ケシャ完全復活、夜空に七色の虹をかけた4年ぶりの来日公演
ケシャが8月21日(月)、愛知・名古屋 DIAMOND HALLにて単独公演を開催した。
◆8月20日(日)<サマーソニック>東京公演 画像
2014年に長年のパートナーであったプロデューサーから10年間にわたって肉体的、精神的苦痛を受けていたことを明かし、一時は音楽活動の休止を余儀なくされていた彼女だが、このほど復帰作となった最新アルバム『レインボー』を携えて4年ぶりに来日。8月19日(土)・20日(日)の<サマーソニック2017>、そして『レインボー』の全米1位獲得というニュースが世界を駆け巡る中で開催された21日(月)の名古屋公演と、三夜連続でパワフルなステージを披露し、歌姫の帰還を待ちわびたファンたちに完全復活を印象づけた。
以下、日本ツアー最終日となった名古屋公演のオフィシャルレポートをお届けする。
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4年半振りのニューアルバム『レインボー』が、全米アルバム・チャートで初登場1位を獲得した夜、彼女の姿は名古屋のDIAMOND HALLにあった。サマーソニック翌日の単独公演は多くのファンで埋め尽くされ、すでに興奮に包まれていた。
大歓声の中登場したのは、七色のフリンジのついたジャケットに身を包んだケシャ。オープニングの「ウィー・アー・フー・ウィー・アー」の歌いだしでは、「今夜ここには、あなたを悩ませるものは何もない。嫌なことはすべて忘れて!」とシャウトすると一気に会場のヴォルテージは急上昇。その後「ユア・ラヴ・イズ・マイ・ドラッグ」、怪獣の被り物までもが登場する「ダイナソー」で加速する。会場がエモーショナルな雰囲気に包まれたのはライヴ中盤。「今から歌う曲は、50年以上も前のカバー曲よ。でも私にとってはとても大切なの。その曲を聴くことも、歌うことも」──そう言ってレスリー・ゴーアの1963年の名曲「ユー・ドント・オウン・ミー」を披露。4年間の沈黙のことを考えると、「私はあなたの物じゃない」と歌う彼女の姿に誰もが胸を打たれた。
この日のハイライトは、やはり日本での新曲の初披露。サマーソニックでは新曲が演奏されなかったため、ファンの期待は高まる中、「皆、私の新しいアルバム気に入ってくれた?」との問いに、割れんばかりの拍手と「レインボー!」という叫び声が。「アルバムからの曲をプレイするわね」と皆が待っていた言葉を口にすると、新譜の中から最も挑発的で彼女らしい「ウーマン」を日本初披露。リリース直後にも関わらず大合唱に包まれると、彼女は飛び切りの笑顔で「I Love You!!」と返してくれた。汗や口紅の付いたタオルを何枚もステージ上から投げ入れ、客席に降りては押し寄せるファンにサインまでしてくれるというサービスぶり。彼女の大ヒット曲「ティック・トック」で本編を締めると、鳴り止まない歓声の中「ティンバー」でアンコールがスタート。この日2曲目となるカバーは、彼女にとって長年の憧れでもあり『レインボー』に収録されている「オールド・フレイムズ(キャント・ホールド・ア・キャンドル・トゥ・ユー)」で共演をしたドリー・パートンの名曲「ジョリーン」。オリジナルよりもテンポを落とし、叙情的に歌い上げられる名曲に皆が酔いしれた。
一連のツアーを共にしたバンドthe Creepiesと一緒に演奏をするのも、この名古屋公演が最後。「だから今日は本当に特別な夜なの」そう話すと、今までの思いがこみ上げたのか、思わず言葉を詰まらせた。「この曲いつも歌詞を間違えちゃうから、皆助けてね」とラストは「ダイ・ヤング」の大合唱。名古屋の夜空に虹をかけてくれたケシャ。「See you soon」の言葉が今も残っている。
Text by Cocoro
Photos by Kazumichi Kokei
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■8月21日(月) 愛知・名古屋 DIAMOND HALL公演 セットリスト
02. ユア・ラヴ・イズ・マイ・ドラッグ
03. ダイナソー
04. ユー・ドント・オウン・ミー (1963年レスリー・ゴーア楽曲)
05. ブロウ
06. ブーツ&ボーイズ
07. ウーマン (最新作『レインボー』からの新曲)
08. テイク・イット・オフ
09. ティック・トック
En1. ティンバー
En2. ジョリーン (1973年ドリー・パートン楽曲)
En3. ダイ・ヤング