【インタビュー】DaizyStripper、「崩れないすごく頑丈な基盤が10年で出来上がったので五人とも自信に満ち溢れています」

■「WHO KILLED THE FIGHTER？」の歌詞にはリュウにまつわる言葉やコマンドが出てきます
■「ストリートファイター」を知らない人にはちんぷんかんぷんかもしれないですけど（笑）

──今回のデビューシングルには、DaizyStripperとファンを繋いできた曲でもある「decade」を新たにレコーディングした「decade ～ 10 年後の僕らver. ～」も収録されていますね。

夕霧：8周年を迎えた頃から、「decade」を新しく録りたいよねっていう話はふわっとしてたんですよ。基本、俺らは同じ曲を同じアレンジで録り直すのはオリジナルに勝てないから好きじゃないんですけど、この曲に関しては、10年後のバージョンをレコーディングしたいねって。そこから「だったらファンの声も入れたいな」って話になって、9周年の日比谷野外大音楽堂でみんなの歌を録音して。





──9周年の野音の時ってファンにどういうふうに話したんでしたっけ？

夕霧：「decade」の演奏を一回ストップして、「みんなの声、録音したいから録らせてよ」って。何回かループして歌ってもらってガッツリ録音したので、待っててくれた人たちもいるんじゃないかな。

──その時の歌声が今回のバージョンに入っているという。

夕霧：そう。あと当時とはギターソロも変わったよね。まゆとなおは上手、下手のポジションも入れ替わったし。

なお：当初はハモりはなかったしね。

夕霧：ドラムも違う？

風弥：ライヴを重ねていく中で無意識に染み付いたフレーズがあるから変化はしてる。今回のバージョンはふだんライヴで聴いているものに近いね。

Rei：ベースも風弥と一緒でライヴでの手グセがあるけど、基本は変わらないかな。「decade」に関しては録り直すべき曲だったのかなと。手グセもあるし、歌い方も違うし、トレゾア（DaizyStripperのファンの呼称）の歌う声が入っていたり、ウチらの歴史が刻まれたバージョンになりましたね。

──実際、「AGAIN」と「decade ～ 10 年後の僕らver. ～」を続けて聴くと、10年の歴史を知らなくても感動するんですよね。ずっとブレなかったんだなって。

夕霧：初めて触れた人も「コイツら、何か起こしてくれそうだな」と期待してくれたら嬉しいですね。

──通常盤に収録されている「WHO KILLED THE FIGHTER？」はテンポも速くいちばん炸裂していますね。

風弥：これは最近、ウチらで話題のセルフタイアップ曲です（笑）。

夕霧：どういうことかというと、前回のシングル「アマカラ」のカップリングに「蛙野郎」という曲が収録されているんですけど、それは俺が大好きな漫画『ミュージアム』（巴亮介）に触発されて書いた歌詞だったんです。リリース直前にその漫画が映画化されることを知って「マジか？」と思って、ヤングマガジンのオフィシャルHPの問い合わせのところに「自分はこういう者でこういう曲を作ったんですけど、作者様にお届けしたい場合、どうしたらいいんでしょうか？」ってメールしたら、編集部の方から「私たちが責任を持って届けますので送ってください」って返信をいただいて、CDを送ったら、数日後にご本人から「歌にしていただけて感動しました」っていうメッセージをいただいて。

──いい話ですね。

夕霧：なのでタイアップになったわけじゃないんですけど、今回の「WHO KILLED THE FIGHTER？」はBARKSの読者様もたぶんご存知の格闘ゲーム「ストリートファイター」のセルフタイアップ曲です（笑）。主人公はゲームに出てくる格闘家。白い胴着にハチマキを巻いて風林火山のステージで戦っているリュウです。

なお：水羊羹が大好きでどこでも寝られるのが特技のリュウです（笑）。

夕霧：リュウはとても自分に厳しい人なので、大会で優勝しても授与式に出ないで次の戦いの旅に出てしまうんです。「俺はたまたま優勝しただけで、世界には俺より強いヤツがごまんといるから会いにいくんだ」って。「カッケー！」って思うし、僕らもリュウのストイックな生き方から学べるところがたくさんあるなって。だから、歌詞にはリュウにまつわる言葉、コマンドがいっぱい出てきます。「ストリートファイター」を知らない人にはちんぷんかんぷんかもしれないですけど（笑）。

──ははは。曲を聴いた時に「ストリートファイター」が思い浮かんだんですか？

夕霧：そう。この曲、間奏でベースとドラムがバトルしてるんですよ。曲自体が強かったから、ふにゃふにゃした言葉だと負けちゃうなって。

風弥：ドラムとベースのバトルも炸裂しているんですけど、戦いを想像させるパンチとかキックの音とか効果音も入れてるんですよ。俺はゲームをやったことなかったからイメージがわかなくて、レコーディングで音を作るのが大変だった。

Rei：リズム隊のバトルって今までありそうでなかったんですよ。この曲でベーシストとして新たな一面も見せられたし、発見も多かったですね。

夕霧：最新作は「ストリートファイターⅤ」ですけど、CDが完成したら世界大会の優勝者、梅原大吾さんに僭越ながらお送りしたいと思っています（笑）。

──7月27日からは過去のアルバムをフィーチャリングする＜アルバムコンセプトツアー「11 CHRONICLES」＞が始まります。「AGAIN」には“FRONTIER”という言葉が出てきますが、今後、開拓者として切り開きたい未来は？

夕霧：そうですね。せっかくメジャーデビューができたので、今まで触れていなかった人たちやお茶の間にもDaizyStripperの音楽を鳴り響かせなきゃいけないなと思っています。そのために俺たちができることを毎日積み重ねていって、今より天井の高い広いステージに立ちたいですね。僕たちはアンダーグラウンドのトップに立ちたい集まりではないので。

──結成当初から。

夕霧：はい。武道館、東京ドームを目指して結成したバンドなので、頑張っていきたいですね。ここからが勝負だと思っていますから。

──「decade」で“僕らが目指した未来へ”と歌ったときの気持ちは今も変わっていないんですね。

夕霧：そうですね。僕らが影響を受けたバンド、X JAPANさん、LUNA SEAさん、L'Arc-en-Cielさんがライヴをしていた聖地が武道館、東京ドームなのでそこは変わらないです。10年やってきて、今がいちばん目指せる時だと思っているので、期待していてください。

取材・文●山本弘子





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