【インタビュー】TETSUYA (L'Arc-en-Ciel)、「こんな自分を好きになってくれる人が愛おしくて仕方ない」
TETSUYA (L'Arc-en-Ciel)が、6月14日にシングル「愛されんだぁ I Surrender」、7月12日にBlu-ray&DVD『THANK YOU』を連続リリースする。同作はソロデビュー15周年を迎えたTETSUYAのアニバーサリーイヤー最終章となる2017年にリリースされるもの。「愛されんだぁ I Surrender」はカラフルでポップなサウンドと、1980年代グラムロックの輝きが15周年を飾るにふさわしいナンバーとして仕上がった。
◆TETSUYA (L'Arc-en-Ciel) 画像
一方の『TETSUYA Solo 15th Anniversary Blu-ray&DVD『THANK YOU』』は、恒例のバースデーライヴ<THANK YOU>(2016年10月3日@赤坂BLITZ)の模様を完全収録した映像に加え、オフショット映像を満載。さらには2001年のソロデビューから最新曲「愛されんだぁ I Surrender」までのミュージック クリップを全曲収録したほか、2002年12月25日の赤坂BLITZ公演にて一度きり上映された幻のショートフィルム「Sweet December」(二階堂健監督作品)が収められた。
BARKSはシングル「愛されんだぁ I Surrender」、『TETSUYA Solo 15th Anniversary Blu-ray&DVD『THANK YOU』』、そして8月25日および26日に昭和女子大学 人見記念講堂で行われる<TETSUYA 15th ANNIVERSARY LIVE>についてたっぷりと話を訊いた。
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■最初に強力なサビができて
■グラムロックっぽい曲にできるかもと
──「愛されんだぁ I Surrender」は、『レコチョク』のTVCMソングとして起用されますね。曲をつくるにあたってレコチョクからの要望などはありましたか?
TETSUYA:特になかったんですけど、レーベルのA&Rからは“グラムロックっぽい曲をつくってほしい”と言われたんです。僕は、グラムはあまり通っていないんですね。グラムっぽいリフを求められはしたものの、そんなにリフメインの曲をつくったこともなかったし。「Are you ready to ride?」とか「Roulette」みたいにリフを活かした曲もありますけど、あまりリフから曲をつくるタイプではないんですよね。でも、リクエストされた以上、カッコいいリフをつくらないといけないなと。それに、せっかくリフからつくるならAメロはリフを貫く形にしようとか、そういうところから曲づくりに入っていきました。
──メインリフはすごくカッコいいですし、退廃的なグラムロック感を活かしつつ、華やかなサビのメロディを配していることも魅力的です。
TETSUYA:曲づくりに取り掛かって、最初にサビができたんですよ。このサビでグラムロックっぽい曲にできるかもという感触があったので、グラムの要素はAメロとBメロで足していこうと何パターンかつくったんです。ただ、グラムっぽい前半からサビにつなげるのが難しくて。強力なサビが先にできてしまったので、違和感がないように仕上げるのは結構大変でした。
TETSUYA:サビのメロディが出てきた時に、言葉も一緒に降りてきて。“これをタイトルにしたら、すごくキャッチーでいいな”と思ったんです。それに、英語表記の“I Surrender”だけだと逆に恥ずかしい気がしたんですよ。Rainbowの曲に「I Surrender」があるから。
──アルバムのタイトルにもなってる代表曲のひとつですね。
TETSUYA:他にも同じタイトルを付けている曲があるかもしれないと思って調べてみたけど、ここまで前面に押し出している人はいなかったんですよね。だから日本語と併せて、そのまま活かすことにしました。ただ、タイトル表記は「愛されんだぁ I Surrender」だけど、読み方は“愛されんだぁ”1回だけでいいんですよ。この間、曲紹介で「愛されんだぁ I Surrender」と2回言われて、“何で2回言うの!?”と思いましたから(笑)。デザインとして2つ並べているだけで、丸井(〇|〇|)と一緒ですよ。“丸井 丸井”と2回言わないですよね(笑)。
──たしかに、2回読んじゃう勘違いもあるかもですね。
TETSUYA:“1回に決まってるやん”って思ってましたけど、それは僕の中だけの常識なんでしょうね。ちゃんとスタッフに伝えた方がよかったかもしれない。コミュニケーション不足というのは怖いですね。僕は簡単にパッとしか言わないんですよ。1割2割言えば分かるだろうと思っているので。でも、世の中には9割言っても分からない人もいますよね。そう考えると、10を伝えるのは本当に難しい。
TETSUYA:グラムというのは気だるい感じなのかなと思って、いろんな歌い方を試した中から、ああいう歌に落とし込んだんです。あと、この曲は途中で『ピコ太郎』が入っているんですよ、「あぁ~ん」って(笑)。やり過ぎても恥ずかしいから、どこまでやるかなという試行錯誤もありましたね。このシングルのリリースは6月ですけど、レコーディング自体は去年12月には終わっていたので、まだピコ太郎を入れてもセーフだったんですよ。それからちょっとリリースまで時間が空いてしまったので。タイミングが外れると恥ずかしいから。
──セクシーなフェイクがカッコいいと思いました。ベースのレコーディングはいかがでしたか?
TETSUYA:左手の指にマメをつくりながら弾きました(笑)。僕は普段、楽器を触らないんですよ。曲をつくる時にちょっと弾く程度で、レコーディング前とかライヴの前に急いで練習するから、もう指先が痛くて痛くて仕方ない。
──ええっ!
TETSUYA:4月にL'Arc-en-Cielのライヴ(東京ドーム2Days公演<25th L'Anniversary LIVE>)があったでしょ。あの時も急いで練習したからライヴの時は指先がカッチカチでしたよ、カッチカチ(笑)。でも、終わると全く弾かないので、すぐに柔らかくなってしまうんです。「愛されんだぁ I Surrender」は締切がタイトで、1週間くらいで曲も歌詞も書いたし、レコーディングもすぐにしないといけなかったからベースを弾く準備期間がなくて。急にベースを弾き始めたので、マメができて痛くて痛くて、もうテーピングしながら弾いていました。“ちょっとサステインが短くなっちゃうなぁ。でも、テーピングしないと痛くて弾けないし”と思いつつ(笑)。
TETSUYA:指先が痛くなかったら、もうちょっと上手く弾けますよ(笑)。
──あ、あのぅ、でしたら普段からベースを弾くというのは?
TETSUYA:普段は楽器を触らない代わりじゃないですけど、曲をつくったり、ほかのことをたくさんしていて。で、レコーディングに向けた準備をする時は籠もりきりでガッと集中して、指にマメができてもベースを弾く。それを繰り返してきているんですよね。だから僕は思うんですよ。もしも自分が毎日何時間もベースを弾いて、ずっとそれを続けていたら、めちゃくちゃ上手いんちゃうかと(笑)。
──短期間集中スタイルでハイレベルなベースが弾けるわけですから、今のままで良いような気もします(笑)。それにしても、日々ベースを弾かなくても問題ないということからは持って生まれた才能を感じますね。
TETSUYA:僕は手先が器用なので、ちょっとやればできてしまうんです。ちょっとやればできてしまうので、もういいやと思って、それ以上努力しないという(笑)。器用さというのは、劣化しないんですね。ドラムとかヴォーカルは身体が資本というところがあるから、年齢と共に衰えたりするかもしれないけど、ベースは指先が動けばなんとでもなるじゃないですか。それに耳が良ければ、今ちょっと突っ込んだなとかモタッたなとか、そういったことはキャリアを積むとどんどん分かるようになってくる。だから、普段弾かなくてもいいんですよ。
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