【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.43「トゥスカ オープンエアーメタルフェスティヴァル」

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フィンランド最大のメタルフェス「トゥスカ オープンエアーメタルフェスティヴァル」に初参戦!6月30日から7月2日の3日間ヘルシンキで今年で20周年を迎えるフィンランド最大のメタルフェス「トゥスカ オープンエアーメタルフェスティヴァル」が開催されました。

出演者は
6月30日:Sabaton、Devin Townsend Project、Suicidal Tendencies、Mayhem, Wintersun、Insomnium、Brujeria、Anneke Van Giersbegen's Vuur、Barathrum、Baptism、Trap Them、Kohti Tuhoa、Ratface、Rotten Sound、Brother Firetribe、Pekko Kappi & KHHL、Huora
7月1日:HIM、Amorphis、Mokoma、Timo Rautiainen & Trio Niskalaukaus、Electric Wizard、Lost Society、Avatarium、Demonztrator、Fear of Domination、Mind Riot、Sleep of Monsters、Throes of Dawn、Paara、Alabama Kush、Triptykon、Soilwork、Impaled Nazarene、LIK
7月2日:Mastodon、Apocalyptica、Sonata Arctica、Dirkschneider、Baroness、Battle Beast、Oranssi Pazuzu、Jimsonweed、The Raven Age、Amendfoil、Where's My Bible

今年解散を発表したHIMの他、観たいバンドが何バンドかはあるものの、メタル系は詳しいというわけでもなく、今年は6月に日本に帰省を予定していたため、フィンランドに戻ってすぐに参戦というのも体力いるなとあきらめようかなと思っていたところ、3日間のチケットを買っていたもののいけなくなったからと譲ってもらえたので行くことに!ということで、将来トゥスカに行ってみたいという方の参考に会場のレポをお届けします。

2日間チケットと3日間チケットは、今年はヘルシンキの中心部にあるチケット販売所でブレスレットに交換できたため、まずはそこに立ち寄り交換。その後会場へと向かいました。会場はヘルシンキの中心部から少し離れていたため地下鉄で行くことに。地下鉄の駅を降りて同じく降りた黒装束の集団の後について歩いていくと簡単に会場に到着!先にブレスレットと交換していれば、専用入り口があるので入場はスムーズにいきましたが、そのあとの手荷物検査には少し列ができてました。傘も含め危険物はもちろん持ち込み禁止。封を切ってない500mlのジュースなどノンアルコールのペットボトルと空ボトルはもちこみ可能。中に給水所があるので、水は無料で空ボトルに入れることができます。撮影はプロ仕様のカメラは撮影許可がいりますが、スマホとポケットカメラでの撮影は可能。1日券は1度入ってしまったら出入りはできませんが、ブレスレットなら出入りができます。


中に入るとさっそく物販販売所には長ーい列が。とはいえ3日目には売り切れのものもあったようなので、ほしいものがあれば早めに購入をお勧め。初日の金曜は強風で、ところどころ砂埃が舞い上がってる。ステージは3つあり、メインステージとテントステージはすぐわかった。もう一つ小さいステージがあるはずなのだが、少し歩きまわってみたもののどこにあるのかわからない。初日のお目当てはBrother Firetribeで、メインステージのトップバッターということで、ステージ前に早めにいったら2列目がとれたのでそのまま待つことに。1列目を陣取ってる人たちはこの日のメインステージのヘッドライナーSabatonのTシャツ着た人が多かったので、トップバッターから最後まで待つ気合がはいっていたようです。Brother FiretribeはNightwishのギタリストEmppu Vuorinenがメンバーにいることで有名ですが、とても爽快なハードロックで心地よい。彼らのライブを観るのは初めてでしたが、とても楽しく観ることができました。初日のお目当てはトップバッターだったため、そのあとはゆっくり会場散策しながら他のバンドを観ることに。とはいうものの、風がとにかく強く、時々砂埃が舞い上がるどんよりお天気で寒い。梅雨で蒸し暑かった日本から帰ってきた時はこの涼しさにほっとしたものだけど、外にずっと立ってるとさすがに寒い。夜は雨予報だったため、初日は早々と退散。ゲートの外に出るとReckless Loveのオッリ・ヘルマンとすれ違いました。彼は会場に向かうところだったようです。





2日目土曜のお目当ては解散が発表されたHIM!ロック写真家で有名なヴィッレ・ユーリッカラの入場無料のHIMの写真展がヘルシンキで行われていたため、この日はまずはそっちを訪れてみることに。写真展はにぎわっていて、ヴィッレと話がしたかったため機会を待っていたらかなり時間をとってしまい、フェス会場に到着したらテントステージのMokomaのライブが盛り上がっていたところでした!後ろから観戦した後、会場に来ていた友達たちと無事対面。この日は土埃はしてなかったので会場を散策。端っこにある建物から人が出入りしていたので利用できる水洗トイレがあるのかと中に入ってみるとステージが!前日探しても見つからなかった小さいステージは建物の中にあり、どうりでみつからなかったわけだ。この建物の中には普通に水洗トイレもあるため、外の簡易トイレが苦手な人はここを利用するといいと思いました。そのあとテントステージであったLost
Societyのライブを観戦。ボーカル&ギタリストのSamyはこのトゥスカフェスの前に出演バンドにインタビューするなどYouTubeにアップされたThe Tuska Showのホストをしていましたが、彼のパフォーマンスはエネルギッシュで観客を盛り上げるのがとてもうまい!途中観客がぐるぐるぐるぐる走り回ったり、皆をしゃがまさせておき一緒にジャンプとか、観客もじっとしてられないライブでありました。この日も寒かったので体が温まってよかったかもしれません。


この後腹ごしらえにフードエリアに。ハンバーガー類、ジャガイモにソーセージ、湖の小魚ムイックを鉄板で焼いたもの、インドカレーもありました。アイスクリーム販売車もでてましたが、いくらアイス大好きのフィンランド人とはいえ最初の2日間は寒くてお客少なかったかと思います。座るテーブルと椅子も置かれてましたが人でいっぱい。そして、食べ物を狙うカモメがいっぱい飛んでて、食べ物は盗まれなかったけど、ふん被害に(笑)。カモメにはお気を付けください。



そのあとAmorphisのライブが始まるちょっと前あたりから雨が降り始めたではありませんか。この日はとにかくほんとに寒かった。夕方は10度きってたんじゃと思います。Amorphisでステージ前に出る予定が雨とあまりの寒さにくじけ、テントステージのテントに避難。端っこからライブを観てると風で中に流れ込む雨にうたれやっぱり寒い。なので、視野は悪いけどもう少し中に入ってみてたら、前にいた背の高い人が気を使ってくれ、「みえないだろ?前に出ていいよ。」と優しい言葉をかけてくれました。身長159㎝ではほんとにほとんど見えなかったんですが、「寒いのでここでいいです。」というと、「あ、そうか。俺が風よけだったんだな。」と笑ってましたが、はい。実はそうだったのであります(笑)。Amorphisが終盤に差しかかってくると雨もやんできたのでメインステージ側に移動。普通フィンランドの自分が行ったこれまでのフェスだと、一バンド終わるごとに観客はどどっとバーエリアに移動するのであります。最初っからずっとステージ前で待ってる熱心なファンは1列か、いても2列ぐらい。なのでAmorphisが終わったら一気に前に出て次のHIMに備えようと思っていたら甘かった。この2日目はトゥスカ史上最高の動員数でソールドアウトだったと後で聞いたのですが、HIMが目当てだった人は多かったようであります。なんとか端より7列~8列目あたりを確保できたものの、かなりぎゅーぎゅー。観客側がこんなに詰まってるライブはほんと久しぶり。途中、体当たりで突っ込んできた外国人らしき女性もいましたが、それも珍しい。HIMのライブはとにかくヒット曲のオンパレード!最近の曲より昔の曲をメインに披露!昔の曲のほうが好きな私にとっては、懐かしいながらも色あせしない曲が生でどんどん聴けて感動でした!ただヴォーカルのヴィッレは自分の立ち位置をほとんど動かないので、前に背の高い人がいたのもあり、最初が見えにくい位置だったので最後まで見えにくかったという。そして周りの人達が大声で一緒に歌うもので、そっちの方が大きく聴こえました(笑)。そのくらい盛り上がったライブでした。最後は花火がパンパン上がって締めくくり。




最終日の3日目のお目当てはApocalyptica。9月に来日が決まっているBattle Beastに合わせて会場に行こうと思ったものの、地下鉄に不具合が出てたようで不定期に運行されていて、大幅に出遅れ。地下鉄の駅から会場に向かって歩いていると、ラジオロックでヘビロテオンエアーされていた「King for a Day」が聴こえてきました。彼らが出ていたテントステージにたどり着いた時には最後の1曲を残すのみで、皆こぶしを振り上げかなり熱く盛り上がってました。



Apocalypticaは、前のバンドの後ステージ前ががばっとあいたのでなんと最前ゲット!この日は違いすぎだろってぐらい前2日と正反対にお天気がよく、待っていると後ろからじりじり照り付ける太陽が暑い。ApocalypticaはMetallicaのカヴァー曲を演奏したデビューアルバムから昨年20周年を迎え、ボーナストラックを収録したリマスター盤が発売され、ただいま「Apocalyptica plays Metallica by four cellos」ツアー中で、今年のLoud Parkにも出演が決まっています。現在のツアーではデビューアルバムのメンバーにいたアンテロ・マンニネンが参加していて、彼は最初っから最後までおとなしく座ってプレイ。対照的にロン毛の2人エイッカとペルットゥは立って移動したりヘッドバンしたりと目を楽しませてくれます。パーヴォは座ってることが多かったですが、ウィンクしたり投げキッスしたり愛嬌をふりまいてました。このツアーではヴォーカルがいないため、ヴォーカルは君たちだと最初にいってましたが、歌うタイミングを指示してくれるのがパーヴォでした。ということで、Loud Parkに彼らを観に行かれる方はMetallicaの歌詞を覚えておくとさらに楽しめるのではないかと思います。







一部出演バンドのサイン会もあり参加は自由。Apocalypticaはライブ後サイン会があり、長ーい列が。テントステージではSonata Arcticaのライブが始まり、彼らの演奏を聴きながらサイン会参加。フィンランドのこういうサイン会ではたいていの場合、カードが用意されていますが、サインしてほしいもの持参もOK、一緒に写真撮ることも可能だったりします。というわけで結構時間がかかり自分の番が終わり、テントステージにいったら残念ながらSonata Arcticaは終わるとこでした。見たいバンドと参加したいサイン会が重なると難しい選択になるかもしれません。サイン会は特にアナウンスなどなかったので、Fecebookのイベントページで確認しておくか、現地でサイン会場所に張り出されているその日のスケジュールをチェックしてみてください。



メインステージとテントステージは交互にライブがあるので、前でなくてもよければ時間のロスなしに両方順番に観ることも可能です。お天気が悪くて濡れたくなければテントステージのテント下に入るか、小さいステージの建物に入るという手もあります。アルコールドリンクはバーエリアのみでしか飲めませんが、会場には3つのバーエリアがあり、ステージが見えるバーエリアもあるので、フィンランド人と一緒に飲みながらライブ観戦も可能!フィンランドではペットボトルや飲み物の空き缶は返却するとお金が戻ってくるんですが、会場内にもバーの出口に返却場所(PANTTIPALAUTUS)がありお金が戻ってきてたようであります。こうすれば飲み終わった後その場に放り投げる人が少なくよいアイデアだと思いました。そして会場の周りには入場せず聴こえてくる音を楽しむメタルファンもたくさんいて、大きなビニール袋持ったボトルと空き缶を集める人も何人か。こういうイベント時にはこれけっこういいお小遣いになると思います。会場の周りにも屋台が出ていて、ブレスレットで出入りしたければ、お値段はそっちの方が安かったです。ただ再入場の際には手荷物検査を再度受けることになります。フィンランドの夏は予想以上に寒い日もあり、日中晴れて暑くても夜になるとぐっと気温が下がることもめずらしくありません。重ね着できるものを持参していくとよいかと思います。先週末土曜はハメーンリンナでGuns N' Rosesのフィンランド公演もあり、ソールドアウトの55000人の人出だったようです。それには負けますが、今年のトゥスカ3日間の人出は37000人。会場ではタトゥがはいったメイクや服装にこだわった一見怖そうなメタルファンも見かけますが、会場に警察出動回数はゼロ!警察にとってはフレンドリーなフェスという記事も見かけました。


20周年ということで、いろんなアーティストが参加したアニヴァーサリーソングが出来上がっていて、会場でも合間によく流れてました。これです。聴いてみてください。


というわけで、メタルファンの方、夏にフィンランドに来る計画たてるならフィンランド最大のメタルフェス「トゥスカ」を予定に入れてみるのはどうでしょう?

文:Hiro
写真:Hiromi Usenius

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