【レポート】DaizyStripper、<10th Anniversary>ファイナルで「永遠を誓い合えるような気持ち」
DaizyStripperの結成日である6月5日、10周年に向けてのプロジェクト『decade』のラストを飾るグランドフィナーレ公演<10th Anniversary 47都道府県TOUR 2017「KISS THE FUTURE~僕らの帰る場所~」>がTOKYO DOME CITY HALLにて開催された。
◆DaizyStripper 画像
ステージのスクリーンに最新アルバム『HOME』のジャケットと同じアートワークが映し出され、開演予定時刻の18時が近づくと、描かれている家の部分が徐々にモニター画面に変わっていくという演出の中、ライヴは幕を開けた。
ステージ最上部にスタンバイしたのは弦楽器8人のオーケストラ編成の面々。続いて、拍手の中にDaizyStripperのメンバーが登場した。いつものライヴとは異なるおごそかな雰囲気が場内を包み、オープニングは生の弦とのコラボレーションがゴージャスな「VICTORIA〜氷の女王〜」だった。ドラマティックなサウンドや夕霧のハイトーンボイスが映えるナンバーだ。
この日はアニバーサリーならではのサプライズもたっぷり。約3時間半にわたって“DaizyStripper全部乗せ”といってもいいぐらい盛りだくさんのステージを彼らは見せてくれた。
スモークが噴射され、夕霧が「会いたかったぜ! 東京!」と叫んだ「PSYCHEDELIC HEAVEN」では、はじけるようになお、まゆ、Reiが前に出て客席も拳を上げてコール&レスポンス。突き抜けるサビのメロディが印象的な「STARGAZER」はミラーボールのまばゆい光が反射する演出の中で届けられ、全員の気持ちが前のめりなのが歌と演奏からビシビシ伝わってきた。
「“僕らの帰る場所”50本目! グランドフィナーレ! そして俺たちの10歳の誕生日! 10年前の今日、俺たちは産声を上げました。あの時に抱えていた不安とか、あの時に持っていた夢が、今日はここで大きな花を咲かせることを願っています。みんながいつDaizyStripperを知ってくれたかわからないけど、ガッツリ愛し合うぞ! 行けるか!? パーティの始まりだ!!」──夕霧
「GOD SPEED」では火柱が上がり、艶やかなメロディの「Flying New World」では夕霧が花道へ進んでクルクル回りながら歌い、なおとまゆが向かい合ってギターを奏でるなど、華やかなステージが繰り広げられた。「世界でいちばんデカい声をステージに届けてくれよ!」と夕霧が煽ると会場はコール&レスポンス。10周年を楽しむ気満々のメンバーもオーディエンスも加速していき、Reiがセンターでベースソロを弾く「マネキン」では大歓声。なおが花道を全速力で駆け抜け、先端でギターソロを弾き倒して、その場に寝転がるなど、いつのまにかTOKYO DOME CITY HALLはデカいライブハウスと化していた。
まゆがバンドに復帰し、5人が再集結したDaizyStripper史に残るナンバー「ARREST」では客席がタオルを振りまくる中、各メンバーソロもフィーチャリング。この曲の意味を象徴するようにドラムの風弥を囲んで全員が集結するシーンも。
「俺たちは10年前、ちょうどこれぐらいの時間に始まってさ。この5人だから続く、と思ってたけど、いざ、最初に目指したゴールが目の前に迫ると、やっぱり感極まるものがありますね。そして、こんなにたくさんの人が来てくれたことが何よりものプレゼントだと思っています」と夕霧が今の心境を伝えると、まゆも「ついに10周年が来ました! ホントにたくさんの出来事があって、でも、それはいろいろな人たちが支えてくれて乗り超えられて、今日のステージがあります。ありがとう」とメッセージを届けた。
中盤戦で披露されたのは、記念日だからこそのスペシャルメドレー。「Trigger」「Derringer」「彼女はエメラルド」「東京ホライズン -NIGHT AND DAY-」「色彩ヴィヴィッド」「アマカラ」などDaizyStripperの10年を彩ってきた楽曲たちがこの日のためにアレンジされ、集まったオーディエンスのテンションをさらに上げた。
しかし、感傷に浸っている暇はなく、次の瞬間には夕霧が「すべてのクソ野郎共に!」と叫び、鬱憤爆発のパンクチューン「NAKAYUBI」を投下。アルバム『HOME』から激しさマックスのナンバーが立て続けに放たれる展開へ。
まゆがメガホンを持って叫ぶ「KoppaMiJiN」ではそのヘヴィで荒々しいサウンドにヘドバン続出。続いて放たれた「The End of Music」では花道をなおが走り、客席のあちこちにスモークを噴射して暴れ放題。Reiも花道でベースを弾きまくり、まゆはステージ最上部で背中弾き。風弥は思わずドラム台から立ち上がり、「自由に遊べ!」と客席にゲキを飛ばす夕霧。これらメンバーの姿に“いちばん自由に遊んでるのはDaizyStripperかも”と思わずにいられない型破りなステージが繰り広げられた。
ライヴはこの勢いのまま終盤戦に、と思いきや、まるで2部構成のごとく場面が転換。風弥のピアノソロにバイオリンが加わるなど、これもアニバーサリーならではのスペシャルバージョンだ。夕霧が歌い出し、オーケストラの演奏にバンドが加わる壮大で美しいバラード「明日が来るなら」が奏でられた。アルバム『HOME』の中でもひときわスタンダードなメロディの風弥によるナンバーだが、クラシック出身の彼がメンバーにいることはこの日のライヴの演出にも大きな影響を与えていた。
バックスクリーンに熱帯魚が泳ぎ、まさに曲のタイトル通りの空間を演出した浮遊感のある「aquarium」から、イントロで夕霧が「最高の11年目をスタートさせようぜ!」と叫んだメンバーとファンを繋ぐ曲「トレゾア」では場内が明るくなり、センターでまゆがギターソロを披露。みんなの歌う声が会場に響き渡った本編ラストナンバーは「MY WAY」だった。夕霧が“高過ぎる壁ならば 何度も越えて来たんだ”という歌詞を“そんなものは何度も何度も壊してきたんだ”とアドリブを交えて歌い、DaizyStripperとトレゾア(ファン)が築いてきたヒストリーが感動の景色を作り上げた。エンディングは風弥の想いが詰まったドラムソロ。盛大な拍手と歓声で本編が終了した。
が、まだまだサプライズは終わりではなかった。やまないアンコールの声に応えて、5人はプロジェクト『decade』を発表した記者会見の時のようにシルバーのスーツに着替えて正装で登場。客席にカラフルな花吹雪を撒きながら花道を歩き、センターステージへと移動したのだ。ライブハウスよりも近い距離でメンバーが音を奏でる中(楽器もクリーム系の色で統一)、最後にひまわりのブーケを持った夕霧が登場、「結婚しようか」と告げ、「in Daylight」が贈られた。会場にオレンジのライトと笑顔が揺れ、まゆがアコースティックギターに持ち替えて演奏された「BIRTHDAY SONG」もまさにホーム感たっぷりの演出だ。最高の誕生日の光景が広がった。そして、メインステージに戻った夕霧がみんなに想いを告げた。
「みんなアンコールありがとう! 結婚しちゃったね。これで他のバンドのライヴ行ったら不倫になっちゃうよ(笑)。“対バンイベントはいいけどワンマンライヴはダメ”ってメンバーの誰かが言ってたな(笑)。そんなふざけた話は置いておいて、TOKYO DOME CITY HALLでは結婚式のようなライヴをしたい、10年経った今、永遠を誓い合えるような気持ちを再確認できるようなライヴにしたいなって、メンバーと話してました。星の数ほどバンドがいて、いろんなスタイルがあって、どのバンドもすげえカッコよくて。でも、そんな中でDaizyStripperというバンドを選んでくれたみんなにはホントに感謝している。これからも僕たちはマイペースに、20周年、30周年と、メンバー全員骨になるまで続けていこうと思ってるからさ。気長に愛しあえるような関係でいれるといいね。俺たちにとってはみんなが、みんなにとっては俺たちが、これからも帰る場所であるといいなと思ってます。夢を追うことにはたくさんの犠牲が伴うけれど、それでも俺は“今が楽しい”と胸張って言えます。そう思えたのはいつも夢の続きにキミたちがいたから。ありがとう。10年経って僕たちは、こんな歌がうたえるようになりました」──夕霧
心のこもりまくった言葉のあとに届けられたのは、夕霧が自身の半生を飾らない言葉で歌ったオーガニックなナンバー「HOME」だ。そのメロディ、歌詞のひとつひとつが染み渡ってきた。大合唱が響き渡った「キボウノカケラ〜Shiny Days〜」、DaizyStripperが世に出るキッカケとなった1stシングル「ダンデライオン」、ライヴの最後を締めくくったのは昔と同じように横モッシュで盛り上がりまくった約束の曲「decade」だった。金テープが降り注ぐ中、10年前に書いたこの曲の歌詞と同じように夕霧は最後に「十年後の僕らは笑ってますか?」と問いかけた。まるで映画のような最高のエンディング。
感動がさめやらない終演後には、7月26日発売のメジャーデビューシングル「AGAIN」のミュージックビデオをスクリーンで初公開。リリース直後の7月27日から<DaizyStripper アルバムコンセプトツアー2017「11 CHRONICLES」>と題された全国ツアーが開催されることも発表された。
“DaizyStripperに出会えてよかった” “最高に楽しかった” “幸せでした”という感想がSNSに相次いだこの日のライヴ。最高の時間の中、11年目がついに幕を開けた。
取材・文◎山本弘子
■<10th Anniversary 47都道府県TOUR 2017「KISS THE FUTURE~僕らの帰る場所~」>
6月5日@TOKYO DOME CITY HALLセットリスト
02.PSYCHEDELIC HEAVEN
03.STARGAZER
04.GOD SPEED
05.Flying New World
06.蛙野郎
07.マネキン
08.ARREST
09.10th Anniversary Special メドレー
10.NAKAYUBI
11.KoppaMiJiN
12.The End of Music
13.明日が来るなら
14.aquarium
15.トレゾア
16.MY WAY
encore
en1.in Daylight
en2.BIRTHDAY SONG
en3.HOME
en4.キボウノカケラ〜Shiny Days〜
en5.ダンデライオン
en6.decade
■メジャーデビューシングル「AGAIN」
【初回限定盤A[CD+DVD]】VBZJ-52 1,900円+税
1.AGAIN
2.decade〜10年後の僕らver.〜
[DVD]
・「AGAIN」MUSIC CLIP
・「AGAIN」MUSIC SLIP
・MAKING
■トレーディングカードA(全10種からランダムで1枚)封入
【初回限定盤B[CD+フォトブックレット]】VBZJ-53 1,900円+税
1.AGAIN
2.decade〜10年後の僕らver.〜
■豪華フォトブックレット(初回限定盤B ver)
■トレーディングカードB(全10種からランダムで1枚)封入
【初回限定盤C[CD+フォトブックレット]】VBZJ-54 1,900円+税
1.AGAIN
2.decade〜10年後の僕らver.〜
■豪華フォトブックレット(初回限定盤C ver)
■トレーディングカードC(全10種からランダムで1枚)封入
【通常盤[CD]】VBCJ-30022 1,500円+税
1.AGAIN
2.decade〜10年後の僕らver.〜
3.WHO KILLED THE FIGHTER?
■トレーディングカードD(全10種からランダムで1枚)封入
■<アルバムコンセプトツアー2017「11 CHRONICLES」>
7/27(木)新宿BLAZE
OPEN18:00 / START 18:30
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00〜19:00)
Day2【BIRTH Day】
8/01(火)札幌COLONY
OPEN18:00 / START 18:30
(問)WESS 011-614-9999(平日11:00〜18:00)
Day3【LOVE Day】
8/02(水)札幌COLONY
OPEN18:00 / START 18:30
(問)WESS 011-614-9999(平日11:00〜18:00)
Day4【BLESS Day】
8/11(金・祝) 大阪MUSE
OPEN17:30 / START 18:00
(問)夢番地大阪 06-6341-3525(平日11:00〜19:00)
Day5【SIREN Day】
8/12(土) 名古屋Club UPSET
OPEN17:30 / START 18:00
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(全日10:00〜18:00)
Day6【AIR Day】
8/19(土) 新潟GOLDEN PIGS BLACKSTAGE
OPEN17:30 / START 18:00
(問)FOB新潟 025-229-5000(平日11:00〜18:00)
Day7【HUMALOID Day】
8/20(日) 仙台LIVE HOUSE enn 2nd
OPEN17:30 / START 18:00
(問)キョードー東北 022-217-7788(平日10:00〜19:00/土曜10:00〜17:00)
Day8【TRAGUS Day】
8/24(木) 福岡DRUM Be-1
OPEN18:00 / START 18:30
(問)BEA 092-712-4221(平日11:00〜18::00/第2・第4土曜11:00〜15:00)
Day9【SIRIUS Day】
8/26(土) 岡山IMAGE
OPEN17:30 / START 18:00
(問)キャンディープロモーション岡山 086-221-8151(平日11:00〜18:30)
Day10【HOME Day】
8/27(日) 高松DIME
OPEN17:30 / START 18:00
(問) DUKE高松 087-822-2520 (月〜金:10:00〜18:00)
FINAL Day【SINGLE & COUPLING Day】
8/31(木) 新宿ReNY
OPEN18:00 / START 18:30
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00〜19:00)
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