【ライブレポート】BiSH、ツアーファイナル幕張メッセ公演「私、ここで止まりたくない」
アンコールは“そこに立つための資格を掴みたいんだ”の歌詞が印象的な「BUDOKANもしくはTAMANEGI」、この曲を幕張メッセのアンコール一発目に披露するのも、BiSHらしさか。曲が終わるとアユニが「お話させてください」と口火を切る。アユニはBiSHに新メンバーとして加入して1年がたち、人間として成長できたとこれまでの道のりを振り返る。加入からたった一年にも関わらず目覚ましい成長を続けているアユニの言葉に、清掃員からも大きな同意の声があがる。そんな清掃員たちに「私がBiSHでいられるのは、BiSHを作ってくれる方と清掃員、メンバーがいるから。本当にありがとうございます」と感謝を伝えたあとは、涙に声をつまらせながら「これからもBiSHが人生の一部、生きがいって思ってくれる人がいるように、頑張っていきたいと思います」と決意を述べた。
続くリンリンは今回のツアーを周っている間、2日に1回くらいのペースで涙が止まらなくなるほど“自分がBiSHのリンリンでなくなる”ような想いをしていたと明かす。だが今日このステージに立てたことで「明日からは幕張メッセに立ったBiSHをバカにできるように、一生懸命頑張っていきます」と思い返せたと語る。アツコも芸能の世界に入ろうと思ってから何度も挫折を味わった経験を明かし、今BiSHとして活動できていることを奇跡だと感じている。そして「これからもいろんな壁とかあるだろうけど、全員BiSHとともに青春していきましょう!」と前向きなコメント。モモコもBiSHとして初めてワンマンライブに立った日、自分のふがいなさに泣きながら帰ったこと、でも逃げずに目の前にあることを精一杯頑張ってきて「あの日逃げなくて良かった」と強い言葉を口にした。
アイナは「歌とダンスしかないって思ってた私の人生で、幕張メッセに立てて嬉しい」と心からの喜びを露わに。そして泣きながら「私、ここで止まりたくないです。今の音楽業界でBiSHは圧倒的な存在になりたい。アイナ・ジ・エンドも圧倒的になりたい。清掃員の人たち、行けるとこまで一緒に行ってください!」と訴える。セントチヒロ・チッチも「BiSHが誰かの生きる理由になりたい。毎日の憂鬱を吹き飛ばす、そういうお仕事ができているのが幸せです。これからもこの6人で最高の音楽を届け続けていきたいです」とこれからの未来を誓ってくれた。
そしてチッチの「BiSHはまだまだ止まりません。最高のその先へ行くことを約束します」という言葉から「プロミスザスター」が始まる。ひとりひとりの願いを空に届けるような力強い歌声に、アイナの絶叫。MCで各自が話していた通り、つらいことや苦悩を努力で乗り越えてきたBiSH。この先には、きっと明るい未来があると予感させられる瞬間だった。ラストは「生きててよかったというのなら」。清掃員のかざすスマホの光の中、“何もかも嫌になってる”“幸せになっちゃいけない?”“俺は何で生まれたか”と胸に突き刺さるようなフレーズを歌いながら、一段ずつ歩いてステージの下に消えていくBiSH。その姿には、幕張メッセ公演を終えたこの瞬間から、次のステージへ歩いていく彼女たちの未来が見えた。
取材・文◎Yoko Hattori(BARKS)
セットリスト
2.社会のルール
3.DEADMAN
4.Marionette
5.ウォント
6.本当本気
7.DA DANCE
8.ヒーローワナビー
9.VOMiT SONG
10.Nothing.
11.スパーク
12.サラバかな
13.ALL YOU NEED IS LOVE
14.MONSTERS
15.OTNK
16.beautifulさ
17.GiANT KiLLERS
18.BiSH -星が瞬く夜に-
ENCORE
19.BUDOKANもしくはTAMANEGI
20.プロミスザスター
21.生きててよかったというのなら
◆BiSH オフィシャルサイト
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