【インタビュー】w-inds.、ダンス&ボーカルユニットのその先へ…在り方を開拓する新作「Time Has Gone」

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『w-inds.ってなんなの、一体?』
もはや「歌って踊れるダンスボーカルユニット」というだけのレベルでは語れない、別次元まで振り切った存在として、ここにきて一気に彼らへの認識が激変してきていることをご存知だろうか。知らない人は、ぜひ最新作「Time Has Gone」のMVを観て欲しい。きっと衝撃を受けるはずだ。世界標準、USのメインストリームのトレンドである最新鋭のダンスミュージックを前面に押し出した本作は、作詞・作曲・トラックメイク、さらにはそのミックスダウンまですべてのプロダクションが、驚きの完全セルフプロデュースとなっている。

千葉涼平、橘慶太、緒方龍一という3人で2001年に「Forever Memories」でデビューして以降、日本はおろか東南アジア全域でスターダムを駆け上がり、海外でも数々の記録を樹立、アワードも受賞してきた彼ら。デビュー15周年を経てメンバーも30代に突入したいま、w-inds.になにが起きているのか。3人に訊いた。

◆w-inds. 画像

■自分たちで曲を作るようになって以降、「こういうことやりましょう」というお話が舞い込んでくるようになった(慶太)

──最新アルバム『INVISIBLE』を引っさげ、日本武道館まで駆け抜けたツアー<w-inds. LIVE TOUR 2017 “INVISIBLE”>も終わりましたが。過去の曲は『INVISIBLE』に合わせてトラックを作り直して披露してたんですか?

緒方龍一(以下、龍一):いや。今回は過去曲はほとんどやってないです。

橘 慶太(以下、慶太):『INVISIBLE』の曲ばかりで。

──超攻め攻めのツアーだったんですね。

慶太:攻撃的です。

龍一:その前が15周年イヤーで振り返りが多かったので、今回はそういう意味ではすごくフレッシュでしたよ。

▲「Time Has Gone」初回盤A

──ニューシングル「Time Has Gone」はツアーで初公開する前に、YouTubeでMVを先行公開しましたね。こういうプロモーションの仕方は、w-inds.としては。

龍一:初めてでしたね。

慶太:ファンの人達の側に情報がなにもない状態で、映像だけ先にポーンと出してみたらサプライズで面白いかなと思って。

──その次はC/W収録曲の「This Love」が発売前にマクドナルドのFREE Wi-Fiでしか聴けない楽曲として、音楽ストリーミングサービス“AWA”で先行独占配信が始まって。

龍一:こういう新しい手法で楽曲が届けられるよというお話を偶然いただいて。

慶太:マクドナルドとAWAのお話も、その後発表したSpotifyのお話(シングル発売日に同時リリースする配信限定リミックス楽曲で、全世界向け楽曲シェアキャンペーンを開催。Spotifyが全面協力)も、自分たちで曲を作るようになって以降、「こういうことやりましょう」というお話が舞い込んでくるようになったんで。面白いですよね。

──最新作「Time Has Gone」は今年発売した「We Don‘t Need To Talk Anymore」に続き、慶太さんプロデュースで、ミックスまで自身で手掛けられたそうですが。曲中“Time Has Gone”のピッチがどんどんずれてって、声がザラつくところは、主人公が崩れ落ちていく姿が目に浮かぶようで。個人的にはあそこが一番ジワりましたね。

慶太:嬉しい! まさにそのイメージです。今までのEDMと違って、本作は“フューチャーベース”というジャンルなんで、すごく哀愁あるダンスミュージックが作れるんですよ。EDMではこういう歌詞の世界観、別れの曲は書けなかったんで。こういう切ないものが作れるところが、今のダンスミュージックのいいところですね。

龍一:僕はこれを聴いたとき、音とストーリーが一緒に流れ出していくような空気感にしびれましたね。

千葉涼平(以下、千葉):僕も聴いたとき現実味のない空間に一人放り出された感じがして。歌詞だけじゃなくてサウンド、ボーカル、全部からそれを感じる楽曲になってるなと。僕にとってはずっと聴いていられる楽曲で。一人で聴きたい楽曲かな。没頭系。自分重ねちゃう系。ずっとループして聴くこともできるし、これで踊ってもらうこともできる曲ですね。

──C/Wの「This Love」はどんなテーマで作った曲ですか?

慶太:「We don’t〜」と「Time Has〜」は同じような路線で作った曲だったんで、ちょっと違う方向。ハッピーな方向でファンクっぽい部分と現代のシンセを織り交ぜた楽曲を作ろうと思って。「Time has〜」のトラックは細かいところまで練りに練って使ってるんですけど、こっちはそんなことは一切考えずに楽しく曲を作ろうという感じで作ってるから。作り方が全然違うんですよね。

──初回盤B収録の「A Trip In My Hard Days」は?

慶太:これは僕がトラックを作って歌詞は龍一君が書いてます。アルバムに2人のソロがあったんで。ツアーでやるとき、1曲だけだとあっという間だなと思って2人が歌う曲を作ったんですよ。ツアーでやるだけの予定だったんですが、CDにも入ることになりました。

龍一:トラックがちょっとレトロでありながらも爽やかな、1日の始まりのようなフレッシュさも感じるヒップホップトラックだったので。歌詞は2人の等身大の気持ちを書きました。

涼平:最初にライブで披露してからレコーディングというのが新鮮でしたね。最後の掛け合いとかは、ライブがあったからああいうものになったのかなと思います。

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