[特別対談]BLACK JAXX、MUSISIONで<SANCTUARY>を爆音視聴・前編
■DJをもっと
■憧れる存在に(DJ Dragon、)
D でもほんとに無事に終われてよかった。子供もいるから、何か起きないとは言い切れないし。始める前は否定的な意見が多かったんですよ、子供がそういうところにいると雰囲気が壊されるんじゃないか?とか、大人の遊び場に子供がいると大人は楽しめないとか、かっこ悪くなるとか……。でも終わってみるとそういう感想はまったくなかった。なんなんでしょうね?
── そういう雰囲気は全然感じませんでした。
D むしろいいよねーみたいな人が多くて。
T 自由にリズムを取ってる子供って周りを平和にするんじゃない(笑)? この間、知人のバースデイパーティでそうやって踊る子供がいてさ、自由なんだよ。まだダンスを習ってない、小学校にあがる前の子供が踊ってるの見ていると、問題なんか起きないよね。
D 起きないよねー。それはすごく感じたね。
T 日本人は農耕民族で踊る人種じゃないってよく言うじゃない? でも子供を見てると、それって多分日本の社会性が踊る気持ちを人から奪ってるんであって、本当はほかの民族と同じように平等に与えられてるんじゃないかって思うよね。
D 子供を見ていると特に思うよね、自由で。俺も真治が言ってたことをまさに思ってて、<SANCTUARY>では子供たちが自由に踊ってたから、大人が逆に影響を受けたんじゃないか?って思うんだ。
T 大人も楽しくなっちゃった。
── 大人も踊るのが恥ずかしくなくなって楽しめた感じでしたね。
D そう、恥ずかしくなくなった感じ。かなり面白かったですね。一番面白かったのがシャボン玉のパフォーマーさん。子供たちのエリアでシャボン玉のパフォーマンスをしてもらっていたんですよ。最初に来たときはなんだか分からないフェスだし、そのかたも40分2回で終わりですよ、とまあ、業務的な雰囲気だったんです。でもせっかくだから大人のエリアでもってことで、僕らのライブに来てもらったんです。合間合間にシャボン玉を飛ばすと、大人もワーッと喜ぶ。そしたらシャボン玉のかた、帰ってもいいのに最後までいてくれて(笑)。40分がだいぶ長くやってくれちゃって(笑)。一度道具を片付けたらしいんだけど、やってるうちに楽しくなっちゃったみたいで、結局最後は「僕がやりたかったのはこれです!」って言い残して帰った(笑)。俺その感じが、もう嬉しくて!
── シャボン玉が始まると人が集まってました。
D 楽しくなっちゃったんだろうね。満面の笑顔だったし(笑)。
T いい話だね〜。そしてシャボン玉の威力を再確認したよ(笑)。
D そういう現象があちこちで起きてた。DJ KAORIちゃんともちょっと話したら「正直びっくりした」と。やっぱり最初に日本人のDJだけって聞いたときに、難しいでしょって思ったらしいんです。しかもお台場で……。
T <ULTRA MUSIC FESTIVAL>の本拠地だしね。
D そういう場所で、日本人だけでフェスを、ということが無謀だって思ってたようで……だけど、来てみたらすごく盛り上がってる。こんなこと起きるんだって、逆に楽しくてしょうがなかったみたい。
T よくよく考えれば、お台場のこと、<ULTRA MUSIC FESTIVAL>の本拠地っていうけど、そもそも俺たちのお台場だって話だよね(笑)。
── まさに!
T もちろん<ULTRA MUSIC FESTIVAL>も素晴らしいイベントで、今年も行くつもりだけど(笑)。[※結果武田氏は今年出演を果たしメインステージに立った]
D <ULTRA MUSIC FESTIVAL>はダンスミュージックのターニングポイントにはなったと思うし、僕らも僕らがやってきた僕らの音楽を僕らの街でやりたいなって思いはずっとあった。対抗意識はないけど、若いDJと話していると、「海外のフェスに出るのが目標なんです」って人も多いんです。そりゃそうだよねって思うけど、それってちょっと唐突で、その間がないじゃない?って思う。海外出資に頼らないこういうフェスが確立していって、これに出たいってなってくれたらって嬉しいですね。
── <ULTRA>を開催している場所で、世界基準のDJと小学生DJが同じステージに立っているってなかなかないですよね。
D 小学生DJとかはどうしても出て欲しかったし、探してました。子供って夢と希望しかない。そういう子たちにかっこいいとか面白いというのを感じてほしいし、見てほしい。でもそういうステージに立つ子にはちゃんとしていてほしいからかなり探したんです。石川県の小松に女の子でちゃんとできる子がいるって聞いて見に行って……。もう一人も小学6年生で先生に付いて頑張ってる子だった。彼ら彼女らのステージを見て、私もやりたいなって子も増えると思うし。DJに限らず、子供が一生懸命やってる姿っていいですよね。今は法律が改正されたけど、DJって以前はなかなかグレーな存在だった。そういうのを考えると今はもっと憧れるようなものにしていかなくてはいけないなって思っています。
(後編に続く)
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