【ライブレポート】<SuGフェス>最終日はGREMLINS、SHIN、SuG。かつてない熱狂の3マン
先日、バンド史上最大の挑戦となる9月2日の東京・日本武道館で開催する<HEAVY POSITIVE ROCK>公演をもって“無期限の活動休止”に入ることを突然発表し、ファンのみならず世間を驚かせたSuG。彼らはその翌日から当初の予定通り主催フェス<39 LIVE ADDICT chapter3 SuGフェス 2017>を敢行した。
◆<39 LIVE ADDICT chapter3 SuGフェス 2017>GREMLINS、SHIN、SuG 写真
8月1日、東京・渋谷TSUTAYA O-EASTにミオヤマザキ、SILENT SIREN、Gacharic SpinというSuGならではのジャンルの壁を超えたアーティストを集めて開幕した今年のSuGフェスは、その後初となる大阪と名古屋公演を開催。8月8日にGREMLINS、SHINを招いて行なった東京・渋谷CLUB QUATTROの最終公演まで、終演後はSuG自らがロビーに立ってチケットを手売りするなど、活休発表後も最新シングル「AGAKU」の表題曲通り、彼らは武道館成功に向けて最後までなりふり構わず足掻き続けた。ここではそんな<SuGフェス 2017>から最終日の模様をレポートする。
最終日のトップバッターとしてステージに登場したのはGREMLINS。GREMLINSとは、現在活動休止中のNIGHTMAREの柩(G)がHits(G&Vo)名義でKNZ(Dr)とともに立ち上げたソロプロジェクト。そのサポートをThe THIRTEENの美月(G)とともにSuGのChiyu(Ba)がつとめていることもあって、今回SuGフェスに初参戦。派手な衣装をまとい、額にはGREMLINSには欠かせないトレードマークの“ツノ”をつけたビジュアルで登場したHitsは、1曲目からまさかの酒飲みソング「D.O.D.」をぶちまける。Hitsが「我々はステージで酒を飲むんです」とGREMLINSの大人な(?)ライブの嗜みを説明。そうして「酒もってこい!」のコールでコップに注がれたイエーガーマイスターが運ばれてきて、メンバー4人で景気づけにいっき飲みを披露。
クアトロ内にいい感じにお酒の香りが漂ってきたところで、アルコールでエンジンがかかったChiyuがさっそく「盛り上がっていけんのかー」とフロアを煽って「INSANE」へ。GREMLINSの音楽は意外にもダンサブル。Hitsが歌うメロディーも耳馴染みがいい。MCではChiyuが「Hitsのいい話しようか?」といって、「武道館頑張んな」といってクロムハーツのサングラスをプレゼントされたことを明かし、ファンを驚かせた。それについてHitsは「SuGのメンバーを含め、Chiyuには本当にお世話になってます」と感謝の気持ちを伝えると場内にハートウォーミングな空気が広がっていった。そうしてお互いがやっと慣れてきたなと思った頃「酒持ってこい!」コールが再び始まり、「初めて見る人、ホントひかないでね」とHitsがいって、再びステージ上では酒飲みがスタート。最後にはChiyuがメンバーに助けを求め、SuGのyuji(G)(※Hitsに「一番コワイのはyuji。サイコパス感じるもん」といわれていた)が舞台に飛び出し、飲みに乱入! これには観客も大興奮。こうしてGREMLINSはラストの「Bacchus」まで、大人のパーティーでフロアを盛り上げた。
その盛り上がりを引き継いで、2番手はSHINがバンドを従えて登場。ViViD解散後、やっとソロとして本格的に動きだしたばかりなので、彼のライブはまだまだプレミアム。多くのファンが期待を寄せるなか、袖を切り落としたブラックTシャツ。腰にはシャツを巻きつけ、ボトムは黒いダメージデニムとバンド時代とは変わり、ワイルド&ラフなファッションできめたSHINが登場すると大きなどよめきが起こった。「SuGフェス! 上げていこうぜー」とフロアに向かって叫び、勢いよく「4444」でライブはスタート。英詞をのせた「paradox」、「why not?」など 曲はハードなロックナンバーがメインになっている。SHINは前傾姿勢でハンドマイクを構え、バンド時代には見せたことがないような歌い方で、激しいサウンドに負けない迫力あるボーカルを披露していく。
「まだまだいくぞ東京!」と舞台後方を指差し「jack the ripper」は、SHINがギターをかき鳴らしながらパフォーマンス。歌いながらギターを弾く姿も違和感なく馴染んでいて、早くも彼の新しい魅力となっていた。「みなさんこんばんは、SHINです」と丁寧に挨拶した後は、SuGについて触れ「ライバルでありながら、仲間だと思っていた」と語ったSHIN。ライバルだからこそ、「一緒の時代にいられて本当によかったです」と素直な気持ちを伝えた。見た目のイメージで「冷たいんじゃないかとかカッコつけてると思われがちだけど、どちらかというとチャーミングな人間なんです」といって笑顔を見せ、オーディエンスをほっこりさせた後は「ラストは、僕がやっとちょっとだけ前を向けたときに書いた曲をSuGのために歌います」といって「WEAKEND」をプレゼント。曲のエンディング、“もう一度歩きだすよ”というフレーズをエモーショナルに歌い上げ「この後、最高のバンドが出るからもっといい笑顔で迎えてあげて」という言葉を添えてステージを後にした。
イベントのトリを飾ったのはSuG。SE「MARK」のハンドクラップだけで、すでにファンの一体感がとんでもない熱量を放出。そんななか、この日は「MISSING」でライブの口火を切った。yujiとmasato(G)、ステージ両サイドがアグレッシブにオーディエンスに挑みかけ、その真ん中で武瑠は目を見開いて“狂おしいほど愛してる stay with me forever”と歌う。このパンチラインが、いまは痛いほど胸をつき刺していく。ハートが上げる悲鳴に重なるように、曲の後半、shinpei(Dr)のバスドラが高速でドコドコ鳴り響く。オーディエンスはそんな感傷的な気持ちを振り払って、いま目の前にいるSuGを見逃さずに楽しもうと頭をふり、ジャンプを繰り返し、必死でハンドクラップや熱いoiコールを送り続ける。この日のSuGとファンは、余計なものは全て遮断してお互いしか目に入ってないような形相で、クアトロはいつしか異様な熱狂に包まれていた。
「こんばんは、SuGです。SuGフェスファイナル、楽しんでますか?」と武瑠が挨拶。今回のSuGフェスは「SuGと縁の深いバンドに出てもらいました」と話し、続けてこの日の出演者に向けて感謝の気持ちを伝えた。そうして「武道館前、最後のライブです。SuGらしくラスト1分1秒まで足掻き続けます」といって始まったのは「AGAKU」。「この10年間で一番いい曲ができました」という武瑠の曲紹介からイントロが始まる。「sweeToxic」で確立したソウルでヒップホップなオシャレSuGロックをさらにブラッシュアップしたこの曲は、最新曲でありながら場内にものすごい一体感を作り出す。現実感を失うほど凄まじいはじけっぷりを作った「SICK’S」など、ライブ後半はSuG史上最高と思えるほどのボルテージの高さで狂騒が加熱。masatoのディレイギターがその熱を一旦沈めた後“ウォーオー”のシンガロングで再びバンドと場内が一つに繋がった「Smells Like Virgin Spirit」でライブはフィニッシュ。“どうか このまま 時を止めて”と泣きそうな声で叫んだ武瑠の声が脳裏に焼き付いて離れない。その後、アンコールに呼ばれた彼らは「SuGらしくカラフルに踊れ!」と武瑠がいって「LOVE SCREAM PARTY」をパフォーマンス。SuGフェスのラストを華やかに締めくくった。
床に座り込んだままなかなか立ち上がれなかった武瑠が、マイクを手にようやく立ち上がる。真剣な面持ちで「あと1本になりました」と話し出すと、場内が一瞬にして神妙な空気に包まれる。「9月2日は、ソロも浮気者の発表もありません。その会場に、みんなも自分の10年を締めくくりに来てください。自分はSuGに人生救われました」。そう呟いた後、マイクを置いて生声で「ありがとうございました」と叫び、胸の前で手を合わせて何度も深々と頭を下げステージを後にした。その後、ファンは「アンコール」を叫び続けたが、SuGが舞台に戻ってくることはなかった。
今後発表されているSuGの活動は、9月2日、日本武道館のライブを残すのみ。その姿をその目で見届けてほしい。
取材・文◎東條祥恵
セットリスト<39 LIVE ADDICT chapter3 SuGフェス 2017>
2017年8月8日 東京 渋谷CLUB QUATTRO公演
1.D.O.D.
2.INSANE
3.FLYAWAY
4.Fellow Traveler
5.the brilliant world
6.D.O.D.
7.Bacchus
■SHIN
1.4444
2.paradox
3.why not?
4.jack the ripper
5.dirty hurry
6.restart
7.just going true side
8.WEAKEND
■SuG
S.E/MARK
1.MISSING
2.overflow
3.butterfly BoY
4.AGAKU
5.teenAge dream
6.☆ギミギミ☆
7.SICK’ S
8.HELLYEAH
9.Smells Like Virgin Spirit
EN.LOVE SCREAM PARTY
■SuG 日本武道館公演<HEAVY POSITIVE ROCK>
[チケット]
・イープラス
WEB:http://eplus.jp/sug/
・ローソンチケット
WEB:http://l-tike.com/sug92
TEL:0570-084-003 (Lコード:74444) ※要Lコード
・チケットぴあ
WEB:http://w.pia.jp/t/sug-t/
TEL:0570-02-9999 (Pコード:328-136)※要Pコード
・楽天チケット
WEB:http://r-t.jp/sug
・CNプレイガイド
WEB:http://www.cnplayguide.com/sug0902/
・ボードウォーク
WEB:https://ticket.tickebo.jp/1704-sug07/
[受付席種]
指定席:¥5,940(税込)※アリーナ11列目以降~スタンド1階席
39シート:¥3,900(税込)※スタンド2階席
[注意事項]
※3歳以上有料
その他の注意事項は、お申込み受付画面にてご確認ください。
[お問い合わせ]
ディスクガレージ 050-5533-0888(平日12:00~19:00)
■<GREMLINS WINTER TOUR 2017>
2017年12月1日(金)大阪・心斎橋SUNHALL
2017年12月3日(日)静岡・Sunash
2017年12月9日(土)仙台・CLUB JUNK BOX
2017年12月14日(木)東京・渋谷WWW X
詳細はオフィシャルサイトにて
■<SHIN LIVE TOUR 2017 "Good Morning Dreamer”>
2017年9月9日(土) 松本Sound Hall a.C
2017年9月15日(金) 仙台darwin
2017年10月6日(金) 梅田TRAD
2017年10月7日(土) 名古屋ReNY limited
●SHIN サポートメンバー
Gt.YOUSAY、Ba. Miro、Dr. RYUGA
詳細はオフィシャルサイトにて
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