BLACKPINK、アジアに舞い降りた“次世代ガールクラッシュ”グループ の魅力とは

BLACKPINKが8月8日（火）に韓国デビュー1周年を迎え、同日に日本では8月30日に発売される彼女たちの日本デビューアルバム『BLACKPINK』のiTunes プレオーダーもスタートする。

◆BLACKPINK メンバー画像

BLACKPINKはJENNIE（ジェニー）、LISA（リサ）、JISOO（ジス）、ROSÉ（ロゼ）からなる4人組で、BIGBANGの所属事務所であるYGエンターテインメントが送り出した待望のガールズグループである。なぜ待望かといえば、同事務所所属で、海外でも評価の高いCLを擁する2NE1が2016年に惜しまれつつも解散してしまったからだ。TWICE、Red Velvet などのガールズグループが活躍するなかで、YGがどのように動くのか注目が集まっていた。

▲JENNIE（ジェニー）

彼女たちはもともとYGの練習生。メンバーの中で最も知名度が高いのは、ラップとボーカルを担当するジェニーだろう。彼女はG-DRAGON（from BIGBANG）の「THAT XX」のミュージックビデオに出演していたことに加え、「BLACK」には客演として参加している。いわばYGの秘蔵っ子だ。同じくロゼもデビュー前にG-DRAGONの「WITHOUT YOU 」にフィーチャリングされた実力派シンガー。

また韓国の音楽シーンを知る人ならば、ジスも馴染みの顔かもしれない。彼女はヒップホップグループ・EPIK HIGH（エピック ハイ）やシンガーユニット・ハイスヒョンのミュージックビデオに出演している。メンバーの中ではリサがやや異色かもしれない。YGの中で初の外国人だからだ。彼女はタイ出身で、オーディションを勝ち抜いて現在のポジションを勝ち取った。ビジュアル面でグループのアクセントになっている。

▲LISA（リサ）

彼女たちのデビュー曲「WHISTLE」は衝撃的だった。容姿端麗で、モデルのように完璧なスタイルの女の子たちが、重いビートのR&Bでタイトなダンスを決める。歌はもちろん、ラップもG-DRAGONを彷彿とさせる巻き舌のフロウで観るものを圧倒した。またダンスもUSのトレンドを強く意識したスタイルで、かわいさよりもかっこよさを全面にアピールした“YG印”だった。


一方、メンバー4人がかっこいいキャラなのかといえば、見た目とは裏腹にステージ以外ではどこにでもいるようなあどけない少女たちだった。音楽番組に出演した際のトークシーンなどでは、仲良しな姿も見せて笑いを誘った。男に媚びるわけではなく、かわいいが自然体でかっこいい。このギャップに、10代の女の子たちはすぐに彼女たちの虜になる。また彼女たちが手で作るハートマーク「ブラピンハート」がアイコンになって、Instagramなどのサジェストコンテンツから、日本、中国、アメリカなど世界に広まっていった点も非常に現代的な現象であると言えるだろう。

▲JISOO（ジス）

彼女たちは7月20日に日本武道館でデビュー記念ショーケース＜BLACKPINK PREMIUM DEBUT SHOWCASE＞を行なった。海外の新人女性アーティストが伝統ある武道館でデビューショーケースを実施することは極めて異例だったが、それ以上に注目を集めたのは応募総数だ。その数はなんと20万枚を超え、関係者たちを非常に驚かせた。

これまで彼女たちが発表してきたミュージックビデオの再生回数は軒並み1億回を突破しているが、中でも特に人気が高いのは「BOOMBAYAH」だ。今やオリジナルの再生回数は2億回に届こうとしている。
この曲が面白いのは彼女たちの魅力的なギャップが詰め込まれているところ。ダンスホールレゲエとEDMをミックスしたメジャーレイザーのようなビートは、BIGBANGの代表曲「FANTASTIC BABY」を思い起こさせる。サビで4人はロングヘアを振り乱しスキルの高いダンスを披露するが、その後に韓国女子の最もかわいい言葉の1つである「オッパ！」とシャウトするのだ。「オッパ」とは日本語で「お兄ちゃん」を意味するもので、女子が年上男性に対して使う音葉。こんなクールな女子に「お兄ちゃん！」と言われては、性別を問わず誰もがハートを撃ち抜かれてしまう。この「BOOMBAYAH」は既に先行配信でLINE MUSIC リアルタイムランキング1位を記録している。

いわゆる日本的な「Kawaii」スタイルとは一線を画す彼女たちのクールなかわいさは、すでに日本に浸透している。それは彼女たちのデビューショーケースに20万件も応募が集まり、日本版ティーザーもYouTubeで公開から約1ヶ月で200万回を超えていることからも証明されている。そんな彼女たちが日本でデビューしたらどうなってしまうのか、今から楽しみでしかたない。

文◎宮崎敬太

▲ROSÉ（ロゼ）