロック界」
フィンランドの大物バンドHIMの解散発表で、フィンランドの音楽シーンに一つの幕が下りる感はありますが、その一方で期待の新しいバンドも登場してきています。十数年ほど前に勢いのあった歌詞が英語のフィンランドのロックバンドの活動が最近おとなしく、ちょっと低迷していた感もあるフィンランドのロック界ですが、最近ちょっと面白くなってきました。もう知ってるよってバンドもいると思いますが、ロックファンの方にぜひチェックしてみてほしい最近気になるお勧めのフィンランドの新しめのロックバンドをいくつか紹介!
Reckless Love
今年6月に2度目の来日を果たしたばかりでご存知の方も多いと思いますが、80年代を彷彿させるルックスとサウンドの4人組ロックバンド。彼らは自分たちのサウンドをメリーメタルと呼んでいますが、とにかく曲がキャッチャーでライブがめちゃめちゃ楽しい。Vo.オッリはサービス精神旺盛で腰をふりふり、シャツを脱いでシックスパックの腹筋披露は毎回お決まりで、観客の目も楽しませてくれ、見終わった後なんだかハッピーな気分になれます。これまでに4枚のスタジオアルバムを発売!2010年のLoud Parkで初来日。オッリはChildren Of Bodomのアレキシ、The 69 Eyesのユッシ69、Santa Cruzのアーチィと一緒にThe Local bandというサイドプロジェクトも組んでいて、2015年のLoud Parkにも出演しています。これまでに見逃した方、次の機会があればお見逃しなく。
Santa Cruz
昨年のLoud & Metal Maniaで初来日!今年10月6日スカンジナヴィアと日本先行でサードアルバム『Bad Blood Rising』を発売する2007年に結成されたギター炸裂4人組ハードロックバンド!アーチィとジョニーのギターの絡みが聴いてても観ていてもとにかくかっこいい!彼らはアメリカのAXS TVでオンエアーされたロックのリアリティ番組Breaking Bandに出演。元Skid RowのVo.セバスチャン・バックが彼らのメンターで彼らのことを気に入り、2016年春セバスチャン・バックのUSツアーのサポートアクトを務めています。今年の夏にはローリングストーン誌がピックアップした知っておくべき新バンド10に選ばれました。チェックしておいて間違いなし!これからますますの活躍が期待されます。
Shiraz Lane
2011年ヴァンターで結成された5人組ハードロックバンド。2014年フィンランドのハードロックカフェが行ったバンドコンテストで優勝。2015年にはLoud & Metal Attackにて来日。同年フィンランドの国営ラジオYleXのニューカマーバンドに選ばれ、Wacken Metal Battleのフィンランド代表に選ばれています。昨年秋にはフィンランドのモンスターバンドLordi、この秋にはBrother Firetribeのサポートアクトでヨーロッパツアー。Vo.ハンネスはのびやかなハイ・トーン・ヴォイスの持ち主で、年齢的にも若いだけあってライブはハイエナジーにあふれているものの同時にどことなくなつかしさも感じさせてくれます。2016年に発売されたデビューアルバム『For Crying Out Loud』に続くセカンドアルバムをただいま製作中。
Temple Balls
今年のLoud & Metal Maniaで11月初来日が決まったTemple Ballsはフィンランド北部オウルで結成された5人組ハードロックバンド。デビューアルバム発売前にすでにDeep PurpleやQueen + Adam Lambertのフィンランド公演のオープニングアクトを務め、今年夏には地元オウルで開催されたエアーギター世界大会にライブアクトで出演!来日前この秋にはフィンランドのメタルバンドBattle Beastのサポートアクトでフィンランドをツアー!11月にはウクライナツアーも予定されています。彼らも若いエネルギーにあふれてますが、サウンドは正統派、ストレートなハードロックでやっぱりどことなく80年代を感じさせてくれます。今年発売になったデビューアルバム『Traded Dreams』をひっさげての来日になります。ロック好きの皆さん、この機会をお見逃しなく。
One Desire
2008年のフィンランドフェストで来日した当時高校生だったメタルバンドSturm und Drangを覚えていますか?そのVo.アンドレ・リンマンをヴォーカルに迎えたメロディックなハードロックバンド。まだライブを観る機会がありませんが、曲を聴いた感じすごく好みであります。アンドレはシンガーたちがいろんなジャンルの歌に挑戦し、視聴者投票で勝ち進んでいく「Tähdet,Tähdet」の新シーズンに出演が発表になりました。勝ち進めばお茶の間でも知られる存在になりそうです。幸運を祈っておきましょう!
Hunters
今年の夏Santa
Cruzのバンド名から誕生したCruzfestで初めて観たバンドですが、ステージに登場したとたん目を引き付けられ、古き良き時代なロッケンローなステージとサウンドがとてもかっこよくもあり、心地よく観てて楽しかった。それ以前に見る機会はなかったのですが、バンド名はヘルシンキのライブ会場で見かけることがあったので地元のロックファンには知られる存在なのかもしれません。すでにデビューアルバム『Dead End』が発売になっています。ロッケンロールが好きな方にはすごくお勧め。ヘルシンキのライブ会場でバンド名をみかけたらぜひ行ってみてください。
Blue Eyed Sons
ヌルミヤルビ出身の4人組ロックバンド。ジャンルはハードロック/ヘビーメタル/ブルースロック/フォークロック/プログレッシブロック/サイケデリックロックというだけあって、いろんな要素がミックスされた感じ。中でも70年代を彷彿させるクラシックロックっぽさを強く感じます。ザ・ドアーズ、レッド・ツェッペリン、ピンク・フロイド、ブラックサバスが好きということもあり、それらのバンドから強い影響を受けているように思います。特に70年代のクラシックロックが好きな方にお勧め。これまでに2枚のEP盤『Animals』と『Crawl to the Shade』を発売しています。
Smokin' Aces
ヘルシンキの小さなライブハウスで時々名前を見かけるバンドで、気になりYouTube見てみたら、これがなかなか良いではありませんか。FBでのバンドのページによるとメンバー3人なはずなのですが、なぜか写真には4人写ってます。自分たちのサウンドは70年代の影響を受けたソウルフルな現代のモダンロックだそうです。これまでにEP『Stonebaked』が発売されている以外、詳細がよくわからないバンドですが、機会があったらライブ観てみたいと思ったバンドなのでこの機会に紹介しておきます。
フィンランドというと哀愁感漂うメランコリーなサウンドが思い浮かぶ人も多いかもしれませんが、ここにあげたバンドはどちらかというと北欧の持つイメージを覆すようなアメリカっぽいサウンド。とはいえ、どのバンドもそれぞれ違ったサウンドの持ち主ってとこが面白い。知らないだけでまだまだいいバンドは潜んでいそうな気がします。新しいロック系バンドを発掘したいって方、ここに紹介したバンドまずはチェックしてみてください。
文:Hiro
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