己龍、千秋楽公演盛況。二つの顔を持つニューSG＆10周年ベスト盤決定

己龍の通算4度目となる47都道府県単独巡業＜傀露蒿儡＞が、8月13日(土)豊洲PITで千秋楽公演を迎えた。

◆己龍 画像

4月よりスタートした本ツアーは、中盤に雅/和要素を織り込んだ曲や、演目へ「天照」や「彩」のような歌要素の強い楽曲も組み込みつつ、ほとんどがライブで頭を振りまわし、身体を折り畳み、理性を忘れ騒ぎ狂うに相応しい重く激しい曲を中心に構成されていた。会場を埋め尽くしたファンたちを前に、ライブは「井底乃蛙」から幕開け。序盤には「残月」や「十三夜」など激烈な楽曲たちが次々に投げ込まれる。続くブロックには「三途川」や「私ハ傀儡、猿轡ノ人形」など己龍の魅力でもあるダークでラウドなホラーチューンを投影。「阿吽」では、左右に分かれた観客たちがぶつかり混じり合う光景もみられた。

中盤には「雛奉」や「桜花爛漫」など、雅な要素を取り入れた艶やかな曲たちを演奏。「花魁譚」の演奏中、場内を左右に動きながら舞い踊る様は花魁道中のようだ。暴れ騒ぐ魔物(観客)たちの行進が起きた「百鬼夜行」、日和のベースの破裂音を合図に暴れ祭った「邪一輪」や「朱花艶閃」、本編ラストを飾った「暁歌水月」の頃には、会場中の人たちが大きく手を振り、熱狂の中で心一つに溶け合っていた。

アンコールで演奏、会場中の人たちが“あーぁー心中歌”と大合唱してゆく「心中歌」の風景は、己龍のライブだからこそ生まれる病みな光景。最後に披露した「凩」も、ヴォーカルの眞弥と一緒に歌いながら、今宵の熱狂を誰もが心と身体に忘れぬよう刻んでいた。



この日、己龍は3つの発表を行なった。一つ目は通算17枚目となるニューシングル「情ノ華/朧月夜」の発売。10月25日(水)に両A面シングルとしてリリースする。雅な要素を軸に、美しく開放的な表彰を持った歌系ナンバーの「情ノ華」が光とするなら、おどろおどろしく狂気な匂い振りまく「朧月夜」は影を抱いた楽曲として台頭している。衣装も情ノ華 Ver./朧月夜 Ver.と2つのバージョンで一挙公開となった。さらに「情ノ華」は、TVアニメ『カードファイト!! ヴァンガードG Z』のOP主題歌へ起用され、こちらは10月8日よりアニメ放送がスタートする。

さらに二つ目の発表として、己龍は本作シングルをひっさげ11月より単独巡業＜陰陽朧華＞(おんみょうろうか)を開催する。初日となる11月1日のTSUTAYA O-EAST公演は＜一色日和生誕祭＞になるほか、今年で10回目となるバンド生誕祭は12月16日になんばHatchで行われる予定だ。今回の巡業は"情ノ華"衣装着用公演/"朧月夜"衣装着用公演と2パターンが用意され、衣装に合わせ演目も変化するとのこと。千秋楽公演は12月27日と28日、各日違う衣装でZepp Tokyoを舞台に2日間にわたって行なわれる。

最後に三つ目の発表として、活動10年目となる12月16日に初のベストアルバム『己龍「二〇〇七～二〇一七」』がリリースされることも明らかになった。こちらは2枚組CDに全27曲を収録する。うち20曲は新録で収録され、過去の楽曲たちが今の己龍として求める形へ昇華されたものとなる。

己龍は今秋、10周年を迎えたバンドたちによる全国イベントツアー＜10th Anniversary Special Tour ～from 2007～＞に参加。ダウト、DaizyStripper、HERO、vistlip、Mix Speaker's Inc.ら同世代バンド達との競演を繰り広げる。

PHOTO:keiko tanabe
TEXT:長澤智典
編：BARKS編集部

▲「情ノ華/朧月夜」新ヴィジュアル（情ノ華 Ver.）

▲「情ノ華/朧月夜」新ヴィジュアル（朧月夜 Ver.）





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